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デンマークの若者のお酒事情

最近だんだん有名になってきたデンマーク。
でもまだまだ知って欲しいこと、たくさんあるんです!そこで今回は、きっと知られていないだろう若者からの視点で興味深かったことについて書きたいと思います。

私が初めてデンマークに長期滞在したのは18歳のとき。日本ではまだ未成年です。もちろんお酒は飲みに行けませんし、タバコも禁止です。
そんな私がデンマークに行って、親の目の届かない所で生活して、お酒に興味を持たないなんて無理な話です。私の実家は親が厳しく、何かと言い合いになることが多々ありました。その束縛から離れて自由を味わい始めた頃、お酒というものはあまりにもハードルが低く手の出しやすいものでした。

デンマークの法律では飲酒できる年齢は記載されていません。親がいいと言えば小さい子でも飲むことができます。買えるのは16歳になってから。(ウォッカのような強いお酒は18歳)でも、他の人に買ってもらえばこの問題はクリアできます。なのでこのルールはあってもないようなもの。だからなんでしょうか、デンマーク人はお酒が強い人が多いように感じました。デンマーク発祥のビール会社、Carlsberg, Tuborg などがあるのも納得ですね。

学校(フォルケ)が始まって数日後、先生が主催のパーティーがありました。普段ご飯を食べていた食堂はオシャレに飾られてて、テーブルにはワインのボトルが何本も置いてありました。食堂の入口にはウェルカムドリンクのカクテルがあり、正直戸惑いました。まだ会って数日の人たちと、飲んだことのない飲み物に囲まれて不思議な高揚感があったのを覚えています。幸運にも私はお酒が呑める口だったみたいで。正直安心しました。
でも安心して下さい。デンマーク人は絶対にお酒を強要したりしません。顔が赤い子やフラフラしているのを見つけたらすかさず助けに行きます。アルコールは飲まないと言えばジュースもくれます。こういう文化、日本にもあったらなって思ったり。

話が逸れましたね。元に戻します。
ディナータイムが終わると、今度はバーのある部屋に移動し、ひたすら大音量の音楽を踊りながら楽しみました。学校にバーがあったんです!!すごくないですか?しかも経営してるのは生徒。先生達も生徒に混じって呑んで踊って。このインパクトは大きかったです。本物のカルチャーショック。絶対に日本では体験できないなって思いました。

学校のバーは毎週金曜日と土曜日の夜、人が集まる時はいつもやっていました。金曜日はお昼すぎには授業が終わったので、16時を過ぎると外にあるベンチで飲み始める人がちらほら。夕飯は18時からで片付けは19時くらい。その時間になるとパーティー委員会(バーを運営する人はこの委員会に所属している人)がバーの鍵を開けて、準備をします。準備が出来たら学校のFacebookに開いたよ!と投稿し、それを見た生徒が続々と集まってきます。
ここまで読んできた方はもしかしたら疑問を持ったかもしれません。デンマーク人の若者はみんなお酒が好きなのか、と。そんなことはありません。飲めない子もいますし、静かに自分の部屋にこもってる子もいます。でも私がいた学校の特色(舞台俳優やダンサー志望の子が多い)から、よく飲んでよく踊る子がほとんどだったように思います。学校のバーでは街のバーより格段に安くお酒が買えましたし、みんな知り合いで安心感もありました。疲れたら自分の部屋に戻って寝ればいいし、酔いつぶれてもルームメイトが面倒を見てくれました。飲み慣れていなかった私にはとにかく最高の場所でした。

ここで、学校外ではどうなのか。若者はどこで飲むのか。それについて紹介したいと思います。

1.ホームパーティー
街に住んでいる友だちの家で、5~10人くらいで飲むのが一般的です。みんなでお酒をボトルで持ち寄れば、誰かしらがミックスしてカクテルを作ってくれます。そして何より安い!みんなでスーパーで買って分ければ安上がりです。もちろんビールも箱で買います。ホームパーティーのいい所はゲームをしながら楽しんで飲めるところ。トランプを使ったゲームが定番で、盛り上がるとショットやウォッカなど強めのアルコールも混ぜていきます。

2.ディスコ
平均年齢18歳くらい。結構若い子が多く来てます。入り口には大抵恰幅のいい警備員さんがいて、入店する度にID(イエローカードと呼ばれる身分証の様なもの)を提示します。これは防犯のため。不正入国者を入れないためでもあります。店内はお店によって違いますが、椅子とテーブルはそこそこの数あります。卓球台があったり、ビリヤードがあるお店もあります。また、店内には少し開けたスペースがあって踊れるようになっています。ちゃんとトイレも綺麗だし、1人でも楽しめる所です。
ただし、ダンスディスコのような所ではチャージ料がかかるので気をつけて下さい。

3.パブ
平均年齢40歳くらい。
どんなに小さい街にでも少なくとも1つはあります。店内はディスコと違って明るく、ちょっとした喫茶店のような雰囲気です。音楽も音量が控えめで、テーブルに座ってゆっくり友だちと話しながらお酒を飲むことが目的の人が多いです。若者はあまり足を踏み入れない所ですが、20歳を過ぎるとパブを好む子がちらほら出てきます。ちょっと変わったお酒(輸入物)も取り扱ってるお店もあって、たまに行ってみるのもいいと思います。

ざっとこんな感じです。
簡単にビールの値段で比較すると、
ホームパーティーや学校のバー:15~20kr.
ディスコ:45~70kr.
パブ:50~100kr.
kr.はデンマークの通貨でクローネと読みます。
お金を節約したい若者にとって1番お財布に優しいのはやっぱりホームパーティーですね。たまに体力が有り余っているときなどは22時までホームパーティーしてその後にディスコに行くというのもいいと思います。

最後に、デンマークの街で安全に飲み歩くための注意点をまとめておきます。

・一瞬でも目を離した飲み物は飲まないで下さい!

いくらデンマークが安全な国だとは言え、薬剤を混入される可能性があります。また知らない人からもらう飲み物も注意です。何が入っているかわからないので。バーに行くと奢ってくれる心優しい人にきっと出会うでしょう。でもそれはキッパリお断りして下さい。

・個人情報はあまり漏らし過ぎないように!

踊っていると、どこ出身?何歳?など聞いてくる人もいます。たまに、どこにいま住んでるの?何してるの?など。自分の身を守るために、適当な所で誤魔化して場所を移動しましょう。

・店内が暗い場合、あまり端の方に行かないように!

暗い店内では何が起こるかわかりません。とりあえずバーテンダーが見える位置にいれば問題ないでしょう。特に喫煙所が店内にある場合、そこは避けることをおすすめします。たまに薬の売人などがいる場合もあります。

ここまで読んで頂いた方、ありがとうごさいました。
この記事を読んで、デンマークの文化に興味を持っていただけたら幸いです。

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