漫画原作「バスターガール」


①教室前
『2年E組』と言う表札。 

②教室内部
内部。黒板、教卓、机、掲示物が存在。ブレザーの制服を着た多くの生徒達。
教室の最前列の席に座る生徒久我樹(くがいつき)。椅子に座って、頭に腕を組んで、眠そうな表情の樹(イメージ神尾楓珠)。
樹 「あー」
欠伸。
N 「僕の名前は、久我樹。都立NOTE高等学校の2年生。親の仕事の都合上、東京の高校に転校してきました」
樹の上半身の画。
N 「東京での生活も慣れてきました」
腕を伸ばす樹。
N 「でも、一番驚いたのは」
教室の後ろを見る。後ろの中央の席で、ノートにアニメの絵を描いている少女不和澪(ふわみお)。小柄で目が大きい澪(イメージ森田ひかる)。
N 「彼女は不和澪。同じクラスの同級生です。実は・・・」
澪、女子生徒と笑顔で会話。

③センター街(回想)
センター街。『N0TEセンター街』と書かれた看板。多くの店舗が並ぶ。
目付きの悪い長身の不良達が出現。恐怖で通行人達が逃げていく。
不良達「!? 」
不良達の前にローファーの靴のアップ。
澪が不良達の前に立塞がる。
N 「彼女は、この学校の影で君臨する裏番長なのです」
構えて、不良達を鋭い眼光で睨む澪。
N 「この前も、街を我が物顔でいる不良達を瞬く間に、圧倒的な戦闘力で倒していました」
複数の不良達をパンチで次々と倒す。
N 「その光景を、僕は、まさかの形で目撃していました」
ひょっこりと、樹が店舗の片隅から目撃。
最後の不良が近くにあった鉄パイプを持って、澪に襲撃。
澪、素早く攻撃を回避。構え直して、攻撃再開。ストレートを不良に打つ。直撃して、地面に倒れる不良。
N 「その時の彼女は、正に鬼神でした・・・」
倒れた不良達と、それを立って見下ろす澪。

④教室内部
内部。
N 「こういう出来事がありながらも、この学校で生きています」
笑顔の澪。目が合う澪と樹。
樹 「おっと、ヤバい! 」
慌てて、目線を合わせない様にする。

➄都立NOTE高等学校・校門
校門。「都立NOTE高等学校」と書かれた表札。
校門の前を標準型の学生服(学ラン)を着た学生の集団(へヴァンリィワールド)が歩いて登場。
学生の一人が校門を開ける。学校に入る。

⑥教室内部
内部。
生徒1「オイ! 変な連中が校庭にいるぞ!」
体格の良い生徒が窓の外の光景見て言う。
生徒2「本当だ! 校舎に入って来る! 」
ミィデイアムの髪型の女子生徒も窓の外の光景見て言う。
澪・樹「!? 」
驚く二人。

⑦職員室・前
「職員室」と書かれた表札。標準型の学生服の生徒の集団が到着。

⑧職員室・内部
内部。机、黒板、FAX、電話等が設置。
ドアを開けて、学生服の生徒達が入室。
教師1「何だね! 君達は? 」
痩せた眼鏡の教師が立ち上がる。
千哲「私は、城ケ崎千哲。へヴァンリィワールドの関東地区の支部長だ」
教師に対し、微動だにせず言うへヴァンリィワールドの城ケ崎千哲(じょうがさきかずあき)。スラっとして、背の高い生徒の千哲(イメージ中川大志)。
教師2「へヴァンリィワールド! 高い知能と運動能力を持ったエリート学生集団! 」
ジャージを着たオールバックの教師が言う。
千哲「そして、貴方達に変わって、教育体制を改革し、より良い学校、より良い世界にしようとする者だ」
冷静に言う。
教師1「NOTE高校に何の用だ?」
千哲 「この学校は我等の管轄に入った。そして、校長を呼びたまえ」

⑨校長室・前
『校長室』と書かれた表札。

⑩校長室・内部
内部。校長机、ソファー、長机、書庫がある。
ソファーに向かい合って座る千哲と校長。低姿勢で日和見の校長(イメージ高木渉)。
校長「へヴァンリィワールドの支部長が、私に何の用でしょうか? 」
様子を伺う。
千哲「この学校と一人の生徒に用事がある」
毅然とした態度。
校長「はい?」
腑に落ちない表情。

