現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その35)

 ふと、権中納言がこの世に絶望したかのように悩んでいたのを思い出し、どうしてなのかと首をひねったが、思っていた以上に女四宮を深く愛し、理想的な新婚生活を営んでいるようなので、彼には関係のない件なのだろうと思い込んでしまった。また、関白自身も皇后宮が夢枕で告げたようなやましい過去はない。だからといって安心することもできないため、返す返すも納得できない内容だったと悩み続けた。

(続く)

 関白は息子の権中納言がひどく悩んでいたのを思い出しますが、やはり権中納言と女三宮の関係までは行き着けません。
 ここで関白が真実にたどり着けなかったために、未来が変わってしまいます。少し記憶に留めておいてください。

 それでは次回にまたお会いしましょう。


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