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キャリア的視点203 -複業と副業:プロティアンな仕事の創り方-


毎日ブログ 203日目(2020/9/18)

副業と複業

最近、副業が話題になっていますね。
ですが今日は、『複業』について書いていきます。
副業ではありません。複業です。

複業のイメージは、例えば芸能人を思い浮かべてみてください。モデルという本業と同時に、そのブランディングを活用して、オリジナルの洋服ブランドを経営する。
例えば人気漫画家が、ゲームのキャラクターデザインをするイラストレーターになる。
これが複業です。

他にもネット販売ビジネスの傍ら「ネット販売」の講演講師をやったり、更に空いた時間に「身体を動かしたいから」と言って派遣で働く方もいます。

副業は就職している会社の空いた時間を利用して、アルバイトをする事。1日8〜9時間働いた後や休日に行う事が多いでしょうが、複業では本業の8〜9時間すら契約変更をして減らす人もいます。

例えば子育て中の主婦が、趣味を生かしてパッチワーク教室をやる、というのも複業になりますね(^^) ※私は子育ても主婦も立派な仕事だと思っている口です。


副業と複業、決定的な違い

副業も複業も、両方とも空いた時間を利用する点では同じですが、実は両者には決定的な違いがあります。

それは、【主体】の違いです。
副業は時間が主体ですが、複業はリソースが主体です。

リソース、つまり自分が持っているスキル、特技、興味、趣味、ブランディング、人脈などを指します。

副業では先にも書いた通り、空いた時間を利用して本業と異なる仕事で収入を得る事を言います。自然とこの時間に出来る事、の中から選択する事になります。
対して複業では、リソースを使って何かできるか、を考えて行きます。先にも書いた様に本業の契約自体を変更する事すらあり得るのです。複業の場合、どれを本業としても良い心境になるのではないでしょうか。

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別の表現をしてみると、複業というのは端的に言えば、「ライスワーク(できる事)」と「ライフワーク(やりたい事)」など、気持ちの上での本業を複数立てる事を言います。正と副ではなく、役割の異なる同列の関係です。
ライスワークで生計を立て、ライフワークで心を満たす。それぞれに必要なリソースは異なるでしょうが、「心が満たされる」の先には「心理的成功」が待っていますよ(^^)

なお、ライスワークとライフワークが同じならそれが最高です。その場合、無理に複業にする必要はありません(^^)

副業を、もっとアグレッシブに捉え、活用して行く事を複業と呼ぶと言って良いのだと思います。


複業とはプロティアン

私自身が目指しているキャリアの形がプロティアン・キャリアと呼ばれる【変幻自在のキャリア】です。

これまでの私の記事にも何度も書いています。代表的な1記事のリンクを入れておきますので、併せてご覧ください。

プロティアン・キャリアを方程式で書くと、

アイデンティティ×アダプタビリティ×?=心理的成功

アイデンティティとは、確固とした自分自身の思い、価値観やこだわりと言っても良いかもしれません。自分が大切にしている事によって、自分自身をどう捉えているか、という事です。

アダプタビリティとは、変化適応力です。ウィズコロナ、アフターコロナの現在、多くの方がその能力を問われています。

心理的成功とは他者評価では無く自己評価の中で成功と思えれば良い事を指します。
スポーツの試合で、仮に負けても「得るものがあった」と本人が満足していれば、それは心理的成功と言えるのです。

最後の?は人それぞれです。?がない人もいます。自分自身が心理的成功を得るために必要な何か、と解釈してください。
そして複業はプロティアン・キャリアと現れ方のひとつなのです。

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複業のメリットは、一つがコケても慌てなくて済む、事にも見られます。

ライフワークでありライスワークでもある仕事を複数持っている訳ですから、ショックかもしれませんが、慌てる事ではない訳です。心理的な安定があるからです。

対して副業では、本業の会社が倒産してしまったらどうなるのでしょう? アルバイトでしばらく食いつなぐとしても、ライスワーク、しかも収入が少ないとなった時、心理的安定性がないため、きっと慌てるでしょう。
慌てるが故に、深く調べもしないままに目の前の仕事に飛びつき辞めるという悪循環に陥る可能性も出てきます。

その意味では複業はリスクヘッジにもなっているのかもしれませんね^^;


副業の現状

2018年、政府の働き方改革の流れで、副業が解禁されました。「モデル就業規則」が改訂され、多くの企業がそれに倣ったからです。

しかし現実は解禁といっても許可制が多く、「本業に悪影響のないものに限る」とする企業がほとんどです。要するに自分のスキルを活用したくても同業他社への就業は禁止しているのです。
企業の論理は分かりますが、これでは本当の副業解禁には程遠いのです。

加えて、収入が低いからこそ従業員は副業を望むのですが、時間外勤務の多さ、日によって異なるムラから、別の場所で働くこと自体が難しいのも現実です。
残念ながら日本の副業は、まだ書類の上だけの話だと言えるのではないでしょうか。

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別に転職を推奨する訳ではありませんが、縛りの多い現在を変えて、自分の持っているスキルなどを最大限に活用して、自分を活かす方法を考えてみるのも一つの方法だと思いませんか?

これからの時代、副業解禁が進めば、少しずつではあっても労働時間の削減につながる可能性は高いのです。
時間外労働の削減と就業率を上げる為に、ワークシェアが広がる可能性もあります。
1日8時間労働が当たり前だった日本の労働市場は、欧州並みに1日6時間とかに変わって行くかも知れません。

皆さんはその時、その変化に対応できる自信はありますか? 慌てて自分を見失うことのない様に、アイデンティティを保ったままの変化適応力が求められます。

今の仕事にやりがいを感じて没頭できている方は、ライフワークでありとライスワークが一致している方です。複業をする必要は全くありません。既にプロティアンな仕事ができているのです。複業はプロティアン・キャリアの一つの現れ方です。

そうでない皆さん、キーワードはプロティアンであり、複業ですよ(^^) どんな複業が良いか、などの相談はいつでもご連絡くださいね(^^)



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