田舎貴族の食卓 辰巳浜子 『料理歳時記』

(2020年の12冊目)昭和37-43年に『婦人公論』に連載されていた食の随筆。四季折々の食材とそれにまつわる思い出などが綴られているのだが、これを「古き良き日本の食卓」を切り取ったものとして扱って良いものかはわからない。昔の品の良い金持ちはこういうモノを食べていたんだなぁ、とか思うだけで、良いともなんとも思わず。鎌倉のデカい家で家庭菜園をやっていた、みたいな話を読むとその暮らしぶりは田舎貴族的でさえあって、庶民の暮らしとはかけ離れている感じだ。至るところに現れた余裕が今の感覚からすると「昔の余裕」にも思われる。

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