[理系による「映画」考察] チップス先生さようなら(1939) ➡”おヒョイ”への道
ここで言う"おヒョイ"とは、寛容で、お洒落で、知的に見え、世俗的でなく、なんとも捉えようのない飄々とした人物像を表した言葉ですが、日本人で言うと藤村俊二さんのことです。
この映画は、少し堅物の教師が、恋愛・結婚を機に"おヒョイ"に徐々に変貌し、結果、生徒から大いに好かれる先生になる、という物語ですが、"おヒョイ"の概念が海外にもあったことに驚きました(もちろん、藤村俊二さんよりもこの映画のほうが先ですが)。
自身は10代から、"おヒョイみたいになりたいな~"、という強い願望があり、ただ、あれは天性のものだと思ってその実現はあきらめていましたが、この映画をみて、どうやら努力であのキャラに近づけそうな気がしてきました。というのも、主人公の教師が、変貌の過程を一部見せてくれるからです。
ただ、簡単になれるものではなく、ユーモアや会話の"間"のセンスが必要なので、それに成るまでの過程で会話でスベることを受け入れる勇気が必要ですし、寛容さを身に着けるために結構な重さの人生経験も要ります。
が、映画のセリフにあるのように、"ユーモアを理解し何事も為せば成るを教える"、を学校からではなく、この映画から学ぼうとしているこの頃でした。