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水のキホン

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上下水道の歴史③ ~戦後、経済成長、成熟、そして次世代へ

上下水道の歴史③ ~戦後、経済成長、成熟、そして次世代へ

日本における上下水道発展の歴史、最終回です。

前回は、明治維新による水道・下水道の文明開化について書きました。

第3回(最終回)は、戦後、高度経済成長期、成熟社会における水道・下水道の変遷をたどりながら、今後の水インフラについて考えます。

戦後のGHQ占領下における水道整備第二次世界大戦後、日本の水道はGHQ占領下で米国化が進みます。

GHQ指示により、当時の米国基準をもとに水道の塩素消毒

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上下水道の歴史② ~明治維新による水道・下水道の文明開化~

上下水道の歴史② ~明治維新による水道・下水道の文明開化~

日本における上下水道の発展について、全3回に分けて紹介します。

前回は、江戸の優れた「和製水インフラ」を紹介しました。

第2回は、明治維新を起点にした上下水道の変遷に注目します。
明治の西洋化トレンドに、上下水道は大きく影響を受けました。この時期に、水道・下水道に関する学問の体系化も加速しました。

明治維新と近代水道の普及1868年の明治維新後、新政府は西洋の技術を取り入れ、近代的な上下水道

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上下水道の歴史① ~江戸の”和製水インフラ”は世界最先端だった~

上下水道の歴史① ~江戸の”和製水インフラ”は世界最先端だった~

日本における上下水道の発展について、全3回に分けて紹介します。

第1回は、『和製水インフラ』が整備された江戸時代に注目します。
江戸は、都市化による人口の急増に伴い、清潔な水の確保、衛生環境の整備が喫緊の課題となったことで、水インフラが発展しました。

江戸の水道 ~ハイブリットな水利用~江戸時代の都市部では、各家庭や商家は浅井戸を掘って水を確保していましたが、飲用には適しませんでした。
埋め立

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水に関するイケてる情報ソースまとめ

水に関するイケてる情報ソースまとめ

今回は、水について幅広く活動している私が、特に参考にしている情報ソースをまとめてみました。

■国際協力系

・WaterAid
ウォーターエイドは、1981年にイギリスで設立され、40年以上にわたり、水・衛生分野に特化して活動してきた国際NGOです。「すべての人がすべての場所で、清潔な水と衛生設備を利用し、衛生習慣を実践できる世界」をビジョンに掲げ、計26か国で活動している世界で最も大きな水・衛

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複雑な水問題を『自分ゴト化』してみる

複雑な水問題を『自分ゴト化』してみる

今回は、見えにくい『水問題の本質』と『私たち』のつながりを紐解き、水問題を自分ゴト化するキッカケについて書きます。

近年、国内外の水問題の注目度が高まっていますが、そもそも、水問題とは何なのでしょうか。

一言でいうと

「清潔で安全な水に、持続的にアクセスできる状態」と「現状」とのギャップと考えられます。

こう考えると、すでに水道・下水道が普及した日本では、水問題なんて無いのでは?という気が

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