-映画紹介-『最後まで行く』 -毒食わば皿まで食らうジェットコースタームービー！
《乱れ撃ちシネnote vol.107》
鑑賞日 ２０２３年５月２２日 Netflix
【Introduction】
前回の『ヤクザと家族 Ｔｈｅ Ｆａｍｉｌｙ』
の翌年に藤井道人監督が制作した作品を観た。
23.05.21 （47）☆☆『余命１０年』 藤井道人監督 ２０２２年 日本
物語がありきたりでちょっとこれは駄目でした。
残念。
ということで以前からNetflixで配信されている気になる映画を続けて観た。
23.05.22 （48）☆☆『ＭＯＴＨＥＲ マザー』 大森立嗣監督 ２０２０年 日本
１ミリも共感を感じさせない作品。
何か意外な展開があるはずと最後まで観たが時間の無駄でした。
23.05.22 （49）☆『ＫＩＮＧＤＯＭ ＩＩ』 佐藤信介監督 ２０２２年 日本
この類の映画は苦手だけれどNetflixのコピーに煽られて観た。
１０分で途中下車。
画面の陳腐さとオーバーな役者の演技が恥ずかしくて。
これがNetflix今月の邦画人気ＮＯ１。
次は藤井道人監督にリメイクされて現在大ヒット公開中の『最後まで行く』のオリジナル・ヴァージョン。
23.05.22 （50）☆☆☆『最後まで行く』 キム・ソンフン監督 ２０１４年 韓国
スピーディーな展開で面白かった。
Filmarksの猛者たちの評判では嬉しいことに藤井監督のリメイク版の方が面白いらしいのでサブスク配信を期待して待つことにしよう。
韓国版『最後まで行く』は最初から最後まであれよあれよと物語が疾走するジェットコースタームービー。
ある警官が人を轢き殺してしまったことから物語は始まる。
【Story】
コ・ゴンス刑事（イ・ソンギュン）は、母の葬儀の最中に内務監査があるので至急資料を隠さなければならなくなり署に向かっていた。
身内からは早く葬儀場に来いと電話がかかるが内部監査で書類が見つかってはまずいことになる。
イライラしながら運転していたために男を轢いてしまう。
男の遺体をトランクに詰め込んで葬儀場に行く。
処理に困ったゴンスは遺体を母の棺に入れて一緒に埋葬することにした。
母親のお棺をねじ開けて遺体を隠すことに成功してほっとしたゴンス。
これで一件落着。
のはずだったのだが。
ある日「お前が男を轢いたことを知っているぞ」という電話が入る。
ゴンスが轢いた男はイ・グァンミン（チョ・ハソク）という時効間際の殺人犯だった。
疾走したイの捜査をゴンスたちの班が担当することになった。
ゴンスは同僚たちと一緒にイの捜査（のふり）を始める。
そんな中、
電話で脅迫してきた相手が刑事パク・チャンミン（チョ・ジヌン）だということが判明した。
パクは何度もイの遺体を引き渡すようにゴンスに迫る。
ひき逃げがバレたらゴンスも刑務所行きになる。
しかしパクはなぜ亡くなった男の遺体を欲しがるのか？
実はパクには誰にも知られたくない秘密があった。
パクは麻薬捜査課にいたときに押収した違法薬物をネコババして売りさばいていた。その上薬を使った怪しいクラブを経営し大当たりしてパクは裏社会を牛耳るようになっていた。
パクが極道と売買契約を結ぼうとした矢先にイが金庫の鍵を持ち逃げして姿を消してしまった。イは常に金庫の鍵を持ち歩いていたのでパクはイの遺体を手に入れようとしていたのだ。
パクが違法行為を働いていたことを同僚から聞いたゴンスは母の墓を掘り返し、イの遺体から鍵を見つけだした。ところが遺体には銃創があり車に轢かれる前に死んでいたことが分かった。
自分は殺人を犯していないことが分かったゴンスだがパクはあのてこの手で脅かして鍵を渡せと迫ってくる。
ゴンスに追い詰められたパクはどうなるのか。
ジェットコースターのスピードはますます加速がついて物語は思わぬ方向に向います。
【Trivia & Topics】
＊コミカル風味の毒食わば皿までジェットコースタームービー。
次から次へとふりかかる難題を必死に切り抜けるゴンス刑事ですが表面上は仲間の刑事たちとのユーモラスな会話で平静を装います。
＊全世界でリメイク。
監督・脚本のキム・ソンフンは本作で第３５回青龍映画賞脚本賞、第５１回大鐘賞監督賞、第５１回百想芸術大賞監督賞を受賞しています。
第６７回カンヌ国際映画祭監督週間招待作品にもなりました。
２０１７年には中国でアーロン・クオックを主演にリメイク映画『ピースブレーカー』が、
２０２２年にはフランスでフランク・ガスタンビドゥを主演にリメイク映画『レストレス』が制作されている。
『レストレス』は日本を含めた世界各国でネットフリックス映画部門グローバル興行ランキング１位を獲得している。
藤井道人監督による日本版リメイクは現在大ヒット公開中。
＊悪徳刑事なんだけど。
シビアに考えるとゴンス刑事は不正書類を隠匿しようとしたワケだし、人をひいたワケだし、パク刑事は不正の塊だし。悪徳警官だらけの物語だというのに大笑いしていていいのかな、と思わないでもないけど。
【5 star rating】
☆☆☆
（☆印の意味）
☆☆☆☆☆：超お勧めです。
☆☆☆☆：お勧めです。
☆☆☆：楽しめます。
☆☆：駄目でした。
☆：途中下車しました。
【reputation】
Filmarks：☆☆☆★（3.7）
Amazon：☆☆☆☆★
u-next ：☆☆☆★
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