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911と、ギネスと

2001年の9月11日。

大阪からの出張者と、仕事の終わりに ギネス を呑んでました。
尖沙咀にあった仕事場から、ほど近く。メインストリートから少し入って、ちょっと落ち着いた感じのエリアにあった、いかにもアイリッシュパブって感じのお店。

その店は中に入るとすぐにプロジェクターがあって、普段はプレミア・リーグとかMLBとか、主にスポーツ映像が流れています。
この日もそんないつもの感じだったのですが、突然に映像が切り替わって、煙の上がるWTCが映し出されました。
最初は、映画?でもなんで急に?あれ?CNN?事故?といぶかしがってたのですが、直後に2機目が…

もうこれは事故じゃない。テロだ、と、店内も騒然。というか唖然、という空気でしたね。
自分は妙に冷静でした。現実味がないというか、淡々と…出張者ともそんな感じで話してました。
当時はスマホなんかまだないので、すぐ家に電話をして、相方がテレビからの情報を伝えてくれるのですが、飛行機が突っ込んだことが分かっているだけで、それ以外の情報は錯綜しててまったく追いきれていない様子。結局、目の前のスクリーンに流れている情報以上のものは得られないわけで、NHKとかにしても、現地のテレビ局からの情報を伝えてるだけという感じ。そりゃそうだ。

ひとまずその場は解散して、あとは家でテレビとPCに釘付けになってました。しかし、被害の状況以外は何がなんだかさっぱり…
その出張者は翌日の夕方のフライトで帰国。また別の出張者も次の日に香港に来る予定だったり、飛行機に乗ることに対して、さぞ不安だったことと思います。なので、少しでも情報を集めて、出張者のみなさんに伝えられれば、と思ったんですけど。

とりあえず、翌日の飛行機は飛ぶ。乗るかどうかは各自の判断に任せる。会社からはそんな通達だったと思います。
心の奥がざわざわして落ち着かなくても、とりあえずの日常に。

あの日を境に、世界はすっかりと変わってしまって、どこかぴりぴりした感じが漂っている気がします。

昨年、20数年ぶりに香港に行ったとき足を運んでみたのですが、エリア一帯が再開発されていて、近代的な建物の並ぶ通りに。往時の雰囲気はまったくなくなってたのが残念。お店自体もその場からはなくなってました。

911を迎えると、その時の記憶がよみがえりますし、好きだったギネスビールにもインプリンティングされてしまってます。(だからといって呑まないわけではない)

でもみんなで、おいしいビールをたのしく呑める世の中がよいな、と。

そんなことを思う日なのです。


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