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-映画紹介-『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』 失職した僕を大統領選のスピーチ原稿ライターとして雇ったのは昔のベビー・シッターだった。

《乱れ撃ちシネnote vol.99》

『ロング・ショット』 ジョナサン・レヴィン監督 2019年公開 アメリカ

鑑賞日 2023年5月2日 U-next

【Introduction】
そろそろ寄り道から戻って英国映画協会選出「映画史上最高のLGBTQ映画」の第11位を。
23.05.01  ☆☆『タンジェリン』ショーン・ベイカー監督  2004年 アメリカ

全編iPhoneで撮影したという映像は面白かった。
素敵なオカマちゃんたちの痴話喧嘩を描いたロスのクリスマス・イブを描いています。

ということでまたまた寄り道を。
23.05.01  ☆☆『サニー/32』白石和彌監督 2017年 日本

大分前にU-nextのマイリストに登録した作品。
白石和彌監督+リリー・フランキーとピエール瀧のコンビとなると『凶悪』(2013)の薄気味悪い面白さを思い出すのでかなり期待して観たけれどハズレ。

次もU-nextのマイリスト登録作品から“香り力でタイムリープする少女”という惹句につられた作品。

23.05.01  ☆☆『ファイブ・デビルズ』 レア・ミシウス監督  2021年 フランス 

時系列がさっぱり理解できず物語に入り込めなかった。
『アデル ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコプロスの映画だというのに。

『サニー/32』がしっくりこなかったので白石監督作品をもう一本。23.05.01 (03)☆☆『ひとよ』白石和彌監督 2019年公開 日本 

情念たっぷりで重い家族の物語というのはやっぱり苦手だった。
大竹しのぶは良かった。

ということで再度英国映画協会選出「映画史上最高のLGBTQ映画」第22位の作品を。

23.05.02  ☆☆『マルホランド・ドライブ』 デビッド・リンチ監督  2001年 アメリカ 
この監督の作品は昔から一本も好きになれない。
相性が悪い。
いつも思わせぶりな映像ばかりで結局何も残らない・・・。

ということで口直しにシャーリーズ・セロンの未見の作品を、

23.05.02 (05)☆☆☆☆『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』 ジョナサン・レヴィン監督 2019年 アメリカ 
おバカ映画なんだけど予想以上に面白かった。
シャーリーズ・セロンは『マッドマックス 怒りのデスロード』以来一番注目している女優だ。

大統領選挙に出馬する国務長官がひょんなことから学生時代に家庭教師をしていた若者と再会し、
彼のユーモラスな文章能力に目をつけてスピーチ原稿ライターとして雇う。
その後2人はお決まりのラブ・ロマンスに発展するという物語。
たわいもない物語だけどコメディエンヌとしてのシャーリーズ・セロンの魅力を楽しめる作品。

【Story】
頭脳明晰、才色兼備、大統領の右腕として日夜大活躍する国務長官シャーロット・フィールド(シャーリーズ・セロン)。
ある日大統領から次期大統領選挙に君が出馬してくれ、ぼくが支持するからと言われる。
若い頃から大統領を夢見ていたシャーロットは大喜び。
これで夢が叶う。

さっそくシャーロットの選挙選に向けたチーム作りが始まる。
彼女の評価調査もほぼ最高だ。
支持率92%。

・カリスマ性:95%
・エレガンス度:96%
・情熱:93%
・生い立ち:94%
・若さ:91%
・未来への展望:92%

ところが、
・ユーモア:82%

これはアップしなくてはならない。

彼女はスタッフに環境問題を一番に訴えたいと言うと、
「何を訴えていただいてもけっこうです」と調査官は答え、
「有権者は何も聞いてませんから」と補足する。

彼女が国際会議に出席した時に撮られた若くてイケメンのカナダ首相とのツーショットに対しての支持率も90%後半と大人気。

ほぼすべてが満点に近いシャーロットの難点を乗り越えるにはユーモアのあるスピーチ原稿ライターが至急必要だった。

片や。
フレッド・フラスキー(セス・ローゲン)はとくダネをものにしたことを編集長に報告したところ、
自社が大手の新聞社に買収されたと告げられる。
フラスキーが得意とする過激なスッパ抜き記事などは今後書けなくなる。
「資本家のブタが牛耳る巨大メディアは敵じゃないのか!」とフレスキーが憤ったところですでに会社は買収されていたのだ。

