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主人のマイペースは、私のストレス。

あれは、結婚して間もない頃。

主人の、親戚から結婚式の招待状が、届く。

新妻の私としては、粗相の無い様にと、

主人の、スーツを確認、ハンカチと、祝儀袋に、

新札を用意してと。

大丈夫まだ、三ヶ月ある。

問題は、主人の頭だ。

日頃、床屋に行くのを、面倒がる。

どうやって、床屋へ行かせるべきか、それが問題だ。

私から、言えば、男のプライドが傷付く。

取り敢えず、三か月はある。

床屋代を渡し、貴方の好きな時に、行って来てと。


当然一か月目は、行かないだろう。

想定内である。

二か月目、当然行かないであろう。

想定内である。

その読みは、自分にストレスを与え無い為である。


そして、その読みは、現実の物となる。

しかし、お式直前に行っても、襟足が青々と言うのも、

気になる。

そろそろ行って来たら?と私。

いい! 今度の休みに行く!

その、今度の日曜日になっても行かない。

ね~、床屋行かないの?と私。

いい! 今度行く!

その次の、日曜日も行かない。

もう、私は、イライラ。

もう行ったら、と私。

いい! 今度行く!

とうとう、明日が最後の日曜日の前日。

私は、玄関で仁王立ち。

仕事から、帰って来た主人に、

ねえ、そのまま、そのままで、良いから床屋行って来て。

ご飯も出来てるし、お風呂も沸いてるからと、必死に訴えるが、

女から、言われるの、そんなに嫌か?

いい! 明日行く!

私、はあーっ 明日!

明日って、お式当日だよ!お嫁さんじゃあるまいし、

今行ってよ!

どう、懇願しても動かない。


当日の朝、一番に起き車を出して出て行った主人。

その姿を見て、やれやれと安どするも、

数分で帰って来た。

何!

頭を見ると、ぼうぼう(汗)

玄関に、駆け寄りどうしたの?と聞くと、

床屋休みだったと。


はああーーっ 私はそのまま崩れ落ちる。

何で? 何で?三か月あったのに・・・

何で、床屋如きに行け無いの!

主人は、ふて腐れ、お前は、直ぐ恰好を気にする。

恰好じゃ無い!TPOって、言うの!


今でも、あの時は情けない。

床屋如きに、三か月もあったのに、行かせられ無かったのか?

もし、私に手落ちがあったとするならば、

お式当日の、床屋さんの営業日を、確認して置かなかったのが

唯一の、誤算。


主人も、よほど懲りたのか。

それから、まめに床屋に行くようになった。

月日は流れ、ふさふさとあった、主人の髪の毛も、

寂しくなったある日の事。

仕事から帰って来るなり、とても機嫌がいい。

どうしたの?と聞くと。

俺は、今日から、シ二ヤだあと、満面の笑み。

床屋代半額だ(笑)と。

もう、私の脳裏には、思い出したく無いあの時の事が・・・

何が、半額よ!

今まで、どんだけボランティアして来たの、切るとこ無いその頭!

私は、一回だけでいい!

あの時の、結婚式の日!

まだ、ふさふさあった時の頭。

あの時一回だけ行って来て欲しかった!

主人訳判らず、私の地雷を踏んでしまった。

その後、大人しい主人でした(笑)

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