⑪都立NOTE高等学校・校舎(回想)
校舎。桜の樹々と後ろに三階建ての校舎。グランドや駐車場が併設。『祝NOTE高等学校野球部~』と言う垂れ幕が複数存在。
N 「この都立NOTE高等学校は、偏差値の高さでは関東トップクラス、多くの生徒を有名大学に合格させている」
校舎の前を生徒達が笑顔で歩行。
N 「はい、それが我が校の自慢の一つです」

⑫都立NOTE高等学校・グランド(回想)
グランド。野球部の生徒が練習中。
N 「そして、多くの運動部が全国大会に出場している強豪校でもある」
生徒がホームランを打つ。
N 「金の卵いや、将来有望なアスリートの生徒達です」

⑬校長室・内部
内部。
千哲「だからこそ、貴方の様な人間に学校の生徒達を任せられない。我々の管轄下に置き、生徒達を導く」
鋭い眼光。
校長「ハイ・・・」
たじろぐ。
千哲「そして、この学校のポリスマン、分かりやすく言えば、裏番長が居ますよね」
両手をみぞおちに当てる。
校長「存じ上げませんが・・・」
千哲「隠しても、無駄ですよ! 」
睨みつける様に言う。
校長「いえ、私は知りません! 」
必死の弁明。

⑭センター街(回想)
センター街。倒れた不良達と、それを立って見下ろす澪。
千哲「学校周辺のトラブルになる厄介な連中を圧倒的な力で倒してきた裏番長が、この学校に居るんですよね」

⑮校長室・内部
内部。
千哲「その裏番長が、我々に牙を剥いたら大変な事になります」
校長「つまり、芽は出る前に刈り取れと」
千哲の顔を伺う。
千哲「裏番長を差し出せば、見返りに、我々は貴方達教師には何もしない」
校長の顔を見る。

⑯別の教室
澪・樹が居た教室とは別の教室。
生徒達「? 」
ドアを開けて、標準型の学生服を着た学生が入室。
学生1「取り調べだ! クラスの生徒全員、体育館に来い! 」
眼鏡の学生の冷徹な表情。

⑰廊下
廊下。先程の生徒達が学生に誘導。
仲谷「何だ!? 」
その光景を目撃する教師の仲谷。痩せて頼りなさそうな仲谷(イメージ中丸雄一)。
生徒3「仲谷先生、へヴァンリィワールドの連中が学校を制圧したって! 」
ショートカットの女子生徒が言う。
仲谷「何! 」

⑱教室内部
澪と樹の教室。
学生達がドアを開けて、教室に入室。
学生2「取り調べを行う! 全員体育館に移動しろ! 」
七三分けの学生2が教卓で叫ぶ。
澪 「!? 」
表情が鋭くなる。
樹 「何が起こってるんだ? 」
生徒達、学生に誘導されて、全員教室を退場。

