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世界最大の独立系書店「パウエルズ・ブックス」(アメリカ・ポートランド)で日本マンガの可能性を探る

世界最大の独立系書店「パウエルズ・ブックス」(アメリカ・ポートランド)で日本マンガの可能性を探る

アメリカのポートランドに訪れたら必ず来ようと思っていた場所の一つが、「世界最大の独立系書店」と銘打つ「Powell's Books」(パウエルズ・ブックス)です。

魅力的な書店は世界中にたくさんありますが、特筆すべきは書店が街のランドマークになっているということです。
この書店のためにこのエリアに訪れる人が絶えず、それによって、周囲にも好影響を及ぼしているという稀有な書店です。

実際、私は店内

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台湾・台北の「マンガ状況」が分かるスポット

台湾・台北の「マンガ状況」が分かるスポット

先日、台湾に2泊3日で行って来ました。
台湾で日本の漫画が支持されているという話は、時折耳にしていましたが、それを肌身で実感できる時間でした。
台湾・台北の「マンガ状況」を理解しやすい場所などを紹介していきます。

▼よかったカフェはこちらの記事をご覧ください。

■漫画の本屋+ギャラリー+制作スペース台北駅から徒歩で約5分のところにある「台湾漫画基地」(臺灣漫畫基地 Taiwan Comic B

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画像生成AIでマンガは作れるか? 過去に描いた漫画で実験してみた

画像生成AIでマンガは作れるか? 過去に描いた漫画で実験してみた

昨年(特に前半)は生成AIから意図的に距離を置こうとしていました。
今年は、画像生成AI にがっつり取り組んでみようと思い、正月からMidjourney を駆使してます。

一枚絵ならだいぶ狙い通りの絵を出せるようになってきので、
ここらで漫画作りに挑戦してみよう!と思い立ちました。

ザ・画像生成AIな感じのきれいめイラストは、一見すごそうに見えますが、意外と簡単に出せます。
難しいのは、素朴な

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AI時代に初期衝動でマンガを描くということ 【まんが0.1】

AI時代に初期衝動でマンガを描くということ 【まんが0.1】

2023年11月26日、12月16日の2日間に渡り、川崎市高津区役所で開催された「マンガの描き方が身につく!ワークショップ」で講師を務めてきました。

2023年9月に「秋のふるさと館まつり」内で開催された90分間ワークショップに続き、マンガを活用して地域の「当事者を増やす」活動になります。

壮大で長期的な活動になっていくポテンシャルまでも感じられたイベントだったので、熱が冷めやらぬうちにレポー

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漫画に「アート文脈」を導入する取り組みはなぜ増えているのか? その可能性と課題は?

漫画に「アート文脈」を導入する取り組みはなぜ増えているのか? その可能性と課題は?

麻布台ヒルズにオープンしたギャラリー「集英社マンガアートヘリテージ」、2019年に六本木で開催された「ドラえもん」のオマージュアート展など、近年、「アート文脈を取り入れた漫画の展開」が増加しているように感じます。

そうした取り組みに対して、私は可能性と価値を感じる一方で、
一部のプロジェクトに対しては、「既に複製物が大量に所有されているものを、無理やり一点ものっぽく作り直すことがアートなのか?」

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2023年のお気に入り作品

2023年のお気に入り作品

今年はなんとか年内に公開できました。「今年、特に堪能させてもらった作品」の発表です。

2022年度は一ヶ月以上経ってようやく公開したのですが、
なにより自分の備忘録としてとても役に立ちました。

https://note.com/mizn/n/n7c2320a19b51

すごく気に入った作品であっても、時が経つと次第に忘れてしまいます。
それらをスマホからすぐに閲覧できる「インデックス」として

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「当事者を増やす」マンガの在り方 【まんが0.1】

「当事者を増やす」マンガの在り方 【まんが0.1】

日頃私がマンガを作ったり、マンガから生まれたコンテンツから派生した企画を展開したりする際には、数万人から数百万人に届くことを目指して取り組んでいます。
願わくば数千万人、数億人に届くものになってほしい、
そんなふうに思っています。

そうした取り組みはこれからもずっと続けていくつもりです。

一方で、「膨大な人たちに届く」ことだけが正義ではない
マンガの在り方への関心も、最近強まってきています。

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格闘技PPVと、大規模開発ゲームから、漫画のこれからを考える

