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マグネシウムはサプリで補える?経皮吸収の効果はどうなの?を考えてみる

マグネシウムは600種類以上の酵素反応と関与しています。酵素反応の内容はエネルギー代謝、たんぱく質合成など実に多種多様です。生体内のミネラル量を比較しても、鉄が約5g、亜鉛が約2gに対して、マグネシウムは約25と5~10倍の開きがあり、いかに体内においてマグネシウムが重要な存在であるかが分かりますよね。

このnoteでも、何度もマグネシウムの重要性について紹介してきました。成人に推奨されるマグネシウムの推奨量は、310mg~420mg/日の範囲で指定されています。しかし、一部文献では日本人が平均して摂取しているマグネシウム量は、わずか250mg/日にとどまるのです。こうした数字からも、現代日本で「マグネシウム欠乏」に分類される人が、非常に多いと分かります。

マグネシウムをおさらい

まずは、マグネシウムの効果や食品をおさらいしておきましょう。前述の通り、マグネシウムは600種類以上の酵素反応と関与しています。その中でも、特に私たちの健康や生活で重要となるのが次の効果です。

・筋肉の弛緩効果(筋力の回復)
・酵素の代謝
・ホルモンバランスの調整
・有害金属(水銀やアルミニウム)の貯蓄抑制

マグネシウムが多く含まれている食品としては、大豆や全粒粉穀物(玄米など)、海藻類(ワカメなど)が該当します。日々の食生活でこれらを食べていない方は、マグネシウム摂取量が心配ですね。

マグネシウム不足で起こると考えられる健康リスク

実際に、マグネシウム不足が原因で次の疾患が増えているという説もあります。

精神疾患

現代日本人は、大小さまざまな精神疾患の罹患率が高まっているとされます。精神疾患の罹患に関係していると言われているのが、「セロトニンの減少」です。セロトニンは脳内の神経伝達物質のひとつで、ドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きがあります。

セロトニンの約95%は、腸内で生成されています。近年「腸内環境」という言葉を耳にする機会が増えましたよね。腸内環境を整えることは、セロトニン分泌量の改善にも効果的だと言われています。ちなみに、ガンの発生部位に腸内が多いことからも、腸内環境を整えることは非常に重要とされているのです。

そして、セロトニン分泌量を正常に戻すには、腸内環境だけでなくマグネシウムの摂取も重要です。セロトニンの材料として、アミノ酸のトリプトファンがよく知られています。それ以外にも、ビタミンB6、ミマグネシウムが、セロトニン生成に必要だからです。

便秘

腸内環境に関連した話を、もう少し紹介させてください。マグネシウムは昔から、便秘薬としての効果も確認されています。これは、マグネシウムに「便を柔らかくする効果」があると考えられているからです。期待されているためである。便秘に悩まされている方は、マグネシウムの摂取量を増やすことで便通の改善につながるかもしれません。便=老廃物がしっかり排泄されれば、腸内環境はさらによくなるでしょう。

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