真谷優の大学留学記56「夏祭り当日」

今日はいよいよ夏祭り当日だ。待ち合わせ場所は神社の鳥居の近くだが、響は来ているのだろうか。ちょっとしたドキドキとワクワクを抱えて待ち合わせ場所に向かった。鳥居の近くに響の姿は……ないか。ならもう少しだけ心の準備ができそうだ。しばらく待っていると「わぁっ!」と声を掛けられた。驚いて振り向くと、そこにはハーフツイン(?)とお団子を組みあわせた髪型をし、浴衣に身を包んだ響がいた。あまりにも可愛すぎて、倒れそうになったが何とか持ちこたえた。
「優!?大丈夫?!」「あぁ……何とかね」
いやそれにしても響可愛すぎんか?ハーフツインとお団子を組みあわせるとかいう珍しい髪型して、しかも浴衣と来た。響はどんな服も似合うけど、浴衣を来たらそこに居るのは大和撫子だよほんとに。しかもなんだ?よく見たら薄らメイクもしてるし、素顔も可愛いのにメイクとかしたらもう鬼に金棒、響にメイクだよ。
あぁ可愛すぎて溢れる想いが止まらなさすぎる。
多分今の僕の顔やばい顔してるんだろうなぁ……。ちらっと響の方を見ると不思議そうに僕を見ていた。あぁぁぁそんな顔されたらもっと好きになってしまうじゃないか。響は一体どれだけ僕の心をシェイクすれば気が済むんだろう。
もう好きすぎてこの気持ちが止まらないよ。
可愛い可愛い可愛すぎだよほんとに。
「ゆ、優……?なんかブツブツ言ってるけど大丈夫……?」僕を心配した響が声をかけてきた。
「え!?あ、あぁ大丈夫……だよ」
もう好きなところをマシンガンの如く羅列したい気持ちを抑え、一緒に鳥居をくぐった。
参道には沢山の露店が並んでいた。
「響は何から食べる?」響に何を食べたいか聞きながら歩いていると、ある店の前で止まった。「そうだなー……あ、これタンフールーだって」
「へぇ中国の飴菓子なんだ」「お兄さん、何にするか決まった?」「なにかおすすめはありますか?」「1番人気はこのサンザシね。2番目に人気なのはいちごね」「じゃあ……サンザシをひとつといちごをひとつ」「あいよ!」竹串に大きなサンザシが6つ刺され、その上から水飴がたっぷりとかけられていく。いちごの方も8つぐらい竹串に刺されて同じようにたっぷりと水飴がかけられていく。こりゃ美味しそうだな。「はい、サンザシといちごね。 」タンフールーを響に預けて、代金を支払う。響からサンザシのタンフールーを受けとり、参道を歩いて行く。サンザシが大きいせいか重く感じる。タンフールーってどんな味するんだろ?意を決して飴がコーティングされたサンザシにかぶりついた。するとサンザシの甘酸っぱさと飴の甘みが見事に調和してちょうどいい甘さだった。「甘酸っぱさはあるけどめっちゃ美味しいな」 

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