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HDDが壊れた話

今まさに困っている方へ
故障に対する最も確実な方法は専門家に修理を依頼することです。
故障したパソコンは無理に使おうとせず、専門家の指示を仰いでください。

ある日突然、昨日まで使えてたはずのHDD(ハードディスクドライブ)をパソコンが認識しなくなって途方に暮れた話です。
似たような症状に悩まされてる方の参考になれば幸いです。
また同様に絶望する人を出さないためにも、この文章を残しておきます。
ちなみに私の場合は内臓HDDだったのですが、システム領域は割り当てていなかったので外付けのHDDでもやることは変わらないと思います。

癸(著者) #とは

初めて書くnoteですし、「誰お前?」的な声が聞こえてきそうなのでとりあえず自己紹介をば。
興味のない方は読み飛ばしちゃって大丈夫です。

ネット上では癸と名乗ってます。
肩書は……、クリエイター(志望)でしょうか。
イラスト、小説、動画、プログラミングと様々な創作に手を出していますが、個人的に一番デキると感じてるのは音楽になります。
YAMAHA社製のVOCALOIDという音声合成ソフトを利用した楽曲をニコニコ動画やyoutubeなどに公開しています。
もし興味があればご覧くださいませ。

1.障害発生、HDDを認識しない

前兆とかは特にありませんでした。いつも通りパソコンを使っていたら唐突に2.0TBのハードディスクとの接続が切れ、以降ドライブの存在すら認識しなくなりました。
一応締め切りのある案件などはないものの、過去の作業データはすべてこのHDDに保存してあります。
それだけではありません。2.0TBという大容量です。作業データのみならず、大事に取ってたアニメの録画データ、衝動的にポチった電子書籍のデータ、もはや収集癖と化した大量の音楽データ、何から何まですべてこのドライブに突っ込んでたのです。
それらがすべて見れなくなったのですから、かなり焦りました。

まるで私の過去がすべて消されたかのよう……。
頭が真っ白になるってこういうことを言うんだなぁ、なんて。
完成品だけはGoogleドライブなどのクラウドストレージにアップロードしてあったのがせめてもの救いです。

我に返って「HDD 認識しない」とかの単語でググっても、症状として取り上げられているものだとHDD自体は認識してる場合がほとんどで、存在そのものが無視されてる症例は浅い検索では見当たらず。ネットの対応範囲の狭さに憤りを感じつつ早くも途方にくれます。

とりあえず故障したのがシステムディスクではないことは確かだったので、できれば通信系の故障であることを願いながら、SATAケーブルを抜き差ししたり、別の内臓HDDを取り付けたりして、通信系の故障ではないことを確認しました。絶望です。

と、ここで何度か抜き差ししているうちにこれまた唐突に認識し始めました。若干首を傾げつつ、とりあえずここでハードディスクの存在自体は確認できたので気持ちは少し持ち直しました。あとは、中のデータが一部でも無事であればありがたいのですが……。

2.HDD自体は認識可能、データ読み込めず

ハードディスク自体は認識したものの、ドライブを開こうとしても「ドライブにアクセスできません」と出るばかりでそこから先へはなかなか進めませんでした。
色々調べているうちにハードディスクのデータのサルベージが可能なソフトウェアがいくつかあるそうで、それらを片っ端から試すことに。

まず最初に試したのが、検索でも上位に出てきたEaseUSのDATA Recovery Wizard。製品版はありますが、無料でも復元できるよ!との謳い文句につられてインストール、ハードディスクのスキャン開始。
5時間に及ぶフルスキャンの末、なんとファイル構造とかまでほぼ完ぺきにスキャンできました!と喜んだのも束の間、いざ復元(コピー)を開始してみると僅か500MBで試用版終了。これ以上復元したければ一万円近い額を支払えと。
なら最初からそう書いておけと。
私の5時間返せと。
期待させてくれた分落胆が激しかったです。

一万円で全てのデータが復元できるのであれば安いものではありますが、私にそのような金銭的余裕も精神的余裕もありません。
上げて落とされたことに半ギレになりつつEaseUSのDATA Recovery Wizardをアンインストールし、次に試したのが無料ソフトでは最高峰といわれているらしいRecuvaでした。
こちらはハードディスクのスキャンすらできずに敗退。
乾いた笑いがこみ上げます。

諦念を抱きつつ次に試したのがDiskDiggerです。
こちらも製品版はありますが、無料の試用版もある様子。
今度は、スキャンもうまくいき復元容量にも特に制限がない……、と思いきや1ファイル復元するごとにライセンス購入を勧めてくる画面が表示されます。
復元したいファイルが十個程度……、いや、百個程度までであれば地道にポチポチライセンス購入を拒否し続ければいいんですが、検出されたファイル数が二百万あるのを見て断念。
ライセンスを購入するという選択肢は私にはなかった。
ついでに言うとファイル構造もぐちゃぐちゃになっていたのでDiskDiggerを購入する選択肢はなおさらなかった。

ここまで来たらもはややけくそです。
ググった際にちらと目にしたPhotoRecを試してみることに。
こちらはTestDiskというソフトウェアに同梱されているソフトウェアなので、「フリーソフト100」といったフリーウェア配布サイトなどでは紹介されていませんので注意が必要です。
こちらのサイト(https://pctrouble.net/software/photorec.html)を参考に操作し、やっとこさファイルの抽出に成功しました。

ちなみに、もし金銭に余裕があるのであれば上記のサイトで紹介されている「ファイナルデータ」や、私も最初に試した「EaseUS DATA Recovery Wizard」での復元を強くお勧めします。
人生で何度あるかもわからないHDDの復元のためにお金を掛けたくない、そもそも先立つものがない方は「Recuva」、「PhotoRec」を使ってみてください。

