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距骨下関節は、距骨下面と踵骨上面の間にある関節であり、足根洞(踵骨〜距骨の間の溝)の後方に位置している。距骨・踵骨は後外側と前内側の2ヶ所に関節面があり、球面形をする。

(1)概要

距骨下関節の運動軸は、斜めに走り距骨頚の上内側〜足根洞を通る(横断面42°、矢状面16°)さらに距骨下関節には若干の自由度(約6°)があり、合計三方向の運動で回内・回外運動が発生する。

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荷重位では踵骨が地面に固定され距骨が動き、非荷重位では踵骨が動くという異なる運動連鎖で、足関節の回内・回外運動が生じる。

荷重位において、距骨下関節の回内は踵骨の外反に加え距骨の底屈、内転が発生。回外では踵骨の内反と距骨の背屈、外転が発生する。荷重位では距骨に前後の運動が生じ、力の分散で役立つ。

・中立位での分散:踵骨・立方骨・舟状骨
・背屈位での分散:踵骨隆起
・底屈位での分散:※1st Ray
※1st Ray
内側楔状骨と第一中足骨で作る関節

(2)機能

1)衝撃吸収・下肢のエネルギー伝達

距骨下関節の回内は、踵接地の瞬間より開始される。関節は緩んでおり、接地面の形状に関節ポジションを変化させ、踵接地時の衝撃を吸収する。足趾離地で距骨下関節は固定化し、下肢の力が効率的に地面へ伝達される。

距骨下関節が回内位の時、回内位の下肢は短下肢となり衝撃が吸収される。このとき、距骨下関節に十分な回内が生じ、大腿骨より早く脛骨も回内。可動域が大きくなり膝関節のロックが解除され、膝屈曲が促される。

荷重位での距骨下関節の変位
①荷重位
距骨下関節は回内し、脛骨に生じる内旋の衝撃を吸収する。

②足趾離地
脛骨には外旋方向への運動が生じる。距骨下関節は回外し、関節の負荷を軽減する。

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