「噛めること」がなぜ大切なのか
自分の歯でおいしく物を食べられること、これは生きる力に直結しています。
自分の歯はもちろん、入れ歯になっても良く噛める人は健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)が長い事がわかっています。さらに、近年ではお口の健康と全身の健康との関連がどんどん明らかになっています。
〈歯の本数と要介護認定との関係〉
65歳以上の健康な人を対象にして4年間調査した結果、歯が19本以下の人は、20本以上の人と比べて要介護認定を受ける割合が1.2倍に上昇する事がわかりました。また別の研究では、歯が多く残っている人や歯が少なくても義歯を入れている人は、そうでない人と比べて認知症の発症や転倒の危険性が低い事がわかりました。
〈しっかり噛めるとこんないい事が〉
①色々な食品を食べる事で必要な栄養をバランスよくとれる
②噛むことによって脳が活性化する
③発音が良くなる
④表情がイキイキする
⑤食べ物を美味しく味わえる
⑥噛むことによって分泌される唾液が消化を助ける
⑦唾液が口腔内を綺麗にするため、虫歯や歯周病の予防につながる
これらによって免疫力や運動機能の低下を予防でき、人と楽しく交流でき、生きる意欲が湧いてきます。
多くの患者さんからいわれる「若い時にもっと歯を大事にすればよかった」という言葉。ほとんどの方が今の現状に自分がなるとは夢にも思っていなかったことでしょう。活発に行動ができなくなると、ほとんどの方の楽しみは、「おいしい食事の時間を友人や家族、大切な人と共有する事」に変わってきます。その楽しみを奪うお口のトラブルは、その人の生きる意欲を奪います。健康な生活を送るためにはお口の機能維持が必要不可欠と我々は考えます。
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