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針は鉄から宝石に変わるしビニールのレコードは登場するし。


中学の入学祝いに買ってもらった電気蓄音機で意気揚々とレコードをかけようとしたら針が付いてない。

急いで駅前の電気屋さんに駆け込んだ。

「おじさん、さっき電蓄が届いたんだけど針が付いてないんだよ」

電気屋のオヤジさんはニコニコ笑いながら教えてくれた。

「針はちゃんと付いてるよ。蓄音機と違って電蓄はサファイア針なんだ」

【きっかけ屋☆映画・音楽・本ときどき猫も 第45回】

家にもどってトーンアームの先を覗いてみると蓄音機で使っていた鉄針とは比べ物にならないほど小さな宝石がついていたからだ。

これはカルチャーショックで我がオーディオ事始めということになる。

1960年のお話だ。

蓄音機の針には三種類ある。

・鉄針
2、3枚レコードを聴くたびに新しい針に取りかえる。レコードもすり減るけれど針もすり減るからだ。

・竹針
レコードをかけ終わるとカッターですり減った先を尖らせて使う。鉄針よりも柔らかい音がする。

・サボテンのトゲ
誰が考えたのかこれは面白い。ただしこの針を使ったことはありません。

閑話休題。

生まれて初めて買ったシングル盤は「谷間に3つの鐘が鳴る / ブラウンズ 」だ。

中学時代に買い集めて今でも手元にあるシングル盤はダニー飯田とパラダイスキングの「悲しき六十才」、「ビキニスタイルのお嬢さん」、「砂漠の恋の物語」、ベニー・グッドマン楽団の「ドント・ビー・ザット・ウエイ」、「レッツ・ダンス」などだ。

当時は西部劇全盛だったのでカントリー&ウエスタンやブラザース・フォー、キングストン・トリオなども聞いていた。


1962年に発売された加山雄三初のレコードは宝物だ。

レコードではなくてソノシート。

千鳥町駅前の本屋でこれを見つたので家に走って帰りお小遣いを握りしめて買いに戻った。

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このソノシートで加山雄三は「ブルー・スエード・シューズ」「グリーン・フィールズ」「ア・フール・サッチ・アズ・アイ」「アイ・フォア・ゴット・トゥ・リメンバー」「アイ・ゴット・ゲット・トゥ・イエット」「バイ・バイ・ラブ」を歌っている。


「グリーン・フィールズ」ではボーカル、ギター、ベース、バック・ボーカルすべてを一人で多重録音している。

58年前に多重録音!

このソノシートに収録されているのはカバー曲ばかりだが当時の加山さんは自作曲も全部英語で作詞していた。

こちらはインストの傑作だ。

岩谷時子さんの歌詞は素晴らしいけれど最初に英語で聞いているので英語バージョンの方が親しみがある。

そして高校入学とともにジャズに再会することになる。

この続きはまた明日。

明日はジャズとの出会いそして叔父への感謝を込めて・・・

明日もお寄り頂ければ嬉しいです。

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2002年から書き始めたブログ「万歩計日和」です。


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