社内ニートになるには
社内ニートになりたい。
平日22時。元同僚から送られてきた悲痛なラインだ。
コロナ禍の最中でも、業務依頼が山積みなようで残業しても休日出勤してもなかなか捌き切れないようだ。
できる人に仕事が集まる、といえど働き者の彼女が社内ニートになりたいだなんて、だいぶ追い詰められている様子だ。
社内ニートといえば「無能の鷹」という漫画の鷹野さんである。
これは、有能そうで実は無能な鷹野さんと有能だが無能に見えてしまう鶸田君がタッグを組んで色々な契約をとりに行くストーリーが本筋のお仕事漫画だ。
鷹野さんは、好きだったお仕事ドラマを幼いころから見続けた結果、出来る風オーラだけを獲得。面接官を魅了し、ITコンサルティング企業へ就職する。
しかし実は鷹野さんは致命的に仕事ができなかった。
「燃費ってもえぴ?」
など予想の常に斜め上を行くおバカ発言で社内をザワつかせる。結果、主な業務はホチキス留めである。颯爽とホチキス留めする鷹野さん。
「コイツ、デキそうだな」
と思われて就職。
「あれ、デキないじゃん…」
と落胆されて仕事を任されなくなる。
期待に答えられない自分。
期待されなくなる自分。
必要とされない自分。
バカにされる自分。
そして
デキない自分。
それらを受け入れる鋼メンタルを備えた者だけが行ける境地、それが社内ニート。
恐らく昔から周りの期待に120%答え、結果を出し続け、評価され続けてきたであろう東大女子の元同僚には、なかなかハードルが高そうなキャラクターである。
周囲の周りに応えようと無理をしてしまういい子ちゃんはとても多い。
社内ニートになれとは言わないが、周りから認められることばかりに拘らず、まずは自分が自分を認めてあげる、てのは大事だ。
編集:アカ ヨシロウ
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