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直感とバイアス (vol 053)

私達の直感、どれ位正しいでしょうか?

規模はどうであれ、海外で拠点長をする迄にはそれなりの経験を積んでいます。
自分の経験に基づいた、「自分の直感の判断」にも自信を持っているはずです。

かく言う私も、
海外拠点の社長機能を12年以上務め、自分の判断には相応の自信があります。
それでも、
文化背景の違う国、会社、組織で、100%正しい判断ができる自信はありません。
いや、

「正しい判断」と言うこと、考えること自体が間違っている

かもしれない時代になっています。

マネジャーという立場にいる面々の多くも同じと言えます。
VUCAの時代、従来にないスピードでの環境への適応が求められている中、
直感での判断でスピードを上げることも必要です。

一方で、直感に囚われすぎることも問題
だからこそ、直感のバイアスに陥るのではなく、「FACT」を知ることが重要という本も売れるのでしょう。

その前に、

自分の考えにはバイアスがあるかもしれない、

気づくことが第一歩。1人ではなかなか気づけません。
バイアスの存在に気づかないと、FACTの見え方も異なるかもしれません。

だから人との「対話」、対話からの自分の判断の鳥瞰、が大切になってきます。

事実の理解、分析、からの理解、という姿勢も、素直に事実を観ることが重要であるように、
自分の知っている情報、経験だけで判断するのではなく、幅広い情報、経験を活用して判断を下す。

自分のバイアスから抜け出すために、他の人の考えや視点をしっかり聞く

そんな姿勢を失いたくないものです。

マネジャーに対しては、自信を持って、
   もっと自分のやりたいことを全面に出しなさい(判断しなさい)
と言ってはいますが、同時に
やはり「過信」は危ないよ、という認識も必要なのだろうと思います。

Intuition and Bias

In psychology, there is a method of thinking called "heuristics" that "provides intuitive and quick answers from empirical rules."

 Daniel Kahneman, winner of the 2002 Nobel Prize in economics, states in his book “Thinking, Fast and Slow” that judgments based on intuition are "generally correct, but sometimes decisively wrong".
The Harvard Business Review (2016) also warns that heuristics (i.e., intuition) can create bias (i.e., presumptions) and if we don't understand this, we may "make a decisively wrong decision".

To avoid such mistakes, I believe that dialogue through which we listen to other people's opinions is effective. Through the dialogue we can calmly observe ourselves and check whether we might have fixed perspectives or not. And it will lead us to make better decisions.

We should always ask ourselves the following questions like;
Do I have a bias in my judgment? Isn't there another perspective?
直観とバイアス
心理学に「ヒューリスティクス」という「経験則から直感で素早く答えを出す」思考法があります。2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン氏は著書「Thinking, Fast and Slow」の中で、経験則から直感で導き出した判断は「概ね正しいが、ときには決定的に間違う」ものだと述べています。
ハーバードビジネスレビュー(2016)でも、ヒューリスティクス(=直感)によりバイアス(=思い込み)が生じること、そして、そのことを理解しないと、「決定的に間違った判断をしてしまう」可能性を警告しています。

無意識に固定化した視点(バイアス)に気づくためには、自分以外の視点を手に入れる「対話」が有効です。対話を通じて他の人の意見を受け止め、自分自身に固定化した見方がないかを冷静に観察することができます。そのことが、よりよい判断を導き出すと思っています。

自分の判断にはバイアスがかかっていないだろうか?別の視点はないだろうか?を常に自問したいものです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「思い込み」があるかもしれない。そんなことに
あなたはどんな時に、気づきますか?   気づいたことがありますか?
どうやって、抜け出しましたか?

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