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新型コロナに苦しむ介護事業者の悩み

以前書いたnoteもおかげさまで沢山の方に読んでいただきましたが、まだまだ本当に届いて欲しい方に届いていないと思っています。

このnoteを公開以来、いろんな方々からのご相談やご質問を頂いたので、僕なりにお答えしていこうと思います。

また、リアルな関係の中で「介護業界から炙り出されたもの」についても書いていこうと思います。

①感染が怖いけど、利用者さんのために営業すべき?

”利用者さんのため”

介護事業の中で一番の悩みどころかもしれません。
利用者さん(高齢者)のために仕事をしているからこそ、感情移入してしまうし、全てを利用者さんのために捧げないといけないように思ってしまいます。

間違ってはいません。

でも、僕たちは「民間企業」なのです。(社会福祉法人など、その他の団体は除く)
民間企業は、民間企業の社会的責任があります。

事業を通して利益を循環させ、事業に関わるステークホルダーに貢献する事です。
ふんわりしているので、言い方を変えると、「全ての行動を利用者さんのためにする」のが目的ではないんです。
職員も、関係者(ケアマネさんなど)も、株主も、「全員にとって何をすべきなのか?」を考えなければなりません。

休業も一つの手段でしょう。

営業も一つの手段でしょう。

手段はなんだっていいんです。一生懸命考えた事なら。
ただそれを「全て利用者さんのため」と考えないでください。
壊れます。潰れます。

あくまで「経営者・管理者は」です。
現場の職員さんは日々利用者さんのために業務に当たってくださっています。

厳しいようですが、経営サイドと現場サイドでは判断基準が異なることを理解してください。特に有事においては。

②「風評被害」が・・・への理解

「職員や利用者さんに感染疑いや発熱や体調不良があった場合、公表した方が他の施設が手を打ちやすいのはわかるんですが、その後の風評被害というか、”あの施設は感染を出したんだ”とか言われて、利用者さんが減ったりするのが怖い」

結構多くの方からこのような声が上がりました。

「風評」つまり「人から人へ伝わる評判」の伝わり方を理解していないと、これは解明できません。

そもそも、「風評被害」というものは、「加害者」と「直接的・間接的被害者」の間にあるものではなく、「そのどちらでもない人」の”感想”なのです。

言われたことありませんか?
「私はそうは思っていないんだけど、〇〇さんがあなたのこと苦手らしいよ〜(苦笑」
大きなお世話ですよね。
しかしながら人は「大きなお世話」が大好きなんです。
大きなお世話をすることで、自分の立場を優位なものにしたい、つまりマウントを取りたいんです。

「あそこの施設って感染者出したらしいよ〜」
と言う人、それを理由に施設の利用を控えようとする人は、そもそも「利用客」に範疇に入っていないことがほとんどです。
よく考えてみてください。
日本は急激な高齢化によって、インフラやサービスが足りていないんです。
都内であっても、サービスどころか「認定調査」のインフラすら整っていないので、「介護の入り口・スタートライン」にすら立てていない人が沢山います。

大丈夫、お客さんは沢山います。

さらに言うと、

・感染者を出したが、迅速に報告・対応した
・感染者を出したが、対応が後手に回った

どちらがいいですか?

感情的に「風評被害が・・」と思ってしまい、外部に報告しなかったばっかりに、取り返しのつかない状況になってしまいます。それこそ風評被害です。

③休業したらどうしよう・・・

大丈夫です。

きちんと計画を立て、助成金を活用すれば大抵は生き残れます。
あと、連絡もらえれば計画から実行まで教えます。

④自主休業したら利用者さんが他の施設に行って、その施設が大変になるかも

では、あなたが、世界中の高齢者を救ってください。

冗談は置いといて。

世界はそんなに狭くありません。
二つや三つの施設だけで回っているならば大変です。

しかし、一部の地方を除いて、そんなことはほぼあり得ません。

⑤緊急対応策は・・・「ケアマネへの呼びかけ!!(ドヤっ!」

我が自治体が宣言したものです。
と言うか、事業者の代表が共同で宣言したものです。

目的もKPIも検証方法も決めず、定性的な言葉で逃げても、感染症は許してくれません。

呆れ返ってしまい「はあ?」と言ってしまいました。

⑥「もし感染してなかったらどうするの!?怒」

これ実際にありました。

熱発のある利用者さんがいらっしゃったので、「チームケア」の観点からケアマネさんや他事業者さんへ連絡。
直後ケアマネさん激怒!!!!!!!

「もし感染してなかったらどうするの!?怒」

何を言っているのか分からず、ただ茫然としていました。

危機感の希薄さと、論理思考をあまりにも欠いた感情祭り。。

こちらが怒ってもしょうがないので、嵐が過ぎるのをじっと待ち、その後の対応も粛々と行いました。

⑦ケアマネ最強神話・・・

例のウイルス前はむしろ事業者側(ケアマネから”仕事を振ってもらう”デイサービスや訪問ヘルパー事業所など)がこう思っていましたが、”with〜以降”に限っては、ケアマネ自身がこのように認識しているようにも見えました。

多分それはケアマネ自身の自己顕示などではなく、「構造」が多分に影響しているのではないかと思いました。
在宅介護の中心にケアマネを据える構造に、業界全体(民間事業者も行政も)が甘えてきたツケです。
ルールの上塗りに対応し続けるケアマネ、例外や有事は全てケアマネ頼み。
実際のケアマネ業を詳しく知っている方は、いかにケアマネの仕事量が多いかがわかるはずです。
便利屋のような仕事も多数あります。
そうやってケアマネの仕事を多種多様に増やし続けた結果、幻想として「ケアマネはなんでもできる」と業界人全員が少しずつ思うようになっていったのかもしれません。

⑧「システムが一人歩きする・・・」(…チーン)

すいません。これ愚痴です。

僕の活動している自治体内において、速報性をもって事業者間で情報共有をしあおうという機運が高まり、既存のプラットフォームなどを使い、半日で仕組みを構築しました。
すぐ関係者に展開し、「やりましょう!」と提案しました。

なんやかんやあり、テレカンでの話し合いである事業者さんがおっしゃったことです。

「システムが一人歩きするんじゃないかと思うんです。」

開いた口が塞がりませんでした。
何を根拠に、何を言っているのか意味不明でした。
この方が言いたかったのは、こんな感じじゃないかと思うんです。

「自分はパソコンとかインターネットとか詳しくないからよくわからない。説明を何度されても覚えたくないのでわからない。わからないということは、きっと良くないものなんだろう。」

いち施設・組織のマネジメントをする立場にあるにも関わらず、この有様です。。。

最後に:介護事業者のレベルアップには・・・

①業界に囚われず、常に勉強・成長できるマネジメントであろう
②自分でコントロールできることに集中しよう
③オフィシャルな情報は抜け漏れなく得よう

まずはこの三つを愚直に実践し、「悩み」を明確にしていきましょう!

<終わり>

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