『かげきしょうじょ!!』のキャスティングで熱い点について書いてみた

4月16日に『かげきしょうじょ!!』のキャストについて発表が行われました。

この発表によって個人的な期待値が跳ね上がったので、一ファンとして『かげきしょうじょ!!』のキャスティングのどこが熱いのか書いておきます。

全体的な印象

第一印象としては「熱いキャスティング」と思いました。
渡辺さらさは普段は夢に向かって躊躇なく進んでいける明るい性格ですが、ふとした時に立ち止まったり、深く考え込みすぎて暗くなってしまう部分があるキャラクターです。
なので「明るい部分と暗い部分」を比率を変えて演じ分けられる役者でないと上手く表現されないと思っていたのですが、千本木彩花さんは『甲鉄城のカバネリ』の無名で、無名の持つ「危うげな部分」も表現されていたので期待できるなと思いましたし、もう一人の中心人物である奈良田愛も「静けさの中での情熱」と言いますか、触れた時に熱を感じられるような演技が出来る花守ゆみりさんで、「こうくるかぁ」と思いました。

また予科委員長の杉本紗和が上坂すみれなのは、「委員長としての気高さ、完璧さ」に加え「紅華歌劇音楽学校100期生」という肩書に恥じない人間であろうとする表向きの顔と、メインキャラクター達の中では屈指の紅華歌劇団愛を誇るヲタクな部分との落差を考えると凄くいいんですよね。
星野薫役の大地葉も良くって、音響監督の長崎行男さんに対する信頼は厚い人間ですが、見ているだけでワクワクするような良いキャスティングに思いました。

山田に佐々木李子

特筆すべき点がいくつかあるのですが、その中の一つが山田彩子ですね。
彼女は見た目こそ地味目の女の子ですが、入学試験時点で声楽担当の教師からも「歴代屈指のエトワールになれる」と称されるほどのずば抜けた歌唱力の持ち主。
そういうキャラクターなので「歌唱力がずば抜けて高い」「歌で演技ができる人」じゃないと納得できないんですが、担当されるのは佐々木李子なんですよ。
小学生で『アニー』の主演を掴んだ人……とか、細かい経歴については各自で調べてほしいんですが、アニメでの活躍といえばやっぱり『キラッとプリ☆チャン』の虹ノ咲だいあ/だいあ役が凄かった。
虹ノ咲だいあには「超絶歌唱力」という設定があったそうなんですが、彼女が77話で歌った「フレンドパスワード」は、その設定を一発で理解させてしまうほど圧倒的なものでした。
特に表現力に関しては素晴らしくて、演じている役の繊細さ感情を一つ一つ丁寧に拾い上げ、歌唱という形で表現しているかのような凄い演技でした。

また虹ノ咲だいあとだいあ、そして黒だいあはキャラクターとしては別物なんですが、ちゃんと演じ分けをした上で「歌でも演技をガラッと変える」ということができている。ライブとかでも凄いんですよ。引き込まれる。

このキャスティングが実現した時点で「勝ったな」と思えるぐらい熱かったです。

双子に松田姉妹、里美星に七海ひろき

また双子の沢田千夏/千秋の二人に、双子の松田利冴と松田颯水をキャスティングしているのも個人的には熱いと思ってるんですよ。
この『かげきしょうじょ!!』という作品は「役者物」なので、「誰をどの役にキャスティングしたか」にも文脈が生じてしまうところがあると思いますが、双子役に双子の声優をキャスティングするというのは、「松田姉妹の双子で姉妹で役者」という経歴を踏まえてやってるってことだと思うんですよね。
特に三巻の沢田姉妹の喧嘩とか、もう原作の時点で「傑作」と言っていいエピソードなんですが、それを松田姉妹が演じた時に傑作が大傑作になってしまうのではないかとドキドキしてます。

加えて冬組の男役トップスターである里美星に、元宝塚歌劇団星組の男役トップスターで、現在は役者として活躍している七海ひろきをキャスティングするのは「夢が叶った」というか。
里美星って外伝でも語られたように結構複雑な経緯で男役になり、トップスターまで上り詰めた人なので、そうした経緯を演技の中で拾ってくれそうな人、それも「宝塚歌劇団にいた人」がやってくれるのは嬉しいですね。楽しみです。

結びに

ただ個人的に一番楽しみにしていた「野島聖役」が第一報の中には入ってないんですよね。野島聖、好きとか嫌いとかじゃなくて「凄い」キャラなので、第一報に入ってくると思っていたのですが。
でも第一報を見ていると「第一報に入ってなくてよかった」と思います。第一報に入ってたら間違いなく死んでいたので。死ななくてよかった。
野島聖はあざとかわいい部分と毒の強い部分があってこそなので、誰になるのか期待してます。
希望としては花澤香菜か芹澤優ですが、どうなるのか楽しみです。

なお放送は7月だそうです。放送開始が待ち遠しい……。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。