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優しさの交換

金曜日は、
安息日の支度で忙しい。

トントン、と
ドアをノックする音が聞こえたので、
料理の手を止めて、玄関へ。

シャッバッ、シャローム!
安息日の挨拶の言葉が聞こえる。

ドアを開けると
近所に住む友人が、
花束を持って立っている。

安息日のランチに招待していた友人だ。

ご主人がインフルに罹り、
突然、来れなくなった、と連絡があったので、
すぐに、
安息日の為に作った料理やパン、
デザートを持って
夫にお見舞いに行ってもらった。

安息日の料理

私達夫婦は、
レストラン経営の経験もあり、
料理を大量に作る事が苦にならない。

こんなに沢山作ったので
食べてもらったほうがありがたい。

少しして、その友人が
花束と、チェリーを持って
わざわざ来てくれた。

ご主人がご病気で大変なのに。

友人夫婦は
ランチに参加できなかったが
美しい黄色いバラが
ランチのテーブルで輝いていた。

優しさの交換で
お互いの心は温かくなり、
世界が少し明るくなった様に思えた。


安息日は、車の運転が禁止なので
シナゴーグというユダヤ教寺院まで
歩いて行けるように
その1マイル(1.6キロ)以内に居を構え
ユダヤ人の居住区が出来、
コミュニティとなる。

安息日は、テレビもスマホも禁止なので
散歩がてら、コミュニティの友人を訪ね、
会話を楽しむ。

勉強会や
女性だけの祈りのグループに
参加することも出来る。

一人で読書する時間もたっぷりある。
仕事もスマホも御法度だから、集中できる。

安息日には
禁止されている事が多いが
それは、つくづく幸せな事だと、感じる。


安息日は、
デジタル·デトックスの日。


スクリーンでは無く
現実の人間と、優しさの交換をする
美しい1日だ。

この習慣を、
大切に、
いつまでも、守り続けたい。






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