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木版画の板材(古今東西)

浮世絵の版材として有名なのは山桜ですが、世界の木版の歴史を遡って版材として使われた木材を調べてみると面白かったのでまとめてみます。

中国
現在知られている最古の木版画は、中国の敦煌の金剛般若経の扉絵で、唐の時代、咸通9年(866年)に製作されたものであろうといわれる。ただし、これは精緻な出来栄えであるので、実際の木版画の誕生は更に数百年も遡るものと考えられる。その後、中国、日本ともにそれぞれ製紙の発達をみ、木版技術も進歩したが、その大半は信仰に関係していた。中国では、主に版木にが使用されていた。

ヨーロッパ
ヨーロッパにおける古い木版画は、現存するものでは14世紀末にまで遡る。ヨーロッパにおいては、版木に胡桃、あるいは柘植が使用され、東洋におけるとは異なっていた。彫刻刀は東洋のものと似たようなものが使われ、紙をのせ、刷毛またはタンポのようなもの(ぼろや毛を皮で包んだ用具)で擦ったようである。あとから着色するようになったのも、日本の初期版画と似ていた。

引用:wiki

西洋の木版画の起源は1400年前後に遡るといわれています。上記作品は1511年のデューラーの木版画作品で、木版の細密描写では小口木版が有名ですがこれは板目木版です。(使用版材:デューラーの多くは、梨、桃、胡桃)

以下、技法説明リンク
板目木版
小口木版


明治時代以降では主線に金属を腐食させた板も使われていたようで、これらは半永久的な摺りに耐える強度があったようです。
しかし現代ではあまり使われていないようで私は見たことがありません。

現代では山桜の代替品として桂と朴が市販されています。
これらは耐久性には欠けるものの、彫りやすく使いやすいです。


まとめ
古今東西を調べると、多様な版材で木版画が作られていたことが分かりました。今後もし山桜の入手が困難になったときには、昔の例を参考にしながら代替で使える木材を探そうと思います。

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浮世絵製作/版元&彫り担当/WEB空間の画像作品を浮世絵由来の木版画(新版画)にする事を夢想してます。

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