「社員の2/3は人員整理されるが君には残ってもらいたい。ただし過激な記事は抑えてもらわないと・・・」と編集長。

「仕事も金も必要だがクソに雇われるくらいなら俺はやめる」とフレッド。

「せめて解雇ということにしよう。そうすれば失業手当が出るぞ」と編集長。

「ふざけんな、こっちから辞めてやる! ジャーナリズムは死んだ!!」
その瞬間フレッドは失業者になった。

会社から自分の荷物を引取って帰宅すると同時に仕事探しの電話を始めるフレッド。
仕事が見つからないフレッドは学生時代からの親友ランスが経営する会社を尋ねて事情を話すと男気の強いランスはその場で社員前に向かって大声で宣言する。
「みんな聞いてくれ、俺の親友が困っているんだ。俺は彼と今後の対策を考えるために酒を飲みに行く。皆も今日はこれで仕事は終わりにしよう」と社員全員も休暇扱いにする。

バーに向かいながらランスは落ち込んでいるフレッドに言う。
「無職なんて誰だって経験するさ、心配するな。これから特製ハイボールで気分をハイにして特大ステーキを食って自然保護団体のパーティに行くんだ」

「セレブの偽善パーティーだろう」と気分の乗らないフレッド。

「おいおい固いこと言うな飲み放題だぞ。かわいいパンダがいるかも」とランス。

「知るかそんなもの!」とフレッド。

「分かった、黙って家に帰れよ。ボーイズIIメンもなしだな」とランス。

「今なんて言った」とフレッド。

「ボーイズIIメンは時代を越えR&Bとヒップホップを融合した。見たいかなと思ってパーティに誘ったんだけど」とランス。

「おい、そりゃ行くっきゃないだろう」とフレッド。

ということでボーイズIIメンが演奏する自然保護団体のパーティに現れたフレッドとランス。

会場には選挙戦チームの主要スタッフのマギー(ジューン・ダイアン・ラファエル)とトム(ラヴィ・パテル)と一緒にシャーロットも参加している。

ボーイズIIメンの演奏が始まると楽しそうにシャーロットは身体を動かす。

会場の片隅で酒を呑んでいたフレッドもボーイズIIメンが歌い出すと、
「ああ、元気が出てきた!」
会場を見渡したフレッドはシャーロットと目が合う。
「おいおい、国務長官がお前を見ているぞ」とランス。

学生時代に家庭教師だったシャーロットは今や国務長官だが自分は無職。
フレッドは身を隠すようにして会場の隅でランスにシャーロットのことを白状する。
「俺が13歳の時に16歳の彼女がベビーシッターだったんだ」
シャーロットは当時フレッドに好意を持ってくれたのでフレッドは思わず彼女にキスを・・・。
フレッドの股間はビンビンだった・・・。

2人がそんな思い出話をしていると、
シャーロットのボディガードがフレッドに近づき「国務長官がお会いしたそうです」

フレッドと顔を合わせたシャーロットは
「私たち知り合い?」

「そうだよ。フレッドだよ。」

「え〜〜あのフラスキー、本当にあなたなの!」

その後ちょっとしたアクシデントが。

何人かのスピーチ原稿ライター候補者の原稿を読んでスタッフに言う。
「フレッドの記事は悪くないわ。真の声を伝えている。それに私のことを知っているし。きっといいスピーチ原稿を書いてくれるわ」

「ああいう人をチームに入れるのは無謀ではないかと・・・」と不安そうにマギー。

「彼には文才もユーモアもある。彼のスピーチ原稿で私の評判が上がらなければクビにすればいいし」

ということで、
無職のフラスキーは次期選挙戦に出馬するシャーロットのスピーチ原稿ライターとして採用されることになった。
忙しい選挙戦のさなかに2人は恋におちると言ったお約束のストーリーがこの後展開する。

【Trivia & Topics】
*主役2人もプロデューサー。
フラスキーを演じたセス・ローゲンはカナダ出身の俳優、コメディアン、プロデューサー、脚本家。
本作ではセス・ローゲンとシャーリーズ・セロンの2人もプロデューサーとして参加している。

*コメディエンヌ・セロン。
本作はシャーリーズ・セロンのコメディエンヌとしての魅力が全開したラブ・コメの傑作です。

【5 star rating】
☆☆☆☆

(☆印の意味)
☆☆☆☆☆:超お勧めです。
☆☆☆☆:お勧めです。
☆☆☆:楽しめます。
☆☆:駄目でした。
☆:途中下車しました。

【reputation】
Filmarks:☆☆☆★(3.5)

Amazon:☆☆☆☆★

u-next :☆☆☆☆★



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