⑲廊下
学生2を先頭に生徒達が誘導。最後部に澪と樹。
澪と一緒に歩く樹。
樹 「何で、君と一緒になんだ」
呟く。
澪 「ねえ、何か言った? 」
樹 「いえ、何でもないです」
萎縮。
周囲を見渡す澪。生徒達を誘導する学生達を確認。近くに2名学生がいる。
澪 「痛い、お腹が」
突如、下にしゃがむ。
樹 「不破さん! 」
駆け寄る。
学生3「おい、大丈夫か! 」
二人に近付く。
澪の鋭い目のアップ。
学生3に向かい、ボディーブローを打つ。吹っ飛ぶ学生3。
学生4「貴様! 」
攻撃する学生4に対し、澪が高速で接近し、フックを打つ。そのまま、地面に倒れる学生4。
澪 「皆! 逃げて! 」
生徒達に脱出を促す。先程の生徒1、2を中心に、この場から脱出。
学生2「反乱か! 」
状況を理解。
学生2「2年生の廊下で反乱発生! 至急応援を要請! 」
持っていたスマホで連絡。
生徒達が脱出するのを見届ける澪と樹。
澪 「久我君も早く逃げて」
樹に視線を向ける。
樹 「不破さんは、どうする気? 」
澪 「此処に残って奴等と戦うわ」
笑顔で言う。
樹 「気は確かかい? 」
澪 「勝機があるなら、戦い続ける」
表情が鋭くなる。と同時に、学生2が増援を5、6名連れて来る。
学生2「一生徒の分際で我々へヴァンリィワールドに歯向かうつもりか」
澪 「成程、アンタ達が噂の天才生徒集団ね。OKベイビー! 相手にとっては不足はないわ」
構える澪。
学生2を奥にして、廊下でジグザグの配置で学生達が構える。
澪 「ちょっと、久我君隠れて」
樹 「ハイ」
後ろに引っ込む。
学生2「かかれ! 」
澪に攻撃を開始する学生達。
澪、一人目の学生をジャブで打ち倒す。
続いて、二人目もストレートを打って倒す。
樹 「凄げえ・・・」
片隅で戦闘を目撃。
接近して来た学生を澪がローキックで瞬時に倒す。
近くにいた別の学生がキックで攻撃するが、澪が足で防御し、ローキックで反撃して倒す。
正面から来た学生に対して、瞬時に腹部目掛けて膝蹴りを炸裂させて倒す澪。
続いて、高速でパンチを打つ学生の攻撃を回避して、瞬時に学生に接近して、首相撲の状態になり、学生の腹部目掛けて、猛烈な勢いで膝蹴りを炸裂させて倒す。
樹 「不破さん、僕も戦うよ」
ホウキを持って登場。
澪 「遅いけど、良いよ」
ニッコリ笑う。
澪 「ねえ、アンタどうする気? 」
学生2「ウッ」
澪と樹にたじろぐ。
学生2「仲間が倒された以上は容赦しないぞ!」
額に汗。
学生2「いくっ」
と言った瞬間、頭部にフライパンが直撃して倒れる。
仲谷「不破、久我無事だったか!? 」
フライパンを持って、仲谷が生徒3と共に合流。
澪 「仲谷先生! 」
仲谷に駆け寄る澪と樹。
樹 「先生、無事だったんですね!」
仲谷「へヴァンリィワールドの連中は言ってる事は奇麗だが、やっている事は一口両舌の無暗矢鱈に厄介な連中だ」
澪 「遂に奴等が来ちゃんたんですね」
険しい表情。
樹 「これから、どうします? 」
二人に聞く。
澪 「これから、体育館に行って、皆を助けに行く。連中のボスも居るかもしれないし」
仲谷「奴等と一戦は起こすのは覚悟せんとな」
澪、樹、生徒3を見て覚悟を決める。