格闘技PPVと、大規模開発ゲームから、漫画のこれからを考える

『Number』9月号の記事、「[ABEMAプロデューサーが明かす]THE MATCH 50万PPVのウラ側」が読み応えありました。

格闘技のPPV(ペイ・パー・ビュー)の話なのですが、
私は自分の注力分野、漫画やキャラクターに引き寄せながら読みました。
すごく参考になることばかりです。

気になったところをピックアップしていきます。

・那須川天心vs武尊には、“戦う瞬間までアップデートされ続

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「メタバースの答え合わせ」に最適な一冊

「メタバースの答え合わせ」に最適な一冊

メタバース関連の本を何冊か読んでますが、今のところ、一番しっかりとした分析がなされている本だと感じたのが、
加藤直人さんの
『メタバース さよならアトムの時代』 (集英社)
です。

メタバースによってもたらされる未来に可能性を感じさせつつも、
過度に舞い上がりも、貶めもせず、
徹頭徹尾、常温を貫く姿勢がとても信頼できます。

私としては「ほぼ想定通り」な内容でしたので、
自身のメタバース考察の「

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アート、芸術を知るためのオススメ本 7冊と、+1

アート、芸術を知るためのオススメ本 7冊と、+1

今年は芸術への理解を深めたいと思い、さまざまな芸術関連本を読み漁っています。
中でもオススメの本をいくつか紹介していきます。

ビジネスパーソンに特にオススメなのは、こちら。
新書という体裁もあり、ビジネス書として読んでも、とても面白いです。

自分の関わる業界と重ね合わせて読めるところが多々あると思います。

私の場合、
第五章 「科学」を武器に職人ギルドを征した王立アカデミー
を、昨今の漫画業

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大変だったけど、やっておいてよかった!と思う、あの頃の漫画作品

大変だったけど、やっておいてよかった!と思う、あの頃の漫画作品

渦中のときは大変だったけど、後に振り返ると「あの仕事やっておいて、本当によかったー」と思うことがあります。

そんなことを最近つくづく感じているのが、雑誌『小学六年生』編集部時代に立ち上げた実録漫画『夢への扉』です。

当時大人気の「エンタの神様」に登場する芸人さんがブレイクするまでの軌跡を漫画化することから始まり、約2年間、総勢20名以上を毎月、漫画にしていました。

陣内智則さん(芸人)
水田

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Webtoon(縦スクロール漫画)動向・予測に役立つ記事のまとめ 【随時追加】 <2>

Webtoon(縦スクロール漫画)動向・予測に役立つ記事のまとめ 【随時追加】 <2>

2021年の年始に、「Webtoonは日本でブレイクするか?」と題した記事を公開しました。

予想通り、Webtoon(縦スクロール漫画)が日本においてもめざましい発展を続けています。

それに伴って、Webtoonに関する記事も増えてきたため、良質な記事や気になる記事を、随時、紹介してきました。

こちらもだいぶ量が増えてきたので、
新たに、リンクをはって紹介していく場所を作ることにしました。

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漫画が大刷新される2020年代を予測してみる

漫画が大刷新される2020年代を予測してみる

今、漫画の在り方が大きく変化しつつあります。

1959年に週刊漫画誌が誕生して以来の、大刷新の2020年代になる気配さえも感じられます。

近々、大学生を対象に漫画をテーマに講義をするため、
自分の考察を整理する目的も兼ねて、
・これまでの漫画の王道、スタンダード
・どんな新しい潮流が勃興しているのか
そして、
・これからどのようになっていくと予想されるか
について、記していきたいと思います。

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Webtoon(縦スクロール漫画)動向・予測に役立つ記事のまとめ  <1>

Webtoon(縦スクロール漫画)動向・予測に役立つ記事のまとめ  <1>

2021年の年始に、「Webtoonは日本でブレイクするか?」と題した記事を公開しました。

予想通り、Webtoon(縦スクロール漫画)が日本においてもめざましい発展を続け、状況は日々刻々と変化しています。

それに伴って、Webtoonに関する記事も増えてきました。

良質な記事や気になる記事を、随時、リンクを貼っていくことにします。

上記の記事と合わせてご覧いただければ幸いです。

■LI

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