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『ラブライブ!スーパースター!!』2nd Season七話にみる、キャラクター達が誤解を転がしていく面白さ

『ラブライブ!スーパースター!!』2nd Seasonの7話は、セガ好きとしては大変喜ばしい一話でした。
メガドライブやドリームキャストがまさかラブライブ!シリーズの世界でも存在しているとは……。セガ好きとしては滅茶苦茶嬉しかったです。やはりセガ。セガは世界を救う。創世記。「光あれ」。
本編はというと、一話丸々使ったコメディ回でしたね。シリーズの伝統とも言える「全員集合後のコメディ回」ですが、上品なドタバタコメディに仕上がっていて良かったです。

葉月恋と米女メイが面白くする

今回の話をかいつまんで言うと「自他共に『そんなに大きな話ではないと思っているが、できれば隠しておきたいこと』を頑張って隠していたら周囲に誤解され、想像以上の大事になってしまう」と言うものでした。
比較的よくある話の類型で、ラブライブ!シリーズでは『ラブライブ!』九話の「ワンダーゾーン」なんかがそうした話になるのかなと思うのですが、今回の『ラブライブ!スーパースター!!』がここまで面白くなってしまったのはひとえに「葉月恋がゲームにハマってしまい、プライベートがかなりおろそかになってしまった」ということと、「その事を最初に知った人間が、思っていることが表情に出やすい米女メイ」ということにあるんじゃないでしょうか。
『1st Season』の頃から「かなり世間知らずで、同世代が当たり前に親しんでいるものにすら疎い」という描写は度々されてきた葉月恋ですが、ここにきて「スクールアイドル活動どころか、学生生活すらおぼつかなくなるほどゲームにハマってしまう」という展開を見せることで「抜けてるところはとことんまで抜けてる」といいますか。「普段とは違う顔」というのもあって面白くなってしまった。
また米女メイも真顔で嘘はつけないタイプなので、若菜四季に詰め寄られて慌てるし……と楽しめるシーンは多かったのですが、これが出来るのは視聴者に「このキャラはこういう性格です」ということが理解されているからでしょう。
だからキャラクターの表情がコロコロ変わることが面白いし、転がっていくボールを追いかけるようなコメディが楽しめたんだと思うんですよね。

不純だから純な理由に負ける

また「秘密を打ち明ける」と言う過程において「葉月恋の事を本気で心配して、副会長になろうとする澁谷かのん」を配置していたのも良かったと思います。
話の方向性的に澁谷かのんも入れて「全員が勘違いする」と言う事も可能だったかと思うのですが、「当事者二人」「勘違いする組」と切り離す形で澁谷かのんを配置し、「葉月恋の事を本気で心配して行動している澁谷かのん」として動かすことで「かのんの善意に居たたまれなくなる恋」という、本来の葉月恋の良さが取り戻されている。
今回の葉月恋はまあまあダメなところを見せてるんですが、「他人の善意に居たたまれなくなる程度には元々の人の良さは残っている」という部分で、「本当にダメな人」にはギリギリ落ちきっていない。
また反省も込みでの自白する形になってるのでやりすぎてないところが上品でよかったですね。

結びに

それにしても今回は「ゲームネタ」ということを込みにしても濃かったですね。
セガ信者としてはセガハードがあそこまで登場すると思ってなかったんですが、パロディ元もバンダイナムコのIPではなくフロムソフトウェアやカプコン辺りのものが中心で、小ネタの仕込みも楽しかったです。
それにしても葉月恋の父親は一体何者なんでしょうね。「娘がゲームにハマった」と聞いて手当たり次第に与えているゲームにさほど興味がない人なのか、それともただのゲームハードマニアなのか。

さて、来週はお休みとのこと。
ここまでのお話をもう一度確認してみるのもいいかもしれませんね。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。