見出し画像

斜に構えてばっかりで。その3

 今回もまた想像力についての話です。しかし、前回と違うのは人間関係における想像力ではなく、作品を楽しむ為の想像力です。

 まず初めに、自分はそこそこのオタクです。ここで言うオタクとはアイドルや電車ではなく、アニメや漫画が大好きなオタクを指します。まあ最近はアイドル大好きなんですけどね!

そして、数年間お芝居に真剣に取り組んでいた期間があります。だからこそ考えてしまうのかもしれません。

 さて、本日とある大人気漫画が終わりました。鬼滅の刃です。自分も皆さんと同じように大好きです。毎週楽しみにしてました。その楽しみが1つ減ってしまったことはとても残念な気持ちはありますが、大好きな作品がしっかりと最終回を迎えた事はとっても嬉しいです。

 で、今回感じた世の中への不満。それは、最終回を迎えた作品への想像力の足りない感想が多かったことです。こんな事を言うとお前なんかが偉そうなことを言うなと思う方が沢山いると思いますし、ごもっともだと思います。しかし、何度も書いておりますが、こちらの記事?エッセイ?は自分の世の中への不満を書き連ねるものになるので、コイツはコイツと思って諦めてください。

自分が一番気に入らない感想は

 「伏線が全然回収されていない」

 というものです。勿論、そういう作品もあると思います。本当に必要なフラグが立ちっぱなしで終了を迎えた作品もあるのでしょう。しかし、自分は大体においてこの感想を述べる人は想像力の足りない人が多いような印象を受けます。

 例えば、BLEACHの黒崎一護の名前の考察記事はファンの間では有名な話だと思います。知らない方は是非調べてみてください。凄い面白いです。

 ここで言いたい事は、その名前についてあれだけの意味が込められていたとしてもそれは作中で全く触れられないということです。まあ名前の話が作中で出てくるのはちゃんちゃらおかしな話なのですが、そういう語られていないお話と言うものが作者の中にはあると言うことと、そしてそれを楽しむ受け手がいると言うことです。また、語られなかったその伏線が作品においてどういう役割を持つのかということです。

  本来であれば受け手がああかもしれない、こうだったかもしれないと想像するのが楽しいものではないでしょうか?

 そこを、説明不足だ!と感想を述べる方を見ると「想像力が足りないよ」と思うわけです。

 想像力というものは年齢を重ねるだけえ徐々に弱っていくものだと個人的は思います。様々な鍛え方があると思いますが、一番手取り早いものは読書ではないでしょうか。そして、その力が今のオタク達には欠落していると思うわけです。自分含めて。

 漫画やアニメでは想像力は鍛えられません。

 特にアニメはなかなか難しい。なぜなら、声も戦闘もBGMもありとあらゆるものがもう既に用意されているからです。演出の力、監督の力、役者やアニメーター、その他沢山のスタッフの方が想像力をフル活用して一本の作品を提供してくれているのです。マジ感謝。

 しかし、そこに受け手の想像力が入る余地はどこまであるでしょうか?ほぼ無くない?

 漫画であれば、主人公の声や服の色は自分の想像&妄想が働きますが、アニメはここが0です。小説であれば、コマ割りや風景を想像力で補っていきます。

 例えばオムライスというワード1つでも、皆さんが思い浮かべる形はそれぞれだと思います。卵の硬さ、ソースの種類、お気に入りのオムライスは人それぞれです。しかしこれが写真のオムライスを出された瞬間に皆さんの想像するオムライスは、その写真のものに統一される筈です。そういったものばかりを楽しんでばかりで想像力が育つのでしょうか。

 もしかしたら、読書をしていると言う方がいるかもしれません。ですがここで注意しておきたいのはラノベは読書でしょうか?いえ、読書ではあります。素晴らしい作品もあります。自分も中学生の頃から大好きです。ですが、アニメを見てからラノベを読み始めた読者は、主人公の話し方は声優さんのお芝居に上書きされているはずです。これも想像力が鍛えられるのかというと、そんなことはないと思います。

 そんな風に想像力が鍛えられいない読者。作品を楽しむ力が弱い読者が多くなってしまったと感じます。

 作品には必ずテーマがあります。キャラクターには各々役割があります。

 そのテーマという大きな機械を動かす歯車がキャラクター達です。伏線はそれを動かす動力だと思います。世界観の下準備とも言うでしょうか?

 ガールズ&パンツァーという作品があります。あの作品は女子高校生達が戦車道と言う武道、部活を通してキャラクターの成長を描いています。しかし作中で戦車道というものが何故出来たのかという話は特にありません。もしかしたら、設定資料集や漫画などの中で語られているかもしれませんが、主戦場であるアニメの中ではなかったように思います。あの作品において戦車道というものはわざわざ語るようなものではないのです。おそらく、剣道や柔道、カバディであったとしても同じストーリーで作品を作り上げることができはずです。何故戦車なのかというのはアニメの外側の話の方が大きい筈です。売れるかどうかとかそう言う話。

 故に、戦車道というものの歴史や文化が作中で語られなくてもそこに大きな問題はないのです。そこは世界観の話なので、受け手は「そういう世界なんだ」という理解に留めておけば良いと思います。

 そんな下準備に対して、伏線回収が〜とか、謎が残ってるとかいうのは話が違う訳です。そこは作品のテーマを語る為の動力であるからです。そういう理解力を持ってもらえたらと思います。そしてその理解力は想像力の一部です。大人になってから鍛えるのは大変難しい力ですが、それを手に入れることが出来れば今までの8倍くらい自分の好きな作品を楽しむことが出来るはずです。

 そして、大好きな作品が最終回を迎えたら一言。

 お疲れ様でした!凄い面白かったです!

 と言えるようなオタクに、読者に、人間になりたいです。

 最後に、この記事を最後まで読んでいただいた読者の方に感謝を。

 因みに写真はチーズ親子丼です。オムライスの写真はなかったので似たもので代用しましたすみません。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?