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自分がしている契約、把握してますか?

こんにちは。

司法書士業務の大きな柱として、
認知症や 知的障がい・精神障がいなどで判断能力の衰えた方の支援をする 「成年後見人業務」があります。

具体的には、通帳や不動産などの管理をしたり、
役所や年金の手続きをしたり、
施設の入所契約やヘルパーなど介護サービスの契約なども行います。

成年後見業務を行っていると、
「これって生前整理だよね~」と思うことがしばしばあります。
例えば、使っていない銀行口座を解約したり、
不要な契約を解約したり。

ただ、何かの引き落としがあっても、
それが何の引き落としかが分からないことも…。

通帳やクレジットカードの明細はせいぜい会社名などが書いてあるくらいで、
多くの場合、サービス内容まで記載されないし、
ご本人に尋ねてみても、はっきりしないこともあります。

ご親族などにも一応聞いてみますが、私たちが関わっているケースは、
子供さんがおられない方
ご家族が遠方に住んでおられる方
諸事情で、ご本人と密に連絡が取れない方などなど。
つまり、ご本人の細かな生活状況まで把握されていないことが多く、
ご本人やご親族に尋ねても分からなければ、調べるしかないのです。

通帳やカードからの引き落としが何のか、
明細をもとに片っ端から調査していきますが、
個人情報なので、そう簡単に教えてもらうことはできません。

まずは、支払先の業者に問い合わせて、
ご本人との関係を証明する書類を提出して、
「代理人として問い合わせをすることができる」ことを業者側で確認してから、
ようやく話をしてもらえます。
…、ここまででも、結構な時間がかかります。

そして、契約内容が分かり、
現在のご本人に不要なサービスであれば、解約するという流れになります。

とはいえ、今の時代ものごとはそう簡単なく、
ある会社が、他の会社の決済の代行をしていたり、
他の会社の分も合わせて請求してされていることがあります。
(実際に、私の電話代も、固定電話とプロバイダーが別会社なのに、
合算して引き落とされています。)

ようやく、代理人として何の契約か確認できる!と思いきや、
他社の請求分の内容までは分からないと言われ、
その会社(決済を他社に依頼している会社)に問い合わせたら、
案の定、また新たに証明書を出すように言われる始末…。

やっと話ができると思ったのに、また、振り出しにもどってしまった(泣)
ということも。

私たちは業務としているから、手間がかかることも承知の上なのですが、
これをご家族がするとなると、どうでしょうか。

たとえ、ご家族といえど、何か手続きをする場合は、
ご本人に同行や電話をしてもらう
必要書類に署名をしてもらう
委任状を書いてもらう
などの作業が必要になることが多いです。

近くに住んでいれば、まだましですが、
遠方にいて、しょっちゅう帰省できる状況でなければ、
手続きどころか、そもそも何の契約なのかの確認すらできない…という状況になりかねません。

しかも、これからの時代は、
ほとんどの方が、インターネットを通じて契約をされていくでしょうし、様々なデジタル関連の資産も持っておられると思います。

デジタル関連の資産としては、
パソコン、スマートフォンだけでなく、
ネット銀行、ネット証券
QRコード決済、
電子マネー、●●PAY、
様々なSNSやサブスクリプション契約、
暗号資産もあるかもしれません。

こういった契約や資産を本人以外の人が把握することは、
なかなか骨の折れる作業です。

スマートフォンやパソコンの中にに情報があったとしても、パスワードを開けられなければ、
それらの存在に気付くこともできないかもしれません。

このことから、
自分が契約している情報の一覧表をつくることをおすすめします。
これも、「情報を整理する」生前整理の一つです。

情報を明らかにする方法は、ノートに書くなどアナログがおすすめ。

ただ、入れ替えたり、変更することを考えると、
エクセルやワードで一覧表を作成した方が楽ですよね。

ただ、データのままだと、「契約内容やデジタル資産をまとめたデジタル」ができるだけになるので、印刷するようにしてください。

データにして置いておくと、
自分でもそのファイルをどこに置いたのか分からなくなることがありますし、
よほどでない限り、なかなか見ないのでは…。

そして、「生前整理」は終活ではなく、「生き活」
生きるための活動です。
「もしも」のときのために置いておくのではなく、活用しましょう。

「契約しているもの」の一覧を作成しておくと、
このサービスは本当に必要なのか、
解約が面倒で、何となく継続したままになっていないか
すぐに見直すことができし、
支払期日、支払額、決済方法などを記載しておくと、家計の把握にもつながります。

私は、エクセルで作成・印刷して、
領収書を集めているファイルの表紙の裏に貼りつけています。

2~3年ごとに決済されるサービスも、
「今年だっけ?来年だっけ?」
「これ、何の引き落しだったかな?」と考えることもなくなりました。
 
無駄な支出は早々にやめて、
美味しい食事に行ったり、
旅行に行ったり、
やってみたい習い事を始めてみたり、
これからの楽しみのために使っていきたいですね。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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