やっぱり守れるのは”近所の兄ちゃん”【6/13砂町スマホ教室】
今回も、先日開催した「砂町スマホ教室」の中で、感じたことを書いていきます。
家族、若者の心配事
皆さんのおじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さんは「スマホ」を持っていますか?
ご家族が持っていたり、持つことを少しでも検討されていたら、きっと感じたことがあると思います。
「大丈夫かなあ・・・」
例外なく、僕たちのスマホ教室に参加されているご高齢の皆さんからも、同じような話が聞かれます。
「娘に心配されていてねえ〜」「スマホで買い物をしたいんだけど息子に”そんなことしたら危ないだろ!”って怒られてね〜」「新しくスマホを買いたいんだけど、家族に反対されていて・・・」
皆さんも考えたことありませんか?
”おばあちゃんだから大丈夫かなあ””もう持たないほうがいいんじゃない?””詐欺とか怖いし・・・”
みんなの心配は増幅されるばかりです。
当事者である高齢者も、家族も、周囲も、みんなが「心配」しています。
心配の次は・・・
そんな心配を感じると、次に取る選択肢は、「持たない」ことです。
「スマホなんていらない」
「持ってても絶対使わない」
「家の電話で十分」
こうして、高齢者は社会から分断されていきました。
<チャンチャン♪>
みたいになるのが嫌なので、僕はスマホ教室をガンガンやっているんですが、心配な気持ちも、実際に肌感覚でヒシヒシと感じているのでとてもよく理解できます。
そこで、とても参考になる考え方があったので、ご紹介します。
ネガティブ本能
先日、ずーっと読みたかった本を読みました。
本の名前は「FACTFULLNESS」です。
その本の中にこんな一節がありました。
”ファクトフルネスとは・・・ネガティブなニュースに気づくこと。””そして、ネガティブなニュースのほうが、圧倒的に耳に入りやすいと覚えておくこと。物事が良くなったとしても、そのことについて知る機会は少ない。すると世界について、実際より悪いイメージを抱くようになり、暗い気持ちになってしまう。”
高齢者を食い物にした詐欺は後を絶ちません。その内容は、もちろんスマートフォンに関連したものも多くあります。
でも、その裏で、スマホを使えるようになって『笑顔になった』高齢者は何人いるでしょう?
先日も、スマホのメッセージアプリでクラスの友人からいじめにあった子供が自殺しました。
高齢者の方が、スマホに関連して、命の危険に晒されたのは何件あるでしょう?
もしも、命はお金よりも大事であるとするならば、スマホ使用を心配すべきは、高齢者よりも子供ではないでしょうか。
”ネガティブ本能を抑えるには、「悪いニュースのほうが広まりやすい」ことに気づくこと”
この章の最後にこうまとめられていました。
つまり、「人間はもともとネガティブに考える生き物」だということです。
高齢者のニュースは、一般論として『分かりやすく、弱い者いじめをしている』ひどい出来事として取り上げ易いということです。
スマホを使う高齢者が、必ずしも危険な目に遭い易いという幻想に気づく必要があります。
誰が助ける??
心配なのはわかった。
人間がネガティブに考えることもわかった。
じゃあ、どうすればいいの??
そこで僕たちが登場します。
「スマホ教室」です。
このnoteを書くきっかけになった出来事があります。
先日の砂町スマホ教室の終盤、そろそろお開きにしようかと思っていた時、僕の近くに座っていたご高齢の女性の方が、ある画面を見せてくれました。
『docomoからこんなメールが来たんですけど、契約内容を変更しないといけないみたいで、、、』
確かに差出人には、『NTTDOCOMO』と書かれています。
しかし、内容をよく読むと、理解不能な期限で区切られた契約期間、内容に使われている文字のアルファベットは大文字小文字が不自然に羅列してあります。
間違いなく、架空請求等のDMです。
このメールを引き合いにし、皆さんに注意喚起を行いました。
すると、予想を超えた反応が。
『へー!そうなんですか!助かった〜』
『あ!同じようなものが届いていたかも!』
『教えてもらわなかったら、そこ(URL)を押していたかも!』
最後に、
『もし、少しでも、ほんの少しでも不安でしたら、近くの販売店か、僕たちまでお知らせ下さい!すぐ相談に乗ります!』
多分、販売店には行かないでしょう。
長年、この日本を支えて来られた皆さん。
メンツや世間体から、よく知らない他人に頼ることが苦手な世代でもあります。
"昔は隣近所で交流があった、最近は希薄だ"と言われますが、それは少し時代が違います。
今の70代80代は、現役時代の多くを、高度経済成長期〜バブル期に過ごしています。
そう、人間関係を決定的に希薄にした時代のど真ん中です。
だから頼れないし、若者世代からも分断されているのです。
でも、ここ(スマホ教室)に来ている人、関わっている人は、『頼れる人』がいます。
僕たちは、行政も販売店にも出来ない【セーフティネット】になることが出来ます。
不安な気持ち。
ネガティブな気持ち。
頼れない気持ち。
そうした、やり場のない高齢者の気持ちに、仲間として寄り添える。
そんなスマホ教室にしていきたいと思いました。
おわり。
シニアの方々が、主体的に・楽しく生活し続けられるよう、頑張ります!少しでもご協力頂けると幸いです。