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林道コラム1~林道は『道路』じゃない~

みなさんこんにちは。
林務担当の私は林道の記事を書いてみました。

林道って通ったことありますか?
島の方なら一度は通ったことがあると思います。
実は、みなさんが通っている林道は、道だけど『道路』じゃないんです。
どういうことでしょう。
 

1.そもそも林道ってなに?

見出しの写真は御蔵島にある黒崎高雄林道を撮ったものです。
みなさんは林道についてどのようなイメージを持っていますか?
 
山にある道、ガタガタの悪路、自然いっぱいの散歩道、etc.
 
私は通行止めばかりしているイメージがあります。
やっと通行止めが解除されたと思ったらすぐにまた通行止め。
通行止めにしてるのは私たちなんですけどね。
(ご理解とご協力をありがとうございます)


林道は森林の整備や林産物の運搬など、基本的に林業活動のために造られた道です。
実際には林業のためだけでなく、災害発生時には山村の孤立化を防ぐ迂回路としての活用や山村の生活環境の改善、地域振興など農山村の交通施設としても重要な役割を担っています。
 
もう少し簡単に言うと、
林道は一般車両の走行も想定した、林業機械や林業用車両のための交通施設です。


2.林道は『道路』じゃない


都道も林道もどちらも交通施設です。
これは当たり前な感じがしますね。
でも、都道は道路法上の『道路』ですが、林道は道路法上の『道路』ではないです。
しかも林道は狭義の公道ですらなく、どちらかというと私道に近いです。

都道を造る時は、都道になる土地を買収し東京都の土地にしてから工事をします。
林道を造る時は、森林所有者(山の地主)さんから土地使用承諾もらって工事をします。

用地買収を行わないので、林道が通っている土地自体は地主さんの所有地のままです。
つまり林道は、個人の土地をみんなで通らせてもらっているわけですね。

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道路法では、『道路』とは高速自動車国道、一般国道、都道府県道及び市町村道と定義されます。
個人の土地にある林道はこれらに該当せず、『道路』ではないということになります。

〇道路法 
第2条第1項
この法律において「道路」とは、一般交通の用に供する道で次条各号に掲げ
るものをいい、トンネル、橋、渡船施設、道路用エレベーター等道路と一体となってその効用を全うする施設又はエ作物及び道路の附属物で当該道路に附属して設けられているものを含むものとする。
第3条第1~4号
道路の種類は、左に掲げるものとする。
高速自動車国道 一般国道 都道府県道 市町村道



3.三宅支庁管内の林道


三宅支庁は三宅島と御蔵島を管轄しています。
都が管理する林道が10路線(水色)、村が管理する林道が2路線(紫)あり、総延長は52kmにも及びます。

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火山噴火等の影響により、当面の間、神着線と阿古線は通行できなくなっています。
神着線は火山ガスによる立入規制で通行できないだけですが、阿古線に至っては路体崩壊等が酷く復旧は難しい状況です。

また、雄山環状線の東側(火の山峠~空港辺り)は、橋が災害で無くなったことと全体的に通行の安全が確保できないとの判断から通行止めになっています。
一般の方が通行することを考えると、橋が完成しても全体的に林道の改良工事や治山工事をしないと解放できないため、雄山環状線が全線通れるようになるのはまだまだ先になる見通しです。



今回は林道の豆知識と三宅支庁管内林道のご紹介をしました。
次回以降、林道の楽しみ方や通行する時の注意等などの記事も投稿していきます。
そちらもぜひ読んでください。

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