キャリア的視点162 -サイゼリアの提案:企業もプロティアンなれ-
毎日ブログ 162日目(2020/8/8)
サイゼリアからの提案の食べれるマスク。皆さんはご覧になられましたか?
今日はこの話から。
サイゼリアからの新しい提案
私も発表当日、「装着したまま食事ができるマスク」と聞いて、「どんな大発明が来るんだ!?」と心躍らせました。
しかし発表を観て少しガックリ… 一瞬「なんやそれ…」なんて思ったりもしたんです。これ正直な話です。
ネーミングも「しゃべれるくん」じゃなくて「食べれるくん」じゃないの? とか心の中で突っ込んだり^^;
でもよくよく考えると、この発想ってスゴイ!
今あるものを組み合わせているから低予算。かつ社長の堀埜一成氏はサイゼリアだけではなく、外食産業全体に推奨しているのです。
この会社では、新型コロナウイルスの影響で来店客数の減少が続いていて、感染が再び拡大し、客足がさらに遠のくことが懸念される中、感染への不安を和らげようとマスクの新たな使い方を呼びかけているとしています。
堀埜一成社長は「今後も自粛要請が繰り返されると、経営がかなり厳しくなるので、さまざまな知恵を出して、感染が止まらない中でも外食を復活させたい」と話していました。
サイゼリアは私も良く利用します。サイゼリアだけではありませんが、どんなお店もソーシャルディスタンスを取るために店内改装なんて簡単にできません。どれだけの費用と期間が掛かってしまうのか…
今できることは、一つ置きに座ってもらい入店できるお客様の絶対数を半減させることくらい… お客様同士の飛沫感染を防ぐために…
これでは売り上げも半減ですし、諦めるしかないのか…
それに「否」を唱えたのがサイゼリアだった訳です。
確かに「口元が見えないと食べ辛いかも」と思えますが、慣れてしまえばよいんです。適応していきましょう^^
サイゼリアは考えている
このままでは外食産業はやっていけなくなってしまいます。
だからこその提案。自社だけに留まらず、外食産業全体を見据えた予算のかからない提案。
もともとサイゼリアは安くておいしい事で名が知られています。
私もその理由の一端は聞いたことがあります。
支払いを「現金のみ」とすることで、毎月カード会社に支払っている費用を抑え、その浮いた分をそのまま単価に反映させている、と。
日本だけではないのかも知れませんが、特に日本は「安い」事に価値を求める傾向にありますよね。キャベツが10円安いからと自転車で片道1時間かけて隣町のスーパーまでキャベツ1玉だけを買いに行く、なんて辛辣な風刺すらあるほどです。
だからではありませんがサイゼリアは「安さ」に対して差別化を図っているのではないでしょうか?
自己と社会の関係性を考える
ご存じの通り今、世界は未曽有の経済危機にも直面しています。
感染拡大を防ぐことを優先するあまりに、これはもちろん全体を考えれば最優先なのもわかりますが、関連して全国で倒産した企業は400社にも上ります。ギリギリで食い止めている企業もいつまでもつかわかりません。
だからこそ、考えるのです。いま何ができるのか、を。
自分の事だけではなく、自分たちができることであればベストだと思います。
先日、愛知県では2回目の県独自の緊急事態宣言が発令されました。これは先にも書いた通り、これ以上の感染拡大を防ぐための措置としては必要だったと感じています。
が、休業を行うと言うことは、企業にとっては更に、非常に厳しい危機に陥ることもまた明白です。まして今度は県にも予算がなく保障が考えにくいのです。
だからこそ、サイゼリアは考えたのです。
今何ができるのか、業界全体でできること、低予算でできること、を
CSR(企業の社会的責任)とまでは言いませんが、一般に受け入れてもらい、応援してもらうためには、社会全体を視野に入れていることが重要なのだと、サイゼリアの発表を観て感じました。
変化に適合する力
新しい時代に適合していく能力をアダプタビリティ(adaptability)と言います。キャリアにおいてもさんざんなくらい謳われています。
最近私がいうプロティアンキャリア(ダグラス・ホール提唱)も、アイデンティティという自己を確立した上での「時代・環境に合わせた変化」を謳っているのです。
企業も個人も同じです。企業の経営学は個人にも活かせますし、逆もしかりなのです。時代の変化に適合できた企業がまず生き残るのです。
今は全ての人に、企業に転機が訪れています。その転機に適合できるかどうか。そのために何をするのか。
今一度、全員で考えてみませんか?
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