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【2019年版】沖縄育ちのおいしいもの好きが、おすすめしたい沖縄県内の飲食店10選

こんにちは、カデカワです。
2018年の春に書いた以下のnote、わたしの歴代noteのなかでも群を抜いて人気でして、その感謝も込めて、新しい沖縄県内のおすすめ飲食店10選を書きました。各店への愛情マシマシで、文字数もマシマシ。

今年はレストランよりも、パン屋さんやお土産やさんなど、ライトな飲食店の紹介が多くなっていますが、いずれも、何度でも通いたくなる、噛めば噛むほどおいしい、そんなお店です。居心地のよさだったり、マニアックさだったり。今の自分が真剣に選んだら、去年とは違ったテイストになりました。

紹介するお店の内訳
パン屋さん3件、ピザ屋さん1件、おでん屋さん1件、田芋&豆腐よう専門店1件、ヤギ専門店1件、お茶専門店1件、レストラン2件


1、宗像堂
エリア:中南部・宜野湾市

沖縄県でもっとも全国的に名を馳せているパン屋さんが宗像堂(むなかたどう)です。意外と県民には知られていなかったりしますが、一部の食好きたちから、うんと愛され、またリスペクトされています。なんてったって、ここのパンは、すごい。生きている。自家製酵母の香りが独特で、嗅ぐと「宗像堂のパンの匂い」がする。バケットから食パン、あんぱんからシナモンロールまで、ずっしりと重たい。ぎゅっと詰まった密なパン。そんな個性のかたまりだから、はじめて食べても、よくわからない。二度目も、まだわからない。三度目に、すとんと腑に落ちて、そこからはもう、「ここじゃなきゃ」と思ってしまう。そんなパン。

カデカワのおすすめは「バナナコクルレ」と「サブリナ」どちらも甘めのパン。バナナコクルレは、名前の通りバナナを使ったお菓子パン。サブリナはもちっとした食感の、角のまあるくて四角いパンの表面にローズマリーとザラメがたっぷりまぶされています。生地に練り込まれた黒糖がふんわり香ったり、表面に塗られた砂糖の粒がじゃりっと声をあげたり。食べていて楽しさを感じるのも、宗像堂のパンの良さかなあ。

お店のinstagram
https://www.instagram.com/munakatado/


2、キーペンケアル ドイツパン屋さん
エリア:中部・恩納村

もう、押さずにはいられない。沖縄に来た観光客のみなさん、いいですか。ここにドイツがあります。

沖縄に来ただけで、ドイツを疑似体験できるんです。これはもう、行くっきゃない。パンを焼くのは、ドイツ人男性。まっすぐに、素朴で、どこかに遊び心も感じられる、そんなドイツパン。ライ麦の配合もそれぞれ。おっきな田舎パンから、プレッツェルまであるから、選ぶのが楽しい。見ているだけで、幸せになるような豊かな香りのパンたちは、作り手さんの雰囲気に似ています。どれも落ち着いたやさしさがある。

わたしは東京にいるあいだ、ドイツパンが好きでいくつかお店をまわったり、シェアハウスに住んでいる時ドイツから一時帰国した日本人女性から本場のパンをもらったり、した、けど。ごめん、ここのパンが、一番おいしいの。

営業時間が限られているうえに、売り切れ終いが多いようなので、時間を見つけて行かれてみてください。

食べログ
https://tabelog.com/okinawa/A4703/A470303/47013501/

3、プラウマンズ ランチベーカリー
中部・北中城村(きたなかぐすくそん)

上で紹介した2つのお店は、個性的な分、すこし、人を選ぶところがある気がします。いえ、この2軒だけでなく、個人店には相性があります。

こちらは、そういった意味で、すごくオープンで、優しいお店。きっと、10人食べたら、10人がおいしいって言うくらい(褒めすぎかな?)。カフェがあるので食事もできるし、長居してもいい。パンはおいしいのに高くない。家具や壁にかけられた絵にも目がいく。レコードの音が心地いい。

どこまでも優しいお店は、人好きのするオーナー・屋部(やぶ)さんの人柄を表したようです。

こちらは、屋部さんが友人の武山さんとオープンした和菓子屋さん「羊羊」のインタビュー。お店はプラウマンズのすぐ近くなので、はしごもできますよ。

おすすめは、アーサを使ったパン。アーサは、あおさの沖縄方言です。訪れたさいは、ぜひご賞味を。1つだけにすると後から物足りなくなるので、2つ買っておくのをおすすめします。