3.データ復元成功! とは言ったものの……

Recuvaでさえ不可能(?)だったファイルの抽出、及び復元にPhotoRecが成功してくれました!
とは言ったものの、またいくつか問題が発生してしまいました。

まず、PhotoRecはファイルを復元する際に、特定の形式のファイルのみ選択して復元することができるのですが、困ったことに一番重要な.rpp(DAWソフトREAPERの独自拡張子)、.sai/.sai2(絵画ソフトSAI/SAI2の独自拡張子)、.aup(動画編集ソフトAviUtlの使用する独自拡張子)の選択肢がありません。
しかもどうやら「その他の拡張子をすべて復元」は「すべての拡張子を復元」と同義らしく、選択した場合二百万ものファイルがすべて吐き出されることに……。
All or Nothing(全か無か)とはまさにこのこと。
それでも背に腹は代えられまいと二百万のデータ全て吐き出させることにしました。

次に、これは「全か無か」にも関わってくることなのですが、今回故障したハードディスクの容量、2.0TBです。
「すべてのファイルを復元」には枕詞として「合計2.0TBもの容量のある」が付きます。
まだ取り出したいデータが残っている以上、このハードディスクに直接描き込むわけにはいきません。かと言って2.0TBもの空き容量をそう簡単に確保できるはずもなく……。
とりあえず、これは復元コピーされたファイルのうち、不要なファイルをちまちま消していくことで何とか間に合わせることにしました。
ただしこれでどうにもならなかったら新しい2.0TBのHDD買うしかないですね。

最後に、地味につらいのがファイル名が連番になってしまうこと。(厳密には違うのですが、連番とほとんど変わりません。)
さらに言えばファイルが書き出される順番はHDDに保存した順番とは限らない、それどころか長年の使用で内部の順番はめちゃくちゃになっている点が余計ややこしくさせています。
つまり、二百万のファイルが順番シャッフルされて「f13246896.xxx」みたいな新しい名前を付けられて同じフォルダにコピーされるようなイメージです。
辛うじて拡張子のおかげでそれが何のファイルかが分かるだけです。

4.地獄の仕分け作業 👈今ココ

はい、私は現在、先の見えない整理作業から目を逸らしてこの記事を書いています。
だって二百万ですよ、二百万。1+1は200じゃないんですよ。
今やっと五万ほどの不要なファイルを削除したところです。

何が辛いって似たような名前のファイルを延々と見続けることがほんとつらい。
ゲシュタルト崩壊起こしかけてるんじゃないかって気がしてきます。

ファイルの書き出し方もツライポイントの一つに数えられます。拡張子ごとに分けてくれるならいいものの、「一番最初から探していって見つけた順に」書き出してくれやがります。
情けで五百ファイルごとにフォルダ分けしてくれてますが、それもまた整理にひと手間かかる要因になっているのでマイナスポイントに数えられます。
……尤も、フォルダ分けしなければすべてのファイルが一つのフォルダに書き出されるわけで、それはそれでメモリが非常に大変な事態になりそうですけども。

先に書いたように容量の問題のため、書き出されたファイルから整理していっています。
なのでリアルタイムで整理するファイルが増えていくのですが、それを見るのすらもはや苦痛となりつつあります。

……もうファイルの復旧諦めようかなぁ……。

5.これからのお話

バックアップはしっかり取ろう!

今回の教訓です。
バックアップを怠っていたばかりに、ここまで大変な思いをする羽目になったのです。
もちろんバックアップを取っていたとしてもリスクが0になるわけではありませんが、少なくとも半分以下にはなります。
特に大事なデータは何重にもバックアップを取っておいて損はないと思います。

バックアップはクラウドストレージを利用するのも一つの手だと思います。
無料で大容量と謳っているところでも、最大容量でおそらくMEGAの50GBですが、大事なデータを保存しておくには十分ではないかと思います。
有料プランでも一ヶ月ごとに千円強で1.0TB使えます。
データの保険と考えれば安いものではないでしょうか。
私は金銭的余裕が以下略。

あとはパーティションも今までよりは細かく分けるべきなのかなー、なんて考えました。
パーティションというのはハードディスクの中に仕切りを立てていくつかの部屋に分けるようなイメージで、これをしておくことで一つのパーティションがダメになっても他の部分からは問題なくデータを読み出せる可能性が残ります。
尤も仕切り自体が壊れてしまっては全部だめになってしまうので、一つのHDDに精々二、三個と言ったところでしょうか。

それから、今回故障したHDDについて。
色々と調べているうちに見かけた意見で、「一度故障した実績のあるハードウェアを再利用して使い続けることはない」というものを見かけました。
2.0TBもの容量をただ遊ばせておくのももったいなくは感じますが、確かに、一度故障したということは故障しやすいものなのかもしれないというのは納得できます。
少なくとも今後このHDDをメインで使っていくことはないのだと思います。

さいごに

バックアップはしっかり取りましょう。
大事なことなので何度でも言います。
パソコンというものはいつ、どうやって故障するか誰にもわかりません。なので、信用できるとはとてもじゃないですけど言えないことを今回学びました。
デジタルなデータというのは、物理的なものと違いいくらでも複製が効くのに、なくなっては困るものを一つしか残しておかないというのは愚の骨頂です。

昨今は便利な世の中になったもので、バックアップのためのフリーソフトも充実しています。
この記事を読んだのであれば、この機会にぜひデータのバックアップについて今一度考え直してみてはいかがでしょうか。

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