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『"選手の心を殺すような指導"はやめた』 陸上コーチ28歳の決意表明

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この記事は、以下の方々に向けて書いています
①アスリート以外の方々へ
 →"アスリートの世界にはこんな苦しみがある"と伝わったら嬉しいです

②現在競技が苦しい選手へ
 →"ここに理解者がいる"と伝われば嬉しいです

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【知られざる現状①】ストイックなフリをさせられる選手たち

今回は、スポーツ現場の中にいるからこそ見えること、そして想いをオブラートに包まず書き連ねていきますよろしければご一読ください。

まず一般的なアスリートに対するイメージって、"高い目標に向かってストイックに努力をしている"といったイメージを皆さんお持ちかと思うんです。

でも実際は全員がそういう性格をしているわけではなくて、中には"勝ち負けにはそこまで興味がないのに、ストイックなフリをせざるを得なくて、本心に蓋をして自分に鞭を打っている"という選手がいるんですね。

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【知られざる現状②】ストイックな選手しか可愛くない指導者たち

というのも部活動って、勝つために努力をしている選手が"偉い!!素晴らしい!!"と褒められ、指導者から優遇される風潮があると思うんですよ。勝利至上主義と言いますか。選手よりコーチの方が勝ちたがっていて、選手が無理やりそれに合わせているチームもよく目にします。"そんなんじゃインターハイに行けないぞ"といったセリフもよく聞こえてきますし。

で、おそらく悪気は一切なくて、"勝ったら選手は幸せになる"と考えているんじゃないかと思うんですよ。
なので当然監督やコーチは、勝ちたい選手が可愛いんです。"そのやる気に応えてあげたい!!"と思うので。

でもそうなると逆に、勝ち負けに興味のない選手は"やる気のないダメなやつ"と思われるんですね。すると選手自身も、"勝つために努力できない自分はダメなやつなんだ"って思うようになり、コーチから認められたり褒められたりするために"自分に鞭を打って追い込むストイックな人間"のフリをし始めると。勝利至上主義のために、勝ち負けに興味のない本当の自分を殺しはじめるんです。

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【知られざる現状③】周囲の誰にも苦しみを理解されない地獄の日々

自分にも少しばかりその経験があるんですね。しかも強豪校じゃなく、顧問の先生も全く厳しくなかった高校出身にも関わらず。

というのも私が高校2年生の秋にたまたま400m走で東京都チャンピオンになったタイミングから、『来年はインターハイ確実だね!!』『うちの部活からスターが出るかもね!』といった期待を周囲からされるようになったんですね。
その瞬間から、"競技が自分のものじゃなくなる感覚" 自分の心が置いてけぼりになる感覚"があって。そのときは"インターハイ行けない自分に価値はない"という考えに変わり、そして"前向きにインターハイを目指しているフリ"をすると。
高校3年生の時は、試合が近づいてくると授業中も試合のことを考えて、緊張で顔が硬直し、クラスメイトに心配されるほどで。逃げ場のない地獄で、生きた心地がしなかったんです。
で、結果を出しても『大学でも続けれるんでしょ?』『次は大学のインカレだね!!』と次の結果を求められる日々で、大学3年の夏にインカレ入賞してタイミングで『次は日本トップを目指そう!!』と次の目標が遥か遠すぎてしまい心がぽっきり折れたと。

この"自分に鞭を打って上を目指す癖"は習慣になり、就活やサラリーマンで出世争いしていた時まで引きずって苦しかったんですね。さらに辛いのが、周囲の誰にもこの苦しみは理解されずに、むしろ"充実した人生でうらやましい!順風満帆だね!"と言われる始末で。

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【知られざる現状④】"頑張れない自分が悪いんだ"と、競技を辞めてしまった後輩たち

自分はたまたまそこそこの結果が出せたからまだよかったのかもしれないですが、大学時代は自分と似たような状況の仲の良い後輩が次々と辞めていったんですね。皆んな走ることが大好きだったのに、居場所がどこにもなくなって、チームから消えるように忘れられるように去っていくと。結果の出ない自分に存在価値を感じられなくなっちゃって

また、指導者になってから出会った高校・大学の選手の本音を聞いていると、コーチから見放されないように心を殺して張ったきたのに、大きなケガをしたタイミングや、自分より優れた後輩が入ってきてタイミングで顧問から見捨てられた経験をした選手が多くいて。コーチ陣が自分から離れていくのが分かるそうなんです。また、"強豪校で本音打ち明けたらチームメイトからも村八分にされた選手"などとも、出会ってきて。
ここの部分ってメディアとかでは表には出ないんですよね。なぜなら選手自ら発信することもないですし、むしろ"頑張れなかった自分の方が悪かった"と罪悪感を抱えて生きているほどです。

