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選択的夫婦別姓から考える地方都市が生き残る道

選択的夫婦別姓が求められている最近の流れを見ていると、少し思うことがあったので久しぶりに書いてみようと思います。


石川県白山市でパートナー制度を利用したカップルが初めて誕生しました。
このカップルは、どちらも家庭の事情から名字をどちらが変えるかの折り合いがつかずなかなか結婚ができなかったそう。

白山市で導入されているパートナー制度は2021年12月にスタートし、婚姻に準じた権利が認められる制度。

性的少数者の方をはじめ、様々な事情により婚姻の届け出ができないカップルが、お互いが人生のパートナーであることを宣誓し、市が「パートナーシップ宣誓書受領証」等を交付する制度です。 ※法的な効力(相続や税控除など)が発生するものではありません。

白山市パートナーシップ宣誓制度
(https://www.city.hakusan.lg.jp/machi/danjyo/1007207/1007173.html)

パートナーシップ宣誓制度は、同性婚が認められていない日本で家族として対外的に証明できるよう自治体が独自に導入していった制度。
2015年に渋谷区が初めて渋谷区パートナーシップ証明書を出すための条例を制定したことが初めてです。
それが広がって、同性婚に限らず様々な結婚の形に対応しているということなんだと思います。

『平成 28 年度人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況』によると、平成27年に結婚した夫婦の姓は夫の姓が96%で妻の姓が4%。
まだ最新のデータは見つけられなかったんで、わかりませんが、これだと結婚した「普通」夫の姓に変えるものだよね、と思う人がいても不思議じゃないなと思ってしまいました。

平成 28 年度人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況



最近よく「夫婦同姓」や「選択的夫婦別姓」、「夫婦別姓」など婚姻した後どの姓を名乗るか、ということが問題に挙げられることが多くあります。
私の周りにも夫婦どちらも自分の姓を変えたくないから結婚という形を選ばない人もいます。

先日、弟と結婚をするかしないか、したいかしたくないか、について話をしてみました。
弟は「俺は長男だし、男ひとりだから、やっぱり自分の姓を守っていかなきゃいけないと思うから、使命感で結婚しなきゃいけないと思うんよね」と。

自分の弟の口から、「使命感で結婚」なんて言葉が出てくるとは思いもよりませんでした。
我が家は別に地主でも代々続く名家の家柄でもなく、親戚付き合いもほぼ皆無、守る土地も不動産も財産も、ましてや墓もありません。

でも彼は長男として結婚して子どもを作って名字を継がせる、と。

もちろん彼の価値観だから構わないんですが、使命感を持って結婚してもらわなくても、うちの家族は本人以外誰も求めてないんですよね。
そもそも我が家は父が亡くなった後、母の姓がすったもんだあった末旧姓に戻り、同じ姓を名乗っているのは私と弟だけ。
祖父母はいるけど、ほとんど会ったこともないし。

かくいう私はどちらかというと好きな人の姓を名乗りたい、と思ってきたタイプでした。
仕事とプライベートで名前を使い分けても特に問題はないだろうし、手続きはめんどくさいけど、姓にこだわりは持ってきませんでした。
もちろん、今の姓に合うように名をつけてもらっているので少し勿体無い気はしますが。

だから(それに結婚の予定もないし)、夫婦別姓問題ってずっと他人事だったんです。
それでも、私がどうするか、というよりも、姓が問題で結婚したくてもできない人がいるのは違うなと。

もともと家制度の中で作られた法律で、女性が相手の家に入る、という形だったら夫婦は同姓でいいと思うんです。
でも今は個人の考えが強くなって、よく「私はあなたと結婚しただけで、あなたの家と結婚したんじゃないの!」って言ってるドラマなんかもありますが、家から個に時代が移り変わっている。
この時代の変化になかなかついていけないのが法律なんですよね。



さて、夫婦が別の姓を名乗るために、婚姻することはできませんが、白山市のようにパートナーシップ宣誓制度を活用して同等の権利を得ることができるようになりました。
現在全国で232自治体(人口カバー率は54.7%)となりました。

私が住んでいる宮崎県は、9市町村(人口カバー率は66%)で、まあまあ多め。
ちょっと意外な結果でした。
今年、お隣の日向市や西都市、門川町も制度を導入したそう。
ただ残念なことに住んでいる都農町は導入していないようです。

パートナーシップ宣誓制度は様々な理由で結婚したくてもできない人たちを救ってくれる制度。
もちろんこれがあるから問題解決!というわけではないので、本質的に結婚とは、という問題があるとは思います。

ただ、地方に人を増やすためにどうしたらいいか、ということを様々考えている中で、もしかしたらこれはマストな制度なのではないかと白山市の記事を見て思いました。
パートナーシップ宣誓制度を利用している人たちは、この制度がある自治体を選び住む場所の選択をしている。
引っ越しをするにしてもその制度がある場所を選ぶ。

どんな解決策も、それがあるから爆発的に人口が増えます、とはいかなくても、これがないからやめます、という人を逃さず、選択肢に入ることが全国的に移住を進めている中で重要なんじゃないかなと。

今後、夫婦別姓問題は落とし所を見つけていかない問題だと思います。
私自身が別姓にしたいと思っていないから関係ないや、じゃなくて、いろんな角度からこの問題を見ていきたいです。

あぁ、私も結婚したい!

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