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物に宿った魂は誰のもの?

ファンタジーによくある「指輪に願いを込める」と言うもの。指輪もただのシンプルなリングではなく、少し細かい装飾を施された石付のものだ。母方の祖母があんなん持ってたな。今日はその話。

うちの母も祖母も仏教の人だ。祖母はどうやらここ数年でとある一派の長になったらしい。代替わりってやつ。私は宗教にはとんと興味を持たない人間なので、話半分にしか聞いたことはない。そんな祖母が持っている指輪。本当、ファンタジーの世界に出てきそうなしっかりした装飾と大きめの石が1つついた指輪を持っている。何の石なのかは聞いたことがないけれど。

昔、祖母はその指輪を指差し「おばあちゃんが死んだらみいちゃん(私)にあげるからね。この指輪は、ご先祖様の魂が込められてるから、お守りになるからね」と言っていた。当時お子様な私は「スッゲー指輪だなー」くらいにしか思ってなかったし、何なら今もその程度の感覚。その指輪が祖母の死後本当に私のもとに来るかは分からんけど(何なら母の方が有効活用できそうだし)、その指輪を受け継ぐ意味って何なんだろう、とふと思った。重すぎて持て余しそう。

物に魂が宿る、と言う話がある。長く使い続けた物には「持ち主の愛着」から魂が宿り、時に持ち主を守るべく、時に持ち主を追いかけ、時に持ち主から受けた粗暴を怒りとして返す。…宗教にはとんと興味がないと言っておきながら、その辺りは実は信じてる節があり、日用品の中でも一度使い始めてから長く使う物(主に身に付ける物、衣類とか)を捨てるときは必ず魂浄めの塩を撒いてから、ゴミ袋を分けて捨てる、と言うことを徹底している。なんかあってもやだし。

普通に生活してても、そうやって物に魂が宿るのに、なんでばーちゃんの指輪にはご先祖様の魂だけなんだろう。いずれ自分(祖母)の魂もそこに入るんだろうか。指輪そのものの魂は、どうなるんだろう。死者の魂が入り込むと、物の魂ってかき消されるんだろうか。それとも、物に宿った魂は本当は“誰か“のものなんだろうか。案外、生きる持ち主(自分)の魂が分けられているとか。…いやビッグマムかよ。人類皆ビッグマムかよ。想像したらめっちゃ怖かった。ビッグマムが分からない方はONEPIECE ホールケーキアイランド編をご覧ください。

きっとこの話に答えは出ない。だって魂って目に見えないものだし。
私はこの考え、あんまり好きじゃないんだけど、哲学者カントは言いました。目に見えないものなんざ考えるだけ無駄だって。目に見えないから考えたがる、人は目に見えないものほど勝手に想像を働かせたがるんだって。分からんでもないけど、好きじゃないな、その発想。ロマンが無いもの。でも今回はこの考えに則り、ここで終わり。残りは各自考えてください。でも私は続きに興味があるから、良かったら聞かせて。



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