「人材を育てる」言動の一致 (vol231)
人材は人財
多くの会社がこんな表現をしています。
本当かな〜? 今の状態で人財育成してるって言えるのかな?
人材育成、人材開発、人材教育。
OJTが声高に言われる日本の企業では、教育は日常の中での実践が当たり前、できて当然、の考え方が横行しています。人材育成に対する費用には、
「外部教育? それってなんぼのもん?」
「そんなんで、効果上がるの?」
と質問する幹部のなんと多いことか。仮に外部研修での成果の話をしても、
「それって、外に頼まなくてもできてたこと、ちゃうか?」
無駄な費用をかけたと言わんばかりの発言?と疑いたくなります。
それでもって、そんな組織ほど、常に業績目標の負荷でパンパン。
OJTする時間、どこやねん!?
教育研修費の予算組みでも「この経費、何?」
経理上の仕組みも設備投資と異なって、人材教育は償却でなく一括費用処理。外部委託の費用はドンと発生しても効果が見え難いと、真っ先に削減の対象。
「我社は人財を大切に」するはずの費用が、まず削減とは。。。
色々と経験したある海外拠点の赴任先では、教育研修予算「ゼロ」に愕然。前職が幹部に忖度したのかもしれません。
もちろん、OJTへの時間確保や内部での教育も重要です。
コロナ禍でいつ誰が戦線離脱するか不安だった2020年、業務のバックアップ体制を作ろう、組織のマネジメント能力を上げよう、としてマネジャーによる勉強会やリーダー教育を始めました。今までの単発指導ではなく、じっくりとレベルアップを図る毎週・毎月の継続的な社内教育を実践。
並行して、誰に何のスキルをつけてバックアップするかOJT計画も作成。
不謹慎かもしれませんが、
「キーマンが歯抜けになる前の、今このタイミングで教育をしっかりやろう」
の合意形成できたのはコロナに対する危機感のおかげとも言えます。
生産の戻りで業務負荷が高くなる中、外部講師による研修も積極導入。
この時に感じたのは、「餅は餅屋」
外部委託の研修では、内部教育やOJTでは理解されなかった点が簡単に伝わったりします。外部講師という「権威と費用のありがたみ」に加え、やっぱりファシリテーションが上手い。私が2年かけて発信し続けた「傾聴」の腑落ちも、2日x2回の餅屋の講習の方が大きなインパクトを与えました。
結果、コロナ対応の影響の中、むしろ業績面では改善して乗り越えました。
これができたのは人材育成でマネジメントスキルやチームワーク力が向上したから。その実感を記憶に定着してもらいたい。「私が帰任した後も、人材育成の手を緩めるなよ」そんな思いを強く抱いてのツイートです。
振り返って、私自身。一番の役割事項に人材の育成と進化を挙げているけれど、本当に人材育成になっているかな〜。自問しながらの毎日。
拠点長、マネジャー、リーダーの役割は、
リーダーを創る。そのための環境を準備する。
そんな信念で、教育投資はケチらないようにしたつもりです。
NETFLIXのリード・ヘイスティングCEO、部下との関わりが時間全体の25%。には及びませんが。。。私が参加した社内外の研修、マネジメントとの1on1、社内ツイートの発信だけでも相当の時間をかけています(笑)。
費用的にもガッツリかけています。外部への費用、GMやマネジャーの講師時間、受講者として業務を離れたチームメンバーの時間も含めた費用合計は莫大。それでも投資を上回る効果をあげたのも事実。
人材育成は、「人材投資」です。投資を判断したら回収する。
「回収する」は「回収を期待する」ではありません。
投資以上に回収すると決めて、教育して、回収できるまで目の前の部下に関わり続ける。人任せ、相手任せにしない。
覚悟さえ持てば、効果が出るまで関わり続けるので絶対に効果が出ます。
効果を出してくれる部下と信じているから、人材投資するんでしょ?
ならば、その人を信頼して、成果が出るまで関わる。
それが、人材育成、人を育てると口にしたことへの言動一致です。
最後までお付き合い、ありがとうございます。
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