⑳体育館・建物
体育館。

㉑体育館・内部
内部。多くの生徒が集められている。奥には、学生が一列に並んでいる。演台には、校長と千哲がいる。千哲の後ろには、四天王の学生。
校長「生徒諸君・・・ 」
千哲や学生達の顔を伺いながら言う。
千哲「君達に問う! 」
校長の前に出る。
千哲「NOTE高校の災いをなす者達を力で排除してきた裏番長は名乗り出たまえ」
緊張して聞く、生徒達。
千哲「この学校は、我がへヴァンリィワールドの傘下に入った! 」
校長が、千哲の後ろで顔色を伺う。それを見ている生徒達。
千哲「悪い様にしない! 我等と共に、手を組んで・・・」
声 「待ちなさい! 」
千哲「!? 」
声に振り向く。
澪、樹、仲谷、生徒1~3とE組の生徒が体育館に登場。
澪 「この学校を、アンタ達の好きにはさせない! 」
千哲「コイツが裏番長か? 」
澪を見て、驚く。
校長「仲谷! 何で居るんだ!? 」
焦って、千哲の前に出る。
仲谷「処罰覚悟で来ました! 」
樹 「皆、逃げるんだ! 」
体育館の生徒達に脱出を促す。この場からE組以外の生徒が脱出。
千哲「これが、この学校の裏番長のお前の解答か」
演台に両手を掴む。
澪 「そういう事」
拳を手で握る。
澪 「私は、力では屈しない! 」
澪の鋭い眼光。
千哲「我等の傘下に入らなかった事を後悔させてやる」
澪を強く睨む。両者の顔のアップ。澪達と学生達の間に緊張感が走る。
千哲「かかれ! 」
一列に並んだ学生達走り出す。
澪 「皆行くよ! 」
一同「OK! 」
樹、仲谷、生徒達も前に出て、学生達と戦う。
激突する澪、樹、仲谷、生徒達と学生達。
それを演台で見る千哲。逃亡する校長。
澪 「久我君、ここは任せた! 私はボスと戦う! 」
戦いながら言う。
樹 「了解! マジで!? 」
驚く。
千哲に向かって、一直線に走る澪。
その前に、四天王(学生3~6)が現れる。4人共、トンファー(学生3)、特殊警棒(学生4)、木刀(学生5)、円形の棒(学生6)を持って武装。
拳を構える澪。
学生3が澪に攻撃を仕掛ける。一直線に来た学生3をボディーブローを打つ澪。学生3直撃し倒れる。倒れる際両手のトンファーが手が離れるが、トンファーが床に落ちる寸前に、澪がキャッチして装備。
続いて、学生4と5が攻撃に来る。高速で特殊警棒と木刀の攻撃を両手のトンファーで防御する澪。
澪 「行くよ! 」
近くに居た学生4に、トンファーをしたままバックブローを放つ。直撃し倒れる学生4。直ぐに、学生5の木刀の攻撃を後退して回避する澪。体勢を整えて、学生5に接近する澪。ミドルキックの連打で学生5を倒す澪。
学生6が棒で攻撃。素早い上段打ちで澪を攻撃する学生6、澪トンファーで防御。澪、トンファーの高速攻撃をするが棒で防御。棒の中段突きで攻撃を回避する澪。
樹 「不破さん! 」
学生6に向かって、学校ホウキを投げる。学生6ホウキを棒で払う。
澪 「チャンス! 」
澪、高速で移動して、学生6にトンファーで螺旋打ちを打つ。攻撃が直撃して倒れる学生6。
澪トンファーを捨てて、演台の千哲の所へ走る。演台前の階段を通過し、千哲の前へ登場。
千哲「君が、本当に、この学校の裏番長か」
澪 「この学校から立ち去りなさい」
両者の顔のアップ。
千哲「我々は、この腐りきった国を蘇らせたい! だから、大人になる前の学生達を一から教育し再生させるのだ! 」
両手を上げて、高らかに宣言する。それを聞く澪達。
樹 「そんな事しても、何も変わらない! 」
下に居る樹が叫ぶ。
千哲「腐った大人達のつまらない学校を改革し、日本を再生する! 明日の日本を導くエリートを作るのだ! 」
それを冷静に聞く澪。
澪 「学校楽しいよ」
千哲「えっ!? 」
驚く。
澪 「いろいろと大変だけど、皆と一緒にテストや部活、いろんな事が経験できるよ」
千哲の前で言う澪。澪の後ろには、樹、仲谷、生徒達がいる。
千哲「煩い! お前の言う事は言い訳に過ぎない! 」
演台に両手を握る。
千哲「交渉決裂だ! 話で分からぬのなら、力で説き伏せるしかない! 」
千哲の鋭い目。
澪 「力では、心は変わらないよ! 」
構える澪と千哲。
激突する澪と千哲。
千哲のジャブを回避する澪。更に来る千哲のジャブをパンチで払う澪。
澪素早くワンツーの連打で攻撃するが、千哲素早く攻撃を回避。
千哲も高速でパンチの連打で攻撃するが、澪両腕のブロッキングで防御。
仲谷 「互角の戦いだ」
戦いを見ている樹と仲谷。
更に、澪と千哲の戦いが続く。
澪と千哲の高速の打撃戦。
冷酷な表情の千哲、澪にミドルキックを放つ。直撃して吹っ飛ぶ澪。
澪 「効いた」
立ち上がる。
樹 「不破さん! 」
助太刀に行こうとする。
仲谷「不破なら、大丈夫だ! 」
樹を制す。
澪 「ここからが、本当の戦いだよ! 」
千哲「これで終りにする! 」
構え直す二人。
澪 「セメントで行くよ! 」
戦闘再開。激突する二人。
千哲、ローキックを蹴るが、澪足で防御する。
千哲「何? 」
高速のパンチの連打をするが、澪高速で回避。
澪、千哲にボディーブローを打つ。そして、渾身のワンツーを打つ。
千哲「ウッ」
千哲、一歩退く。
鋭い眼光の澪。
澪、千哲に高速に接近しローキックを放つ。
よろける千哲。
澪 「フィニッシュ! 」
千哲の顎に、アッパーを炸裂。吹っ飛び倒れる千哲。
樹 「僕達の勝利だ! 」
歓喜に沸く生徒達。

㉒都立NOTE高等学校・校舎
校舎。
N 「それから、数ヶ月後」
笑顔で学校に通う生徒達。

㉓別の教室
澪・樹が居た教室とは別の教室。
N 「へヴァンリィワールドの連中が、僕達の学校に来たと言う話は聞いていない」
黒板の前で授業をする仲谷。

㉔教室内部
澪と樹の教室。
N 「でも、奴等が又来るかもしれない」
欠伸をする樹。チラッと、教室の奥を見る。
N 「その時は、僕達で、もう一度立ち上がって戦うだろう」
澪が同級生と笑顔で会話。
N 「皆で、あのヘヴァンリィワールドの連中を払いのけたんだから! 」
澪 「? 」
樹の視線に気付く。
樹 「オット!」
慌てる。