真谷優の大学留学記32「新年」

年が明け、2024年になった。4月からは2年生になる。より一層気を引き締めなくては。今日はお正月だから初詣にでも行くか。近くの神社に行くと多くの人で賑わっていた。願い事は特にないので賽銭を入れて手を合わせた。やることも特にないので家に帰ろうと鳥居の方へ向かおうとすると後ろから聞き慣れた声がした。「明けましておめでとう優」声の主は響だった。「明けましておめでとう……ひびk」そこまで言いかけてあることに気づいた。そう。響は振袖を着ていたのだ。いつもは下ろしてる長い髪もまとめられている。ほんの一瞬だが、いつもとは違う響の姿に目を奪われた。「どうしたの?優?」「ん?あぁなんでもないよちょっと考え事してたんだ」「そう?ならいいけど……」響は不思議そうな顔をしながらも納得してくれた。


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