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元気だった愛猫が尿管閉塞による急性腎不全で緊急手術をした話~SUBシステム~

◆はじめに

 今回、愛猫あんこちゃんが受けることになった手術。SUBシステム(略:Subcutaneous Ureteral Bypass)。アメリカの獣医医療器が開発した人工尿管で、尿管閉塞の治療法のひとつ。

 しかし開発されてからまだ10年ほどしか経っていないため、予後についての情報が少なく、先生からも術後の経過については5年程度の情報しかないといわれた。インターネットで調べてみても、同じように手術後の経過をブログで書いてくれている方もいたが、やはり少ない。今後同じように手術を受けることになった猫たちの飼い主さんへ、少しでも参考になればいいなと思い記録に残していきたいと思う。SUBシステムの手術後も少しでもたくさんの時間を元気に過ごして、みんなの希望になれたらいいな。

◆あんこちゃん

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あんこ ♀ MIX 5才4ヵ月(2021年2月22日(手術日)時点)

 野良猫から生まれ、生まれて間もなく保護した。それまで大きな病気はなく、兄猫(もなか、きなこ)とともにのんびりと過ごす。好きなものはおもちゃと日向ぼっこ。

◆症状発覚~病院•手術へ

「あんこちゃんがごはんを食べない」

 突然のことだった。いつももりもりとごはんを食べていたのに、全く食べなくなってしまった。ごはんに飽きちゃったのかなぁなんて思いながら、説得しても一口も食べなくなってしまった。そして嘔吐、胃は空っぽだから液体を吐いていた。不安になってかかりつけの病院へ行く。触診やレントゲンでは異常なし。血液検査をしてみることになった。

「腎臓の数値がすごい悪いね」

 思ってもみなかった。測定値不能ってどうゆうこと…?!いつからだろう。何が悪かったんだろう。あふれてくる不安な気持ちを押し殺して、先生の話を聞いた。一度腎臓を悪くしてしまったら治ることはない。一刻も早い処置が必要なため、先生がすぐに手術ができる先生がいる病院へ電話してくれて、急いで向かうことになった。

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↑これがその時の血液検査結果。
BUN >140.0(測定不能)、Cre 11.66

 病院へ着いて、エコー検査をしてもらった。左の腎臓と膀胱をつなぐ通常2㎜の尿管が7㎜まで腫れていた。結石が詰まっているため、圧迫している状態だった(尿管閉塞)。これにより左の腎臓の機能が著しく低下しているため、緊急な手術が必要だと説明された。当日は骨折した子を手術予定だったが、後ろ倒しにしてその日の夜に緊急手術をしてくれることになった。(骨折の子我慢するの辛かったよね、ごめんね。おかげであんこの命が救われたよ。)

 もう少し病院へ連れて行くのが遅かったらと思うとこわくなった。あんこちゃんを預けて、手術のパンフレットをもらって、帰宅した。生きた心地がしなかった。家に帰るとほかの猫たちもなんとなくわかっているようで、いつも賑やかなはずが嘘のように静かだった。

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↑これがもらったパンフレット
せっかくいただたけれど、これはどうやら先生用で凡人の私の頭では難しすぎた。

*ここで少し手術についての話

 「subシステム 猫」で検索すれば動物病院が載せてくれているわかりやすい説明があるので細かな説明は省く。簡単にいうと、腎臓と膀胱を繋いでいる尿管が詰まってしまうと器用な先生でも結石を押し出すことは不可能のようで、別に腎臓と膀胱をつなぐ人工の管を入れるということ。尿管よりも太い管を入れるため結石で詰まることは少ないが、定期的な洗浄が必要とのこと。

◆SUBシステム手術後1日目:面会

 次の日朝一で病院へ向かった。先生から手術は無事に終わったと伝えられ、面会をさせてもらえた。昨日までと全く違うぐったりした様子のあんこちゃんがいた。看護師さんが、今は鎮静剤の点滴をしているから、これが終われば意識がはっきりするよと教えてくれた。頑張ってくれてありがとうと頭をなでた。長い間ごはんを食べないことで、今度は肝臓を悪くしてしまうことがあるらしく、これからいろいろなごはんを試してみるとのことだった。神経質な性格だから、知らない場所でごはんを食べれるか不安なことを話した。ごはんが食べれてとおしっこが出れば帰れるよといわれ、少し安心して帰宅した。

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↑SUBシステム手術後のレントゲン。こんな感じで人工尿管が入っている。

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↑呼びかけに反応して、起き上がって顔を見せてくれたあんこちゃん。本当によくがんばりました。

◆SUBシステム手術後2日目:退院

 この日も朝一で病院へ向かった。先生からの話ではムッとした顔をしてごはんは食べなかったらしいが、退院の許可をもらえた。看護師さんがだっこして連れてきてくれたのだが、顔を見た瞬間「にゃーん!!!」と大きな声を出してくれた。退院時の血液検査では正常範囲内におさまっていた。(退院できたことのあまりの嬉しさに写真を撮ることを忘れてた。)この時点でごはんを食べなくなってから4日経っていた上に手術もしたので、体重は5.1Kgに減っていた。(12月に計ったときは6.1Kgだった)

 とりあえず今はごはんを食べること。看護師さんもいっていたが、ごはんを食べていない期間が長いので、他の臓器を悪くしてしまう可能性があるとのこと。そのため、ごはんは腎臓食に限らず、食べられるものを食べるようにといわれた。次は抜糸のため一週間後に病院へ行くことになった。

 帰宅後ふらふらとキャリーから出てきたあと、ゆっくりと一通りお家の中を確認した。痛々しいおなかの傷跡が見えて、また心が痛くなったけれど、こわがりのさみしがりのあんこちゃんが本当によく頑張ってくれたと思う。少し落ち着いたあと、ごはんを少しだけ食べてくれた。

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↑おかえりあんこちゃん。

 しかし安心ししたのは束の間だった。それから何度もトイレに行き、ずっと座ったままになり、少しおしっこが出たと思ったら血が混ざっていた。膀胱に直接管を引っかけているため、膀胱炎になりやすかったり、膀胱が敏感になってしまうようで、頻尿、血尿はしかたのないことらしい。それでもこの時は、体力もないからかトイレで香箱座りをしてしまい、かわいそうでしかたがなかった。また病院へ連れて行くのもストレスになりそうなので、一週間後の抜糸までは様子を見ることにした。

*追記

 調べている時に見つけたのだが、腎不全で闘病している猫のブログで「なるべく体を温めるようにしていたら頻尿がよくなった」という記事を見つけた。尿路結石も寒い冬になる猫が多いらしい。あんこちゃんがまったりしたり寝ている時はなるべく暖かくして(日向ぼっこもいいね)、毛布をかけてあげることにしたら、少し頻尿が治まったような気がする。本人も毛布に潜るのが大好きなのでよかった。

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↑きなちゃんも一緒に暖めてくれてる。ありがとう。

✴︎手術の費用について

 まだ新しい手術で対応できる先生も多くないため、他の手術と比べて金額は高くなってしまうらしい。先生の考えや、猫の状態によって入院期間も変わるし、参考までに。

✴︎ ✴︎ ✴︎

 書きたいことをばばばっと書いてしまったが、こんな感じでこれからも術後の経過を書いてみようと思う。
ちなみに今現在は手術後1ヵ月経ったが、ごはんも食べれるようになったし、少しずつ体力も回復して元気に過ごしている。
これからも一日一日を大切に一緒に頑張っていこうね。

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