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疲労と低胃酸の関係性

疲労と聞くと、体力低下、筋疲労、栄養不足、内臓疲労、脳疲労、睡眠不足などさまざまな原因が思い浮かぶ。しかし、その原因のひとつとして「低胃酸」が考えられるケースもある。

(1)現代人は胃酸が多い?少ない?

仕事や人間関係のストレスで、胃がキリキリする。こうした話はよく耳にする。そのため、現代人は胃酸が多いと考えられやすい。これは事実であるが、厳密にいうと「空腹時の胃酸が多い」ことが原因とされている。

この「胃酸が多い」状態というのは、胃の内壁を守るための粘液と胃酸のバランスが崩れ、胃酸過多であることを指す。

【胃はなぜ胃酸で溶けないのか】
胃酸は非常に強力な溶解液であり、殺菌力も非常に高い。そんな胃酸から胃を守っているのが、胃の内壁に数mmという非常に薄く付着する胃粘液だ。食道にはこうした粘液が強く作用しないため、胃酸の逆流によって生じる逆流性食道炎の問題は無視できない。

胃粘液が少なくなれば、胃にダメージが生じてしまう。ダメージを与える存在として有名なのが、ストレス、アルコール、医薬品などである。

今回のケースで問題視されるのは「栄養の吸収時に必要な胃酸が足りず、しっかり食べているのにも関わらず、分解・消化の過程がスムーズに行われず、疲労が蓄積していく」ことである。

(2)低胃酸で生じる問題と原因

現代人は空腹時に胃酸過多の傾向にあるが、食物を分解する際は、むしろ低胃酸のほうが多い傾向にある。以下にあげる栄養素は、胃酸によってイオン化、低分子化されないと、その後の消化・吸収に悪影響を及ぼすとされる。

・たんぱく質(アミノ酸)
・亜鉛
・鉄
・マグネシウム
・カルシウム
・ビタミンB12
・葉酸
・βカロテン

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