地雷を踏み抜かれた話

30半ばになって、まだ独身だと色々言われることがある。
直接言わないまでも何かしら邪推されたりもする。

結婚することが普通で、結婚してないと可哀想という価値観はまだまだある。
そんなもんだよなぁと諦めモードではあったが、先日は親友にまさかの地雷を踏み抜かれ、今は少し距離を置いている。

その子は結婚して専業主婦で子供もいる。
類は友を呼ぶというが、恋愛に縁遠いという意味ではわたしにはまったく類友はいない。
独身の友人はほぼいない。

その珍しい数少なかった独身の友人も結婚が決まり、親友も交えて飲んでいた時の事。

「もう女にしちゃえば」

え?と思った。
女性アイドルが好きで彼氏がいないから、レズと誤解されることは多々あったけれど、
親友にはアセクシャルかもと悩んだ時にもその話をしていたのだ。

冗談だったのかもしれない。

でも、だ。

○○にしとけば、という台詞は前にも言われたことがあるけれど、
大体○○は発言者が下に見ている対象を指すことが多いし、
ようはその対象とお似合いと言われた自分も下に見られていることになる。

そもそも異性にモテないなら同性、という理論は本当に分からない。
たしかに同性愛者は少ないのかもしれないが、少ないから誰でもいいわけじゃないだろう。

カミングアウトすると、狙われたらどうしようとなる風潮も本当に嫌いだし、自意識過剰にも程があると思う。

正直、親友はLGBTにも理解がある方だと勝手に思っていたので
すごくショックだった。

きっとそれを伝えたらそんなつもりなかったとか、酒の席の冗談じゃんって話になるのだろうと思うけど
ある程度そう思ってないと口からは出ないだろう。

親友だけじゃなく、世間の多くの人の中にまだあるであろう偏見の目がいつかほんとうの意味でフラットになる日がきてほしい。

ほとんどの人が、どう思いますか?と問われれば、
別にいいと思います、とか性別の壁を超えた愛は素敵、みたいに答えるんだろうけど

大抵は(自分の家族じゃなければ)という注釈がつく。
自分の子供がそうだったら嫌だ、とか普通に結婚して子供産んで幸せになってほしい、が本音だろう。

LGBTは普通じゃないから、可哀想だから、そうなってほしくないって。

動物の一部として見たら子孫繁栄から外れる道を非難するのは正しいのかもしれないけど。
マイノリティを下に見る風潮はどうかなくなってほしい。

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