お店のHP
http://www.ploughmans.net/

4、山羊料理 南山
エリア:中部・北中城村

沖縄に来たら、食文化を楽しむ意味も込めて食べていただきたいのが、ヤギ料理。県民でも好き嫌いの別れる「くせのつよい」食材ですが、どこのお店で食べるかで、味も癖の強さもすっかり変わります。カデカワがおすすめするのは、こちらのお店。ヤギ料理南山さん。ギャル曽根並みの胃袋を持ち、県内の新店舗を知らぬ間にチェックしては飲食店を食べ歩いているうちの母も、ヤギ料理にかんしては「ここが一番」と太鼓判。

まずは「ヤギそば」をどうぞ。脂の量を聞かれますので、ヤギ特有の癖が苦手な方、初めての方は「少なめ」でお願いするのがいいと思います。


5、龍の蔵&きん田(有限会社インターリンク)
エリア:那覇(空港・那覇市内)

沖縄には田芋パイ、という、亜熱帯でとれる芋に砂糖をまぜて炊いたペーストを、厚くてぶよっとしたパイ生地で包んだお菓子があります。

田芋パイに使われる甘い田芋のペーストを、どこよりもおいしくアレンジして商品にしているのが、田芋スイーツを専門に取り扱う「田芋工房 きん田」さん。カデカワ、ここの田芋チーズケーキが大好物です。

もともと那覇の新都心にお店を構えていましたが、今年3月には、那覇空港のターミナル増設に伴い、空港内に新店舗ができました。これがもう、便利なのなんのって。

朝の便を使うことの多いわたしは、朝ごはんを食べずに家を出て、空港に到着してから、大好物の「田芋チーズケーキ」を一切れ買います。空港内は、ゲートの外も中も座れる場所が多いので、食べる場所にも不便しません。普通に買うとフォークがつきませんので、すぐに食べたい方は「使い捨てフォークもらえませんか」と一言かけてみましょう。

もうひとつ、食べていただきたいものが。同じ有限会社インターリンクのブランド「龍の蔵」の豆腐ようです。

豆腐ようは、沖縄の伝統的な発酵食品。島豆腐を麹と泡盛で作った液体に漬けて寝かせたもので、質感も味もチーズのように濃厚です。

学生時代、あまり美味しくない珍味、としか思っていなかった豆腐よう。はじめて心から「おいしい!」と感じたのは、龍の蔵さんの豆腐ようを、金武町にある系列店「カフェレストラン長楽」でいただいたときのことでした。

豆腐ようは基本的にお酒のあてなのですが、そのまま食べてもおいしいです(味が濃いので、つまようじなどで掬って、ちびちびといただきます)。熟成年数によって味の濃さが変わるので、好みにあわせて3ヶ月もの、6ヶ月もの、1年もののなかから選んでください。

お料理の隠し味に使える「モダン豆腐よう」もおすすめです。

オンラインショップ
https://interlink-okinawa.jp/


6、bistro bomba(ビストロボンバ)
エリア:中部・北谷

まとめを書きながら、どのお店を選ぶかずいぶん悩みました。おいしいだけではダメ、また行きたいと思う店でないと。また行きたい、と思うだけではダメ。実際に再訪していないと……考えて考えて、やっぱり載せたい、と思ったのが、こちらのお店。北谷町のビストロボンバです。

チョコ好きさんならご存知、沖縄唯一のビーントゥバー「タイムレスチョコレート」のある美浜アメリカンビレッジという商業ビル内にあります。

ナチュラルワインがずらっと並んだワインセラーと、炭火焼の塊肉。県産の野菜を使用したサラダも、県内のパン屋さんから仕入れるパンも。ひとつひとつが、ちゃんとおいしい。食べる人に「おいしい」と思ってもらいたい、というシェフの心意気を感じるお店なんです。

実は、カデカワが週一でバイトに出ているのが、こちらのビストロ。もともと、大好きなお店だったので、人手が足りないと聞いて入りました。と、ちょっと身内推しな感じもありますが、いいお店ですよ。特に、ナチュラルワインの好きな方、おいしいお野菜とお肉が食べたい方に。

夏のサラダ。マンゴーとブッラータチーズ。トッピングにタイムレスチョコレートのカカオニブも。

こちらのお店、ビルの5階にあり、エレベーターでしか上がれませんので、迷われませんよう。

お店のinstagram
https://www.instagram.com/bistro_bom_ba/


7、カメリア・シネンシス
エリア:那覇市内

お茶が好きすぎる夫婦が営む茶館、カメリア・シネンシス。
お店についてはこちらのnoteに詳しく書いています。

沖縄には食の変態たちが各所にいますが、このお店もその1つ。旦那さまも奥さまも、お茶のことなら何日でも話せそうな好きっぷり。わからないこと、気になったことは聞けばいくらでも教えてくれます。

