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好きなことを仕事にするということ


化粧品の開発に携わる者として、日々ものづくりを通して思うことがたくさんある。

「ものづくり」それ自体もそうだし、消費者とは、組織とは、物が売れるということや人の感性についても思考していると、とにかく日々頭の中が忙しすぎるので言語化するスペースが欲しかった。

元々私は生粋のブログ世代。
10代の頃からネット上でブログや日記を書くことが当たり前な時代を生きてきたにもかかわらず、働き出してからしばらくして書くことをやめた。


案の定、多すぎる情報や思考をうまく整理できずに、なんだかずっと気持ち悪くて、やっぱり言語化すると課題を整理できるし、何よりも「自分の気持ちを自分で受け止める」という作業には書くという手段が必須だと感じた。


このご時世で自分の内面と向き合う時間が格段に増えた、ということも理由としてあるかもしれない。


つらつらと日々思うことを書いていこうと思う。


唐突だけど私は化粧品が好きだ。
開発に携われていること、本当に恵まれているしこの仕事が大好きだ。


でも「好きなことを仕事にできて楽しそう」と言われることについては果たしてそうだろうかと思う。

好きだからこそ譲れない部分があって拘れば拘るほどぶつかることも増える。飲み込めないことも多くて辛くなかったことなんて一度もない。

もう二度と顔も見たくないと思う日すらあるのに、結局これがないと息もできなくて、化粧品って本当なんなんだろうか。とんでもなく悪い奴に思えてくる。薬であり毒でもある。

好きなことを仕事にするということは、純粋な趣味を一つ失うことでもある。これは誰も教えてくれなかった。

私にとって化粧品は純度100%の趣味ではなくなってしまった。いつだって仕事として向き合うことになる。

その覚悟を持って選んだわけではないから、これについては少々戸惑ったのだけど。


それでもなるべく一消費者として居たいので、基本的に経費で化粧品は買わない。自分の財布からお金を出さなければ、値頃感や納得感は体感できないと知っているから。


そうしてなるべく純度の高い趣味として残しておける努力をしている。


化粧品というのは、頭で考えるよりも心で感じるものだから、作り手としてはその感性を誰よりも大事にしていきたいと思う。


趣味だろうと仕事だろうと、どちらにせよ私にはなくてはならない物であること、これだけは確かだから。

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