オンラインのほうが「顔が見える関係」になっている?



都知事の外出自粛要請から2日。コロナは世界各地で猛威を奮っていて、ここ東京の日常もピリピリとしています。

そんな中。
ちょっと興味深い“逆転現象”が起きていることに気づきました。

これまで取材や打ち合わせは、「お互いの顔を見てコミュニケーションしてこそ」と言われ、対面が基本形でした。
礼儀・マナーという意味でも、「より正確に情報が取れる」という意味でも、対面=オフラインが奨励されてきました。

けれど、今や、対面取材では、話す方も聴く方も「マスク着用」が、当たり前化しつつあります(話す方は、撮影中のみマスクを外すけれど終われば再びマスク着用)。
そうなると、対面であっても、顔は“ほぼ見えません”
マスクに覆われていない部分は見えますが、
目元だけで表情を読み取るのは、簡単じゃないな〜と実感する日々です。

かたや、オンライン取材・打ち合わせの場合は、お互いに安全スペースからネットを通じて顔を合わせるわけなので、マスクを外している率ほぼ100%。
画面を通じて、“お顔丸ごと”の表情を確認できます。

ということは・・・?

「お互いの顔を見てコミュニケーション」がかなうのは、もはやオンラインのほうに軍配が上がるのでは!

ここでふと思い当たったことが。
つい先日、Business insiderで取材した静岡聖光学院の星野明宏校長の証言です。
3/2から速やかに全授業・HRのオンライン化を実現した同校に注目して、実施1週間を過ぎたタイミングでインタビューしたのですが、星野校長は「教員から『オンラインのほうが生徒全員の様子が分かるかもしれない』と声が上がっている」とおっしゃっていました。
教室の中で30人近い生徒に万遍なく目を配るのは難しいけれど、
zoomの画面では均等に人数分の顔が見渡せるのだそうです。併せて、1日5分程度の個人面談を継続している点もきっと効いているのでしょう。

<↓ご参考までに該当記事です>



一方で。

オンライン・オフラインにおいても、表情と同じくらい繊細に気持ちの変動をつかめるのが「声色」だと私は思っています。

そして、この点では、やはりオフラインが圧倒的に優位(今のところ)。

オンラインでも機器の力を借りれば音質はかなり再現性高く聴けるのかもしれないですが、
なんというか、声のトーンや張りだけでなく、その一帯の空気に響く振動も含めての体感が重要なのです。
オンラインのやりとりでかなり神経を消耗するのは、「空気がつながっていない空間」の中で、相手の気持ちの振動をなんとか感じ取ろうと、無意識に頑張るからかも? 

「今日はオンラインで、相手が聞き取りづらいかもしれない。いつもより声を大きめにハッキリ話そう!」という配慮が、かえって「感情の読み取りづらさ」につながる気も・・・。

ここをどうクリアしたらいいものか???

と書いている間にも、来週予定されていた対談が「オンラインでお一人のみの単独取材」に変更になりました。

取材時のマナーも急速に変わろうとしている今、「こっちがいいですかね?」「いや、こっちでは」と相談しながら“新しい常識”をつくっていく感覚が必要ですね。

引き続き考えてみようと思います。

妙案ございましたら、ぜひ教えてください。

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