そういったものを嫌というほど見てきたので、私は"高い目標を掲げて辛いを努力する"ということに、美徳を感じていないんです。そして、”そんな選手の受け皿となる居場所をつくれたらいいなぁ"と思い、今のチームが生まれました。

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【決意表明①】 "日本一選手を幸せにするチーム"

だから、いま指導している選手たちには”幸せになって欲しいな"と心から願っているんですね。決して、"勝ってほしい!!" "上を目指してほしい!!"とは思っていなくて。

で、何年間か考え抜いた末に、"勝ち負けが気にならないくらい、走りに夢中になれれば良いんじゃないか?"という結論を出しました。"勝ち負けが気にならないくらい走りに夢中なっていること"が幸せの定義です。

"走ることに夢中になって楽しんでたら、いつの間にかすごい選手になってた!!" "勝ち負けのこと忘れてたのに!!"という"気づいたらチャンピオン"が実現できたら最高ではないかと思うんですね。

そして、そのための指導ノウハウを7年かけて作りました。この指導には本当に自信があって、"走りの完成が楽しみすぎる!"と勝ち負けのプレッシャーを忘れるほど走りに夢中になれる指導です。
先ほどの"気づいたらチャンピオン"という夢のようなことを実現できる確信を持っているし、もしかしたら"全国チャンピオンすら通過点なのかもしれない"と思ってさえいます。そして、多くの選手にそれを活用してほしいので、ノウハウはすべて、無料で公開していっています。

このように、結果より選手の心を最優先にして、"レベルの高い指導で競技力は上がる。でも勝ち負けのために心を犠牲にする必要はない。"というチームづくりをし、『勝ちたがっている選手や自分に鞭を打って追い込むストイックな選手だけが"偉い!!素晴らしい!!"と褒められる風潮』を、この『走りに夢中になれる指導』でひっくり返していくと。
そして、『日本一選手を幸せにする陸上コーチ・陸上チーム』を目指していきます

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【決意表明②】"部活動との共存" 今は敵に思われても、いずれは理解し合いたい

で、この取り組みには多くの批判や障害があることを覚悟しています。
例えば部活動では、"目標達成に向けて頑張ることで、人として成長する"という人間教育的な考えが一般的ですし、実業団チームやプロアスリートでは、"アスリートは結果が全て"という結果至上主義的な考えが一般的です。
なので、そういった人々から見たら、私のしていることは"教育者失格" "アスリート失格"ですから。

何より、他のチームに所属している子を自分がマンツーマン指導するため、チームのコーチは良い顔をしないですよね。
すでにいくつか"選手は私の指導を受けたがっているけれど、コーチによって止められている"という事案が発生しています。私が非難されることは問題ないのですが、コーチによっては「裏切り者!」と選手にレッテルを貼り、指導を放棄したり試合に出場させないなどの対応を取る可能性が0ではないので、現在は選手を守るため、"○○選手の指導をしています!"と大々的には公表せず、コソコソと活動しています。でもいずれは堂々と胸を張って、活動をしていきたいと思っています。

というのも、部活動とは敵同士になるのではなく、共存を目指していきたいと思っているからで。スポーツ推薦を採用している高校や大学は、施設や活動、勧誘などに投資してプロモーション活動の一環としてやっていることは理解できますし、競技力や意識の高い選手が集まることがその選手の人生のためになったり、日本のスポーツのレベルアップにつながっていることにも一定の理解はあります。

要は"新たな選択肢が必要だよね"という話です。
"高いレベルの指導を受けたり、競技に専念できる環境が欲しい。でも勝ち負けに振り回されたくはない"という現在は一般的ではない考え方の選手を受け止めてあげられる器が必要だよねという話です。

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【皆様へのお願い】この記事を読むだけでも救われるアスリートがいる

長くなりましたが、勝利の義務化に苦しむアスリートを1人でも多く救うべく、"夢中になれば結果は勝手についてくる!" "競技力アップには、必ずしも心を殺す必要はない"ということをこのチームで証明し、"日本一選手を幸せにするチーム・コーチ"を目指していきます

もしこのお粗末な文章を読み少しでも共感してくれた方がいれば、この活動を応援していただきたいんです。先に述べたように、アスリートが苦しんでいるかどうかは"苦しんでいる自分の方が悪い" "心が折れているのがバレちゃダメだ"と勘違いしているんです。

なので"そういったアスリートが周りにいるかもしれないなぁ"と思っていただき、そういう選手のもとに届くようにこっそりとシェアしていただきたいんです。
自分の指導を受けなくてもこの記事を読むだけで、"自分の理解者がいる!!"   "そういう生き方でもいいんだ!!"と救われるアスリートがいると思うんです。

ということで今回は、『勝ち負けに興味のない選手の心を殺すような指導はやめることにした』という宣言と、『28歳の決意表明』というお話をしてみました。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。

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