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ロシア人男性に言われた「日本人て…」の言葉に、衝撃を受けた話


ロシア人男性に言われたこと

あれは、数年前に思い立って1人でハワイ島に行った時のこと。
ワイキキビーチがあるオアフ島よりも野生味があって自然の中でのアクティビティが豊富な島なのですが、現地のワンデーツアーに申し込んで、火山の火口見学に行きました。

ヨーロッパやアメリカからの観光客が他に15人くらいいたのですが、その中にロシア人男性が1人いました。
1人参加が私と彼だけだった事もあり、割とよく2人でおしゃべりしていたのですが、その彼にこんなことを言われました。

「日本人観光客って、みんなきっちり時間を守ってすごいよねー!軍隊みたいだよね!」

「ああ…まあ〜そうかもね笑」

「ロシア人はみんな時間守らないし、言うこと聞かないし、すぐ喧嘩始まっちゃうから団体旅行とか絶対出来ないんだよね〜」

「喧嘩始まっちゃうの?ウケるね笑」

日本にいると時間を守るのが当たり前で、電車は1分でも遅れると謝るし、時間にルーズな人はダメなやつ、みたいな認識をされる事が多いのでそれが当たり前と感じていたけど、確かに世界的に見るともっとゆったりした国の方が圧倒的に多いですよね。さすがに軍隊という言葉には、「おお…そんな見え方するか」と衝撃を受けましたが。


また別の時には、日本に住む韓国人の女の子が「日本て、味噌汁と醤油をギュッと凝縮したような匂いがする」と言っているのを聞いて、他人の家の匂いにはすぐ気づくけど、自分の家の匂いには気づかないのと同様に、自分の国の匂いって確かに考えたこともなかったわー!!と思いました。


9割の人は、自分の事がわかってない


この2つのケースを挙げて何が言いたかったかと言うと、自分のことって他人と比較するか、他人から客観的なフィードバックを受けないとなかなか気付けないよね、という事です。

組織心理学者のターシャ・ユーリックの調査では、95%の人は「自分の事をよく分かっている」と思っているものの、実際にきちんと正しく自己認識が出来ているのはわずか10〜15%だったそうです。つまり「自分の事は自分が一番よく分かってる」と言いがちですが、実は約9割の人はほんとは分かっていなかった、という事。驚きの数字ですよね。

なぜこんなにも一番身近なはずの自分の事が分からないかというと、人間は意識の大部分を「無意識」に占められているからです。
自分自身で自覚出来る部分は全体のわずか3%。自覚出来ない無意識の部分が97%を占めます。
自分で自覚しなくても動いている部分、例えば心臓や呼吸は、自分で動かそうと思わなくても勝手に動いていますよね。
寝てる間にも食べたものは胃で消化され、怪我した傷も勝手に治っていきます。
また、右出して…左出して…なんていちいち考えなくても歩いて進むことは出来るし、ボーッと考え事に耽りながらでも通い慣れた駅までの道を間違えずに行く事が出来ます。なんなら酔って泥酔してても家まで辿り着けます。
お風呂に入ったらいちいち順序を考えなくても体の同じ場所から洗い始めるし、靴を履くのはいつも同じ足から、信号が青になって踏み出すのもいつも同じ足から、だったりするのではないでしょうか?

これらは全て、無意識が私たちの体を「習慣に従って」動かしてくれているから。こうした習慣は、一日の行動のなんと8割近くを占めているとも言われています。

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私たちの思考は無意識に動かされている


無意識が私たちの意識の大半を占めているのは、体の動きに限った話ではありません。どのような考え方をするか、という「思考のパターン」ですら、無意識下の習慣に動かされています。

サーカスの象の話をご存知でしょうか?
象は、片足を1本の細いロープに繋がれているだけでも大人しくじっと佇み、逃げようとしません。ちょっと力を入れて引っ張れば簡単に切れるはずなのに。
これは、象が幼い頃に鎖で繋がれ、どんなに暴れてももがいても鎖から逃れる事が出来ず、どう頑張っても逃げられないんだ、と思い込んでしまったために、大人になって体も大きく力も強くなっても「どうせ逃げられない」という思い込みに支配されているために細いロープに繋げておくだけでも逃げようとしなくなるんだそうです。
君にはもう力があるんだから引っ張ってごらんよ!と言われても、「馬鹿なことを言うな、どうせ無理だし痛い思いをするだけだ」と言いそうですよね。

人もこれと同じで、「自分は無力だ」「無理だ」と思い込んでしまった事は、自分が成長・変化して本当は力をつけていても、どうせ無理だからと挑戦することすら諦めてしまう、という事が起こり得ます。

また、人は自分が思い込んだ考えを証明するような証拠ばかり無意識に集め、不都合な証拠は逆に無視しようとする傾向があります。(心理学では「確証バイアス」と呼ばれます)
自分の思い込みに沿うように、現実を作っていってしまうのです。


自分を理解することは、自分を解放すること


自分を理解する、というのは、こうした無意識の思い込み・バイアスから自分自身を解放する事につながります。
自分もバイアスを持った存在なんだと理解する事で、今まで無意識の自動思考に動かされていたのが、一度立ち止まり、ひょっとして違う考え方が出来るのかも…と考えることも出来る。選択肢を増やし、自分で行動を選び、自分自身で人生の舵取りを始める事が出来ます。
また、自分がバイアスを持った存在なんだと自覚する事は、他者への理解や思いやりにもつながります。

ちなみに私自身の例で考えると、お休みの日に予定を詰めこむ傾向があり、もしうっかり一日家でダラダラしようものなら自己嫌悪でいっぱいになってしまう…というところがあったのですが、知り合いと話していて「何も用がない日ってすごく幸せ!出来るなら連休でもずーっと家でダラダラしていたい!」と言われて、頭の中が?でいっぱいになりました。
でも、そうか自分の中に「時間を有効に使わなければいけない」「意義のある事をしなければいけない」「成長し続けなければいけない」という思い込みがあったんだな、とその時初めて気づきました。

こうすべき、こうあるべき、正しい、間違い、良い悪いというような「ジャッジ」しようとする思考は、実は周りからの影響で築き上げてきたバイアスであり、人からの評価を得るために自分に課してきた義務感です。
バイアスに覆われた思考より、感覚の方が自分の素直な核につながっています。
こうすべきという義務感よりも、こうありたい・こうしたいとイメージした時にワクワクを感じるものを選んでみて下さい。
生きてきた中で自分自身でも分からなくなってしまった、自分の好きな事、やりたい事、何に幸せを感じるのか、などのヒントがそこに見つかるはずです!

なお、こうした心の中の見えない思い込みやモヤモヤを引き出し言語化してくれるのがコーチングです。
ぜひ活用してみて下さい!


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