マニアックなお店が好きな方、お茶好きの方には一度訪れてほしい、素敵な空間です。

お店のHP
https://camelliasinensis.ti-da.net/


8、おでん小町
エリア:中部・沖縄市

行きつけの店になりつつある、こちらのおでん屋さん。
行きつけ、というのは、味だけでは決まらない。なによりも、人で決まると思っています。

わたしはここの女将さんが大好き。結構なお年なんだけど、いつもテキパキしごとをしていて、常連さんにも、初見さんにもやさしくって、なにより、言葉選びがほんとうに美しい。

「年を取るのがいやだ」と誕生日を迎えることに後ろ向きな女性には「年は自分で決めるもの。わたしはずっと20才。こころが若ければいつまでも若い」とにっこり。わたしより若い人が何言ってるの、と喝を入れるのも忘れない。

千葉から来たカップルには「台風が大変だったでしょう。ほんとう、沖縄に当たってくれたらいいのにね。わたしたちは大丈夫だからね、慣れっこだから。ほんとうにそう思うよ」とユーモアのある気遣い。

喫煙可なのが非喫煙者のわたしにはネックなんだけど、いつもタバコを吸っている人がいるわけでもないから、ま、いいか。と思ってます。スナック街の中にあって、何十年も続くお店ですからね。

あ、あと。おでんのネタが、めちゃくちゃ大きい。初めて行かれた方は驚くこと請け合い。沖縄ならではのおでんネタ「テビチ(豚足)」もご賞味あれ。

9、月苑飯店
エリア:中部・沖縄市

横浜中華街に行って、あるいは都心の人気中華に行って、わたしは思った。
もしかして、わたしが地元で食べ続けたあの中華は、相当レベルが高かったのではないか?と。

揚げパン。うまい。

酢豚など中華の定番以外にも食べて欲しいのが「琉球広東料理」と名付けられ、沖縄の野菜を生かして作られれたメニュー。季節によっても内容が変わるので、中身は訪れた時のお楽しみ、ということで。

月苑飯店のある商業施設「プラザハウス」のHP
https://www.plazahouse.co.jp/food/getsuen

食べログ
https://tabelog.com/okinawa/A4703/A470301/47001919/


10、ローズ ソヴァージュ
エリア:那覇市内

去年のnoteにも書きましたが、やっぱりここは外せない。

移転して、店名もひらがなの「そゔぁーじゅ」からカタカナの「ローズ ソヴァージュ」へ。シェフの得意分野というジビエを指した「野生の」という意味の店名から「野ばら」に変わりました。

ところで皆さん『グランメゾン東京』はご覧になりましたか?
(以下の一段落にドラマのネタバレ入ります。)

第8話で、キムタク演じる主人公・小花夏樹の師匠、潮が現れます。そして、小花のいるレストラン・グランメゾン東京に食べに来たはずが、コースを食べ終わらないうちに怒って帰ってしまう。
料理は客ひとりひとりに向き合って作るもの(作ることができるもの)だということ。それを小花の師匠、潮は伝えたかったことが、後半で明らかになります。

なぜこの話をしたのか。

まさに、ローズ ソヴァージュというクラシカルなフレンチレストランが、わたしの知る中でもっとも、客に向き合った料理を出すお店だからです。もちろん、わたしの家族がお店の常連だという要素もあります。それでも、それだけじゃない。初めて友達を連れて行ったときも、隣のテーブルが新規客のカップルだったときも。シェフはいつも対応を、あるいは料理を変えていた。わたしはそれを見てる。

イルミネーションのように輝く、デザートの飴細工を見て喜ぶわたしの母のために、わたしたちのデザートに飴細工をくれること。デートにきたカップルがマナーに気を遣うのをみて、手で持って食べていいのよと声をかけるところ。

料理は、沖縄では珍しいクラシカルで正統派のフレンチ。すごいのは、シェフのレシピの数。もう何回も来店しているというのに、同じ料理を見たことがない(甲殻類のスープは2回くらいあったかな、でもそれくらい)。

お客様に楽しんでもらいたい、というシェフの気持ちがわかりやすく現れているのが、コースの終わりに出てくるデザート。20種類を超えるホールケーキやプリン、タルトが現れ、好きなものを3つどうぞ。といわれます。シェフはパティシエではないので、デザートにかんしては味が飛び切りいい、というわけではないんですよ。それでも、数々のデザートがが出てくるサプライズ、さらに好きなものを選べるブッフェ形式となれば、喜ばない客なんていません。わたしなんかはもう見慣れた光景なのですが、むしろ、それを続けているシェフの姿に感銘を受けずにはいられないのです。

……と、さいごは長話になってしまいましたが、以上が23歳のカデカワが選ぶ、沖縄県内のおすすめしたい飲食店10選でした。2020年は後半から東京に戻る予定ですので、前半は沖縄を、後半は都内を食べ歩きたいと思います。

さいごに。すべての作り手、生産者、飲食にかかわる人々に敬意を表して。

サポートまで……ありがとうございます。大事に使わせていただきます。