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084.ドーナツの穴から見えるもの

久しぶりの青空に歓声をあげる。
心おきなく外干しを味わい、子どもらは襟足すっきりと髪を切る。
日曜日を満喫して待つのは星野源さんの10周年ライブ。
最高かよ、最高だね。

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いつもこんなふうに過ごしたい、そんな理想があるだろう。
それに近づけるにはどうしたら良いのかな。
気づきのヒントにモーニング・ページがある。
やっかないな感情だったり、ほんとうに好きなものだったり、ドーナツの穴みたいな感情がそこから浮かんでくる。

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ドーナツの穴って不思議だ。母が作る手作りドーナツ。

ドーナツの型で丸く千切った生地。型の反対の円で穴を作り、油へとすべり落とす。揚げたてドーナツに砂糖をまぶして食べるの。
揚げたてが食べたくて、手を伸ばす。ジュワンと熱くて、笑いながら食べる。
「ほら、熱いでしょ。もうすこしまってから食べなね」いつもそう言われるけど、曖昧に返事してはハフハフ食べる。

穴は火を通りやすくするため、そう教えてもらった。

とんがりコーンやポテコ。教えていないのに指にはめて笑う子どもたち。
そうだね、それは正しい穴の使い方。

ドーナツの穴だけを残して食べようとしても、穴の周りのドーナツがなくなってしまえば、穴も無くなる。

これは心にあいた穴。空洞。

希望も夢も通りすぎていく。
ボーッと風が吹く音がする。

その穴から見える風景はなんだろう。ねえ、見えるでしょ?だって穴があいているのだから。

ねえ、どこに向かって走っていくの、その足で戻ることだってできるのに。

「忘れていないよ、確かに君はそこに存在していた」

悔やむ権利は誰もが持っている。
後悔なく生きたいとは思う。それさえも選んだ結果や行動した結果だとしたら、それでも追いかけて引き戻したいとは思う。

ドーナツの穴は火を通りやすくするため、それは美味しく食べるための知恵。

ほら、覗いてみてよ。君を待つ人はそこにいるから。





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