既存の概念を躱してたいくつしのぎ

さいきんパスピエが自分のなかでリバイバル。大学生のとき、めちゃくちゃ好みのギターを弾く先輩に誘ってもらって、一年弱コピーバンドをやった。そのまえから好きだったのか、コピーするようになったからちゃんと聴くようになったのかわすれてしまったが、好きだった。

ものすごくひさしぶりにカラオケで「はいからさん」をうたったら、気持ちがよかった。ので、もっとたくさん歌おうと思った。ちょうどこないだ『幕の内ISM』を中古で買ったところだったので、新しい曲もおぼえつつ。

歌をうたうことがさいきん、純粋な楽しいこと、に戻ってきた。社会人になってからできた友達のHちゃんのおかげだ。

Hちゃんとはのべ10回くらいカラオケに行っている。いちばん直近にお茶をしたときに(お茶はカラオケの倍くらいひんぱんにしている)、話の流れで歌の話になった。やこちゃんは歌がうまい、と言われ、またまたお上手、とふざけて返した。

わたしは冒頭でちらっと話したように、大学時代バンドサークルに所属していて、すごく歌がうまいひとをゴロゴロ見てきた(そして自分の歌を録音して聴いたりもしていた)ので、自分は歌うのが好きだけど、うまいほうではない、ただ音程がとれて、大きい声が出るだけだ、と思ってきた。それが正しい認識だ、と。

そんなことはない、とその日のHちゃんは言った。私はずっと音楽をやってきて、大学にも声楽やオペラを専攻した友達がいたが、でもやこちゃんは上手だ、と言われた。

その瞬間すごく嬉しくて、ああ、上手って思ってればいいんだな、と思った。もっと上手な人がいるとか、客観的に見てどうとか、つまんなかったな、と思った。自分が上手って思ってればそれでいいんだ、と思った。上手って思ってれば、こんなに嬉しいんだから。

ゆがんだ認知かもしれないけど、事実には則してないかもしれないけど、だれかに押しつけないなら、自分で思いこんでるだけなら、迷惑かからないし。

ふしぎなことに、バンドをやめて日常的に歌わなくなってからずっと出にくかった声が、わたしは歌がうまいんだ、と思ったとたんに出やすくなった。いま、絶好調。あさってひさびさに人前でうたうので、すごくいいタイミングで調子が上ってきたな、と思う。

きょうとあすは死ぬほどビタミン摂って、8時間以上寝よう。自己管理。仕事でそう言われるのは緊張感があるけど、歌は遊びだからわくわくする。遊びのために真剣になるのは楽しい。なんでも真剣にやんなきゃおもしろくないもん。真剣に、ふざけにいく。わたしは歌がうまい。そう思って、舞台に上がる。

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