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君と繋がる名前を探して『ラブライブ!スーパースター!!』九話

『ラブライブ!スーパースター!!』九話が放送されました。
先週の八話で一話から積み重ねてきた物語に一段落がついたので、今回は終盤戦に向けて体勢を整えるような回でしたが、ラブライブ!シリーズらしい微笑ましい描写が多くて、見ていて楽しくなる回でしたね。
そんな九話で私が気になったのは以下の三点でした。

違うものを見ている五人の名前は?

ユニット名とはなんでしょうか?
『ラブライブ!』ではμ’s、『ラブライブ!サンシャイン!!』ではAqoursが彼女達のユニット名として登場していましたが、そもそも「ユニット名」とは何を意味するものなのでしょうか?
学校単位で活動しているのなら「学校名+スクールアイドル」でも良いはず。にもかかわらず、なぜ彼女達は「自分達で自分達の事を改めて名付ける」ということをしているのでしょうか?

なぜスクールアイドル達が自分達で自分達の総称を決めるのか。
それは「自分達は何者であるか」「自分達が歌やダンスで届けたいものは何か」を具体的なものにするためです。それは祈りや願い、誓いと言っても良いのかも知れません。
サニーパッションは「自分達の故郷を盛り上げたい」という想いで活動していますからファンが名付けてくれました。太陽のように周囲を明るく、情熱で盛り上げてくれる二人にぴったり来る名前ですね。「故郷を盛り上げたい」という願いにも寄り添った名前と言えましょう。
では澁谷かのんたちは?
五人の個性はバラバラだし、スクールアイドルとして活動する理由も目的も全然違う。近くで見ているクラスメートからも「どう表現していいのかわからない」と言われるほど、澁谷かのん達は異なっているのです。
だから悩む。
自分達の本質を考えれば考えるほど分からなくなる。でも名前をつけるためには本質を捉えなければならない。「自分達は何者なのか」を考えなければならない。
ここに新曲作成も絡んだ関係で、これまで以上にコメディタッチな回になっていましたが、そのヒントは彼女達と結ばれた者達の中にありました。

ヒントをくれたのは

澁谷かのん達にヒントをくれたのはクラスメート達でした。
そしてそのヒントによって彼女達は自分達の本質を掴み、自分達をこう名乗ります。「Liella!」と。
フランス語で「結ぶ/繋ぐ」を意味する「lier」から着想を得た名前は、彼女達の本質を捉えていると言えましょう。
「結ヶ丘女子高等学校」という場所があったから結ばれた五人でありますし、この場所に「学園アイドル」として活動していた人達がいたから彼女達は「スクールアイドル」として活動を始める事ができた。
そういった「出会いの奇跡」「運命的な結び」を感じさせる一方で、スクールアイドルとして活動する事ができたから出会えた人達、喜びなども織り込まれている。
「Liella!」という名前を物語上の必然性、意味が伝わるように丁寧に演出されていますが、こうした「繋がり」を感じさせるためなのかクラスメートやサニーパッション、また動画配信などで他者とのつながりが彼女達に関わる形で描写されているのも素晴らしいですね。
五人だけの話ではなく、五人の外側のつながりをも意識させてくれる。
良い名前だと思います。

サブタイトルの出し方

そういえば今回のサブタイトルの出し方は非常にユニークでしたね。
これまでの『ラブライブ!スーパースター!!』のサブタイトルの出し方は小物に入れていたりとさり気なく演出されていて、そこがまた面白いところではありました。
そうした「さり気ないサブタイトルの出し方」を続けてきたからこそ、前話で大きく「結ばれる想い」とサブタイトルが表示された時にその味わい深さを噛みしめることが出来たわけですが、今回はこれですよ。

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話数については床に。サブタイトルの「君たちの名は?」は五人にまたがるように表示しているんですが、このレイアウトのおかげで「あ、この五人が自分達の名前を決める話なんだな」というのが一発で分かるんですよね。
またちょっと魚眼っぽくして、五人へ意識を集中させているのも地味に上手い。
色々手が込んでいて、個人的には好きですね。

結びに

九話は箸休め的なエピソードだったと思いますが、それだけに「この五人らしさ」というものが強く現れていたかなと思います。
「ただ五人が一緒にスクールアイドルをしている」ではなく、「この五人だからできること」というか。葉月恋にしても結構詰めが甘いところがあったりして、色々と魅力が出てきたように思います。

次は10話ですね。ラブライブ!へのエントリーして、そろそろ話を畳みにかかる感じですが、どうなるのでしょう。
サブタイトルの「チェケラ!」からは何も読み取れない……。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。