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白を基調とした清潔感漂うフロアには様々な人が行き交っている。 綺麗に髪を纏め上げるお姉さ…
「お姉ちゃん…。」 八の字に眉を下げながら振り返る妹の顔を見て、それはそうだろうな、と軽…
緩やかな斜面を下る。 足元の土はふかふかしていて、柔らかい。 寝転んだら気持ちがよさそうだ…
「…やっぱり三枝さんの資料は分かりやすくていいね…。」 まだほんのりと温かい、刷りたての…
「おはよう!」 ここ最近ですっかり聞き慣れてしまった声に思わず嘆息する。 後ろから声を掛…
「唐沢くん!」 軽やかな声がする。 振り返った先、コツコツとヒールの音を響かせ花柄のワン…
カチャリー… 静寂を壊さないよう、そっと鍵を回す。 確認のために一度だけドアノブをゆっくりと引き、施錠を確認してからその場をあとにする。 寝静まったままの町はとても静かで、軽く地面を蹴る音と浅い呼吸音だけが空気を震わす。 昨日降った雨が作る水溜りを交わしながら歩く道は私達以外誰もいない。 舗装された道路を抜け、しばらく進むと開けた場所へ出る。 濡れたアスファルトの匂いが湿った土の匂いへ変わった。 朝晩の冷え込みもなくなり、足を傷つける霜も見当たらない。 道を挟んで
右手に握りしめたエコバッグから飛び出たネギが手の甲を掠める。 学生時代、晩ご飯はなんだろ…
「あ、クリア…」 画面に流れる華々しいエンドムービーを眺めながら数時間ぶりにコントローラ…
ふらつく足元を何とか踏ん張り、階段を降りる。 年々酒に弱くなっているのか、二日酔いになる…
「あーーー、腰が…」 去っていくバスの駆動音を聞きながらキャリーケースから手を離し、ぐっ…
「わ、どうしたの?」 「急に降ってきたんだよ…もうびっちゃびちゃ。」 玄関先に佇むその姿…
ピ――――――ピ――――…ガチャン… ワンルームの狭い城に洗濯を終えたことを告げる音が鳴…
「うっ…」 「大丈夫?ちょっと休む?」 「ううん、平気。」 苦笑しながら大きなお腹に手を添えている姿はまだ見慣れない。 手にしていた衣装ケースを玄関先に下ろし、急いで姉のもとに戻りその腕に抱えられている段ボールを受け取る。 「わ、ありがとう。」 「いいよ。ていうか、姉ちゃんは動かなくていいから。」 「でもちょっとは運動しなさいってお医者さんにも言われてるしさ…」 「だとしても、重いもの持つのはやめなよ。見てるこっちがひやひやする。」 「えー?」 不満気な姉を