2022年のアニメ/映画/特撮作品反省会

2022年も面白い作品に多く出会えた一年でした。
映画もアニメも漫画も小説も音楽も、「今年はこれかな」というものに出会ったらもっと凄いものが出てきたり、違う方向性だけど楽しいものを見つけたりと良い出会いに恵まれた一年だったと振り返ってみて思うわけですが、ただ執筆時間が取れなくて殆ど書くことが出来なかった……!
ゲームについての備忘録とか一部作品の推薦文などは書いているんですが、これと言った感想を殆ど書いてこなかったんですよね。反省してます。
反省したので今日「今年のまとめ」として載せておきます!そう、これは反省会。反省(して今年のベストについて書く機)会です!

アニメ:アキバ冥途戦争

  • 一位:アキバ冥途戦争

  • 二位:ワッチャプリマジ!

  • 三位:BIRDIE WING

2022年の最後に飛び込んできた『アキバ冥途戦争』は「今年一番衝撃を受けた」と言っても過言ではない怪作であり、そして傑作でした。
序盤こそ「メイド喫茶のメイドでヤクザ映画っぽいことをやる」というシチュエーションコントのような作品だったんですが、敵対メイド喫茶グループの幹部・愛美の帰還から始まるメイドリアン抗争編から徐々に変わっていき、終盤の10話・11話はもう「ヤクザや任侠を真正面からメイドで描き切る」という凄まじい展開になっていく。
最終話では「メイドに様々な人を殺された主人公・和平なごみが『メイドの流儀』に乗っ取った復讐劇を……」という展開になるんですが、その幕引きが「メイド喫茶のメイド」「ヤクザ映画」の両方の要素がなければ成立しない壮絶なもので、圧倒されましたね。凄かった。エピローグが短すぎるので、他のメイド達のその後も見せてくれ。
『ワッチャプリマジ!』は終盤になるにつれて凄い事になっていった作品でしたね。
「本気と本気のぶつかり合い。だから面白く、だから心を熱くさせる」と言う力学が働いている作品でしたが、「自分の本気を優先しすぎて、他人の本気をまともに扱わなかった」という人間により引き起こされた悲劇的な展開は言葉を失いましたし、悲しみを受け止めて癒してくれるのは愛……という理屈は美しくてよかったです。
三位の『BIRDIE WING』は完全に趣味でしたが、「俺はこれが好きだ!これがやりたい!」を全力でぶつけつつも、極上のエンターテイメントにしている快作でしたね。二期は来年四月なので、また七色の弾丸で心を撃ち抜かれるのが楽しみです。

映画:RRR

  • 一位:RRR

  • 二位:スパイダーマン:ノーウェイホーム

  • 三位:すずめの戸締り

  • 次点:トップガン・マーヴェリック

申し訳ないが、今年の一番は『RRR』で確定です。あまりにも面白すぎた。
ラーマとビーマの友情。互いの事情で対立して引き裂かれる二人。最後の最後で共闘。あらゆるところが面白すぎるんですが、物語自体も映画四本分ぐらいの内容を三時間にギュッと圧縮しているので面白くないわけがないんだ。見終わった後のあの「あらゆる感情が満たされてしまった」という感覚は、この間見たのにもう忘れられないよ……。
二位の『スパイダーマン:ノーウェイホーム』は「スパイダーマンを全部見てきてよかった……」と思える素晴らしい作品でしたね。
ピーター・パーカーを「親愛なる隣人」にまで再び戻すための作品ではあるんですが、そこに乗せられた文脈が全部素晴らしいので文句の付けどころがない。特に『アメイジング』は途中で打ち切られてしまって、「心の傷をどうしたのか」が描かれなかったので、そこが描写された上で「そうはならない」が出来たシーンは泣きましたね。
そして新海誠の『すずめの戸締り』ですが、こちらも良かったです。
「無意識のうちに封じ込めてしまうほどの辛い記憶と向き合った上でどうするか。どう生きていくか」の物語を「行ってきます」という形で締めくくっている。「辛い記憶も含めて今の自分」というのは言葉以上に残酷なことだと思いますが、そこを音楽の力で押し切るのではなく納得できる映像にしているのが2022年の新海誠なんだと思います。今までの新海誠作品に「行ってきます」しなきゃ。
個人的には東北までやってきた際に芹沢が発した「ここってこんなに綺麗だったんだな」の一言の浅慮な発言と、被災孤児であるが故に「どこが!?」となるすずめの視点の相違っぷりとか好きでした。そういう「知らないが故の浅い発言」をさらっとやる神木隆之介、マジ凄い。新海誠は神木隆之介を主役にした実写映画を一本作って。多分一番うまく神木隆之介を使えるから。
『トップガン・マーヴェリック』は細かい事を全部吹き飛ばす傑作なので、皆も見て……。物語的には完全に終わった後の時間すべてが全部最高なの、凄いよ、トム・クルーズ。

特撮:ドンブラザーズ

  • 一位:暴太郎戦隊ドンブラザーズ

  • 二位:タローマン

  • 三位:ウルトラマンデッカー

もはや語ることは無いんですが、やっぱり『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』は今年を代表する特撮作品と言っていいかと。井上敏樹大先生は変人を変人として魅力的に描く能力は天下一品ですね。
そして今年のダークホースすぎる『タローマン』。なんだこれは。
岡本太郎展のために制作された岡本太郎と直接関係ない存在ってだけでも面白いのに、「かつて放送されていた作品」の作り込みが凄すぎて面白すぎる。
『ウルトラマンデッカー』はアガムスともう一人のウルトラマンデッカーが登場した辺りから一気に面白くなりましたね。古代から受け継がれる光を描く『トリガー』と未来まで受け継がれる光を描く『デッカー』の対比もいい。
最終話は来年頭に持ち越しですが、滅茶苦茶面白いので見てください……。

その他で思い出す事

宝塚歌劇団の『HIGH&LOW』が滅茶苦茶良かったです。
本編開始前夜を舞台に「コブラがなぜ必要以上に喋らなくなったのか」を描いた作品だったんですが、最初から最後まで『HIGH&LOW』しているし、アクションシーンも『HIGH&LOW』のアクションになっていたし、映像作品を全部見て研究したとしか思えないほど全員「あのキャラ」でした……。カッコいんだわ、宝塚歌劇団のスタァ達……。
あとは劇団新感線の『薔薇とサムライ2 海賊女王の帰還』も良かったです。
中島かずきの「天海祐希でやり損ねたことがあったわ」と言う声が聞こえてきそうな「男装した天海祐希」を見た時は興奮しましたね……。トップスタァはいつまでも色あせない輝きを宿しているんですよ……。指先まで美しい……。そしてほぼほぼ「女海賊・天海祐希と石川五右衛門の古田新太が背中合わせで大見得切って名乗るシーン」に割かれた脚本に笑った。生瀬勝久のチョイスも良かったです(あと百合)。

結びに

今年は比較的忙しい一年だったんですが、おかげで色々なものを見る機会に恵まれたのでトータル的には良かった方かなと思います。
それら全部について書くと、時間がいくらあっても足りないのでまたの機会にしますが、「良いものを見た」という記憶は一年を輝かせてくれるので来年もそういう作品と出会えることを楽しみにしております。

なお、あらゆる要素を取っ払って、今年一番「これが見れてよかった」と思ったのは天皇賞・秋になります。

これがなかったら有馬記念の喜びはなかったんですよ……。
イクイノックスとルメール、ありがとう。
あと新衣装キタサンブラックと新衣装サトノダイヤモンド実装はサイン馬券めいてて、「持ってるなぁ」と思いました。

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。