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クレアチンの運動パフォーマンス向上のメカニズム。トレーニング経験豊富な男性にどう作用する?

このnoteでもたびたび紹介しているクレアチン。近年では、アスリートや運動愛好家の間で、運動パフォーマンス向上のためのサプリメントとして、プロテインと同様に愛されているサプリメントです。高強度な運動時にエネルギー源として重要な役割を果たすということで、さまざまな研究からもその効果が立証されています。

今回は、クレアチンが運動パフォーマンスをどう高めるのかという点について、12名のトレーニング経験のある男性を対象とした2024年の研究を紹介したいと思います。サンプル数としては非常に少ないんですが、短期的なクレアチンローディングが運動パフォーマンスをどう高めるのか、気になる人は必見です。

クレアチンとは?

まずは簡単に、クレアチンについてのおさらいを。クレアチンはアミノ酸の一種であり、体内で自然に生成されるか、肉や魚などの食事から摂取されます。

クレアチンは体内でクレアチンリン酸(PCr)に変換され、筋肉中に貯蔵されます。高強度な運動を行う際、筋肉はエネルギー源としてATP(アデノシン三リン酸)を使用しますが、このATPの貯蔵量は限られています。そこで、PCrが速やかにATPを再合成することで、筋肉は短時間ながらも高強度な運動の持続を可能とするのです。

短期クレアチンローディングの効果を検証

今回紹介する研究を発表したブラジル・Lavras大学の研究チームは、5日間の短期クレアチンローディングが筋持久力に与える影響を検証する研究を行いました。

この研究では、18歳から30歳の健康なトレーニング経験のある男性12名を対象に、ランダム化クロスオーバー二重盲検プラセボ対照試験を実施しました。

ランダム化クロスオーバー二重盲検プラセボ対照試験とは、被験者をランダムに2つのグループに分け、一方のグループにはクレアチンを、もう一方のグループにはプラセボ(外観や味がクレアチンと同じ偽薬)を投与し、一定期間後にグループを入れ替えて同様の試験を行う方法です。

二重盲検とは、被験者も実験者も誰がクレアチンを摂取しているか分からない状態で行う試験を指します。この方法を用いることで、プラセボ効果や実験者の主観による影響を排除し、より客観的な結果を得ることが期待できるわけです。

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