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現代語訳『我身にたどる姫君』(第二巻)

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王朝物語『我身にたどる姫君』の現代語訳です。
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#擬古物語

現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その1)

 姫君は夢路に惑うような心地で月日を過ごしていた。今の状況がどのような事情に基づいている…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その2)

 しばらくすると、これまで見たことのない、立派な身なりの男が忍んでやって来て引き取られる…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その3)

 関白は秘密裏に姫君を引き取ったため、いつ・どのようにして行われたのか把握している者はい…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その4)

 関白は、人の往来もそれほど多くはない西八条の別邸にしかるべき僧たちを呼び、内密に法要を…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その5)

 北の方以外に愛する女がいるとは思いも寄らなかった権中納言は、にわかに思い乱れ始めた関白…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その6)

 関白は北の方が産んだ女君が気の毒に思えるほどに姫君を溺愛した。このことを耳にした中宮は…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その7)

 権中納言はいつまでもぼんやりしたままではいられないので、姫君がいる対屋《たいのや》に顔を出してみたところ、奇妙にも見覚えのある若い女を見掛けた。誰だったかと思いを巡らし、音羽山《おとわやま》で会ったことのある女房だと思い出したが、どういうことなのか状況がまったく理解できない。あれこれと悩んだ末に、しかるべき機会を作って声を掛けた。 「奇《く》しくも、思い掛けない場所で声を耳にした気がします。隠し立てするとはひどいではありませんか。結局、このように分かってしまうことだったので

現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その8)

 呼び止められた侍従《じじゅう》の君は驚いたものの、とっさに尼君のやり取りを思い返しなが…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その9)

 姫君の出自を隠すために賤《いや》しい身分だと思われるのは本末転倒だと考えた関白は、かつ…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その10)

 月日が流れても、帝は皇后宮《こうごうのみや》と慣れ親しんだ名残を、関白は離ればなれのま…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その11)

 権中納言は、かつて春の夕べに思い掛けず垣間見《かいまみ》した女にすっかり心を奪われ、明…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その12)

 十一月の雪がひどく積もった朝、関白が対屋《たいのや》に渡る際に権中納言も同行した。  …

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その13)

 関白は姫君に声を掛けた。 「あまりにも籠《こ》もりきりですね。その几帳《きちょう》は押…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その14)

 恥ずかしがる姫君の姿を一目見た権中納言は、思い掛けなく心が騒いだ。髪の掛かり具合や袖の重なる様などが不思議にも音羽山《おとわやま》の姫君にそっくりであることに気づいたものの、音羽山では柱に隠れてよく見えなかった上に、侍従《じじゅう》の君から筋の通った話を聞いていたために、本人だとは思い至らなかった。 (続く) ★  照れる姫君の美しい姿を見て、権中納言は胸が騒ぎます。音羽山の姫君と面影が似ているのを不思議