てぃくる 485 茶色い弁当
「なあ、母ちゃん。俺の弁当って、毎回茶色だよな」
「文句があるなら、あんたが自分で作りな!」
「母ちゃんだって、レンチンだけで料理作ってないじゃん。レンチンでもいいけど、彩り考えてほしいなー」
「ふん! わかったわよ」
それからしばらくして。
教室でタカシくんがしょげていました。
「おい、タカシ。どした? 元気ないじゃん」
「おふくろの作る弁当がまっ茶色だから、彩り考えてくれって文句言ったんだ」
「改善なしかよ」
「いや……」
タカシくんが開いた弁当箱の中には。
「おかず、キャベツの千切りだけ……か」
「いや、飯が入ってないんだ。俺は牛じゃねえぞ」
「緑一色だな。ひでえ……」
「まだ食えるからいいよ。昨日なんか、生の牛すじがそのまま入ってた」
「犬扱いかよ」
「せめて白飯だけにしてほしい」
「だよなー」
翌日。
タカシくんのお弁当箱には生米が入っていました。
日替わりではありますが。赤、緑、白。彩りがきれいですね。
彩りはライスに立てた三色旗
(2018